あの英雄が自分とそっくり!?発達障害当事者が読む、凸凹だらけの三国志
ライター:鈴木希望
漫画や小説を読んで、「この登場人物、発達障害っぽいなあ」などと感じることはありませんか?そういう設定で読み進めると、あらゆることのつじつまが合うと気づいてしまったり…。 今回は、アスペルガー症候群(ASD)と注意欠如障害(ADD)当事者である私が、発達障害の見方が変わるかも知れない、三国志の読み方をご紹介いたします!
三国志が好きすぎて、武将たちが凸凹仲間に見えてきた!
こんにちは、アスペルガー症候群(ASD)と注意欠如障害(ADD)でフリーライターの鈴木希望です。普段『発達ナビ』さんでは、自分と同じくASDとADDを持つ息子の親として、また発達障害当事者としてのコラムを寄稿しています。
さて、私は友人知人の間で「三国志の人」と呼ばれています。
書店に入ればもちろん三国志コーナーに直行。「そうそう(相槌)」を「曹操(三国志の武将)」と誤変換したことに気付かず原稿を送信してクライアントさんに大笑いされてしまうほどです。半ばノイローゼですね(笑)
知識で言えば初心者レベル。ですが熱量ばかりはそこそこにありまして、少し前には「初心者の視点で三国志について語る」という趣旨のコラムの執筆を始め、以前にも増して意欲的に三国志について学んでおります。
そんなふうに三国志漬けで過ごしておりましたら、「あれ?この人、発達障害っぽいんじゃない?」と感じられる人物が結構いることに気付いたのです。
というわけで、今回はいつもと趣向を変え、『あの英雄が自分とそっくり!?発達障害当事者が読む、凹凸だらけの三国志』と題して、その一部をご紹介いたします!
※以下、『三国志演義』他、歴史小説としての三国志を主に参照しています。ご承知おきください。
さて、私は友人知人の間で「三国志の人」と呼ばれています。
書店に入ればもちろん三国志コーナーに直行。「そうそう(相槌)」を「曹操(三国志の武将)」と誤変換したことに気付かず原稿を送信してクライアントさんに大笑いされてしまうほどです。半ばノイローゼですね(笑)
知識で言えば初心者レベル。ですが熱量ばかりはそこそこにありまして、少し前には「初心者の視点で三国志について語る」という趣旨のコラムの執筆を始め、以前にも増して意欲的に三国志について学んでおります。
そんなふうに三国志漬けで過ごしておりましたら、「あれ?この人、発達障害っぽいんじゃない?」と感じられる人物が結構いることに気付いたのです。
というわけで、今回はいつもと趣向を変え、『あの英雄が自分とそっくり!?発達障害当事者が読む、凹凸だらけの三国志』と題して、その一部をご紹介いたします!
※以下、『三国志演義』他、歴史小説としての三国志を主に参照しています。ご承知おきください。
素直すぎる最強武将・呂布奉先はADHD!?
まずは呂布奉先(りょ・ふ・ほうせん、以下呂布)。羅貫中(ら・かんちゅう)の小説『三国志演義』では序盤に登場し、最強の武人と謳われる人物です。
1日に千里を駆けるという名馬・赤兎馬に跨る姿は、「人中に呂布あり、馬中に赤兎あり」と賞賛されました。異民族の血を引く美丈夫だったという説もあり、ドラマなどではイケメン俳優さんが演じる姿も見られます。
戦場では敵なしだったというこの呂布ですが、とにかく気が変わりやすい!
というか、目先の利益にとらわれがち。1度目は前述の赤兎馬欲しさに、2度目は女性関係のトラブルが原因で、あろうことか義父を2人も殺しちゃっています。
1日に千里を駆けるという名馬・赤兎馬に跨る姿は、「人中に呂布あり、馬中に赤兎あり」と賞賛されました。異民族の血を引く美丈夫だったという説もあり、ドラマなどではイケメン俳優さんが演じる姿も見られます。
戦場では敵なしだったというこの呂布ですが、とにかく気が変わりやすい!
というか、目先の利益にとらわれがち。1度目は前述の赤兎馬欲しさに、2度目は女性関係のトラブルが原因で、あろうことか義父を2人も殺しちゃっています。
他にも、世話になっていた領主の留守中に領地をのっとったり、かと思えばその相手に和解を申し出たり…。要は「そのとき、そのときに1番魅力的なものを選ぼう!」と、後先について深く考えずに動いてしまっているんですね。
結果、周りからの信用を獲得できず、部下に裏切られて絞首刑という最期を迎えてしまったのですが…。心のままにパッパッと動いてしまう呂布の衝動性に、ADHDっぽさを私は感じています。
衝動性だけではありません。
前述したとおり、武勇に関しては他を抜きん出ていた存在。120歩離れた場所にある戟(げき。武具の一種)を矢で射るなど、ここぞという瞬間にはずば抜けた集中力を発揮しています。
興味のないことにはずぼらにさえなるけれど、好きなことや得意なことにはとことん取り組める部分もまた、ADHDの匂いがしますよね。
結果、周りからの信用を獲得できず、部下に裏切られて絞首刑という最期を迎えてしまったのですが…。心のままにパッパッと動いてしまう呂布の衝動性に、ADHDっぽさを私は感じています。
衝動性だけではありません。
前述したとおり、武勇に関しては他を抜きん出ていた存在。120歩離れた場所にある戟(げき。武具の一種)を矢で射るなど、ここぞという瞬間にはずば抜けた集中力を発揮しています。
興味のないことにはずぼらにさえなるけれど、好きなことや得意なことにはとことん取り組める部分もまた、ADHDの匂いがしますよね。
猪突猛進、でもうっかり!張飛の愛されADHD説。
お次は張飛益徳(ちょう・ひ・えきとく、以下張飛)、多くの三国志作品で主人公に据えられる劉備玄徳(りゅう・び・げんとく、以下劉備)の部下で、義弟だった武将です。
戦では劉備軍の中心となって功を上げ、24回行われた一騎打ちでは無敗という猛将中の猛将。武勇は敵国の将にも知れ渡り、高く評されていました。
一方『三国志演義』や中国の民間伝承では、短気で無鉄砲、大酒飲みなそこつ者として描かれています。
戦では劉備軍の中心となって功を上げ、24回行われた一騎打ちでは無敗という猛将中の猛将。武勇は敵国の将にも知れ渡り、高く評されていました。
一方『三国志演義』や中国の民間伝承では、短気で無鉄砲、大酒飲みなそこつ者として描かれています。
先に言っちゃいます、張飛はADHD!
真っ先に思い出したのが次のエピソード。敵軍迎撃のため劉備軍が出陣した際、張飛とわずかな部下が城を守ることになりました。張飛の酒癖を心配した劉備は禁酒を言い渡し、張飛自身も「絶対に守る!」と約束するのです。
が!舌の根も乾かぬうちに「景気付けだ!」とばかりにさっそく飲む!酔った勢いで部下と仲違い。恨みを抱いた部下は呂布と内通。そして張飛は呂布に城を奪われてしまうという、取り返しのつかない大失態を犯すのです…。
たぶん、「劉兄貴に内緒で飲めばいいや」などと考えていたわけではないのでしょう。「(禁酒を)絶対に守る!」と本気で思っていたのでしょう。でも、飲みたくなったから飲む!そしてうっかりミス!ザッツADHD!
戦場での猛々しい姿との対比もあって、張飛のうっかりぶりはなんだか憎めない、可愛らしい一面に見えてきます。ずるいぞ張飛!
後年には頭脳戦に持ち込むなどの“やればできる子”っぷりも発揮。適応能力の高さもADHD的ですね。
真っ先に思い出したのが次のエピソード。敵軍迎撃のため劉備軍が出陣した際、張飛とわずかな部下が城を守ることになりました。張飛の酒癖を心配した劉備は禁酒を言い渡し、張飛自身も「絶対に守る!」と約束するのです。
が!舌の根も乾かぬうちに「景気付けだ!」とばかりにさっそく飲む!酔った勢いで部下と仲違い。恨みを抱いた部下は呂布と内通。そして張飛は呂布に城を奪われてしまうという、取り返しのつかない大失態を犯すのです…。
たぶん、「劉兄貴に内緒で飲めばいいや」などと考えていたわけではないのでしょう。「(禁酒を)絶対に守る!」と本気で思っていたのでしょう。でも、飲みたくなったから飲む!そしてうっかりミス!ザッツADHD!
戦場での猛々しい姿との対比もあって、張飛のうっかりぶりはなんだか憎めない、可愛らしい一面に見えてきます。ずるいぞ張飛!
後年には頭脳戦に持ち込むなどの“やればできる子”っぷりも発揮。適応能力の高さもADHD的ですね。