アスペルガー症候群（ASD／自閉スペクトラム症）は先天性の発達障害ですが、出生前に検査する方法は現在ありません。また、血液検査や病理検査といった検査からでも判別はできず、出生後すぐの診察や検査では診断することができません。

成長に従い、アスペルガー症候群（ASD／自閉スペクトラム症）によくみられる性質や特性が顕著に現れると、子の成長に親が疑問を持ったり、気になる点が出てきて専門機関に相談し気づくケースが多いです。医療機関では、問診や心理検査などさまざまな情報を総合してアスペルガー症候群（ASD／自閉スペクトラム症）と診断を受けます。

アスペルガー症候群（ASD／自閉スペクトラム症）は知的な発達の遅れが見られない障害です。また、一人ひとりの特性は程度の違いもあり、軽度の場合やトラブルにならない場合は単に「個性」として受け取られることも少なくありません。そのため大人になっても自分の障害に気づかない人もいます。こういった状況が、アスペルガー症候群（ASD／自閉スペクトラム症）が気がつきにくく、診断も難しい障害とされているゆえんです。

アスペルガー症候群（ASD／自閉スペクトラム症）の根本的な原因をなくす治療法や、画期的な治療薬はありません。

ですが、個々にあった環境や工夫の中で療育や支援を受けることで、より生きやすい生活を送ることが可能です。

現在、心理療法やアスペルガー症候群（ASD／自閉スペクトラム症）のある人に並存しやすい易刺激性への薬物治療のほか、療育的アプローチ、保護者や周りの人が接する方法を学ぶペアレントトレーニング、過ごしやすい環境を整える環境調整などが一般的によく用いられます。

信頼できる医療機関や専門家とつながり、早期にサポートを行うことが重要です。

明確な原因が解明されていませんが、現在さまざまなデータに基づく実験や検証がされています。

アスペルガー症候群（ASD／自閉スペクトラム症）は、早期発見すれば適切に療育や支援が受けられますし、大人になってからでも十分にトレーニングを積んで、より過ごしやすい生活を手に入れることは可能です。

一人で抱えこまずに、専門機関や医療機関と連携し、本人が生きやすい環境を作っていきましょう。