その内容は娘にピッタリだったようで…

タイトルを見た娘は「え?怒ってもいいの?」と言いながら、あっという間に1冊を読み終えました。
何度か気になった部分を読み返した後、「ママも読んでおいてね」とリクエストがあったので、私も目を通してみました。

簡単にまとめると・・・

●怒りの感情というのはとても大きなエネルギーを秘めている
●人間が進化する過程で怒りの感情が残されたのは必要な感情だから
●自分と自分にとって大切なものを守ろうとする怒りの感情を責められるのはおかしい

と、怒りを肯定的に捉えようとする内容になっています。娘はまずこの部分を読んで、安心したのだそうです。

今まで怒りの感情に振り回され、「どうして自分はこんなに怒ってしまうんだ」「どうしてみんなは怒らずにいられるんだ」と悩んでいた娘にとって、「怒ってもいいんだよ」という言葉がどれほど救いになったかわかりません。

だからこそ、『悪いのは怒ることではなく、怒りによって人や物を傷つけてしまうこと』『ではどうすれば良いのか』という次のステップへの導きをすんなりと受け入れられたのだと思います。

娘は自分なりにこの本の内容を消化し、なんとか相手を傷つけることなく自分の怒りの原因を伝えようと努力し始めたのでした。

本を活用し、我が家で決めたルール

怒るのは悪いことじゃないんだ!アスペルガーの娘を変えた1冊の本の画像
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28174005689
この本を読んだきっかけに、娘とこんなルールを設けました。
怒りに火がついてしまった時は、自分が何に怒っているのかをしっかり考え、次の手順で相手に話をする。

① 怒りの原因となった相手の行動を伝える
② その行動で自分がどんな気持ちになったかを伝える
③ どうして欲しいのかを具体的に伝える


初めに紹介したトラブルを例にとると、娘は息子に対してこのように伝えることになります。

① 楽しそうだけど、ちょっと声が大き過ぎるよ
② お姉ちゃんは今本を読んでいるんだけど、騒がしくて集中できなくて困ってるの
③ もう少し小さな声で遊んでもらえると嬉しんだけどな

これを機に、今まで弟に対しては「静かにしなさい!」など、お願いではなく指図をしていた娘の話し方が少しずつ変わってきました。そして、その都度「今の言い方はどうだった?」と私に確かめ、反省しながら次に繋げることができるようになってきたのです。

じゃあ、家の外ではどうする?

また、正義感の強い娘は信号無視やたばこのポイ捨て、公共の場でのマナー違反を見かけると、自分とは全然関係のない人に対しても強い憤りを覚え、怒ってしまいます。

そんな時は、「あの人は間違っている!」と怒った後で「でも自分はあの人とは違う」「自分はあんな行動をとる人にはならない」と、怒りの原因となった行動から何を学べるかを考えるようにしようと決めました。

疲労が溜まっていてイライラし過ぎているときは、怒鳴り散らしてしまうこともありますが、何よりも「自分で意識ができるようになった」ということが大きな進歩だと思います。

親だけが「もっとこうして欲しい」といくら願っていても、親の目が届く範囲でしか注意ができませんが、自分で意識ができるようになったら、成長するチャンスはとても多くなるからです。
次ページ「適切な方法も身に着くまでは時間が必要。だからこそ焦らずに」

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