双極性障害と間違えやすい病気
うつ病以外にも双極性障害は、統合失調症や境界性パーソナリティ障害などほかの病気と間違って診断されやすいと言われています。
「躁」と「うつ」という二面性を持つうえ、躁状態では本人に自覚がないことが多い双極性障害は正確に診断するのがとても難しいといわれています。
そのため、症状によって生活に支障が出て医療機関を受診しても、ほかの精神疾患と診断されることが少なくないのです。
以下では、双極性障害と間違えやすい3つの病気について詳しく解説します。
「躁」と「うつ」という二面性を持つうえ、躁状態では本人に自覚がないことが多い双極性障害は正確に診断するのがとても難しいといわれています。
そのため、症状によって生活に支障が出て医療機関を受診しても、ほかの精神疾患と診断されることが少なくないのです。
以下では、双極性障害と間違えやすい3つの病気について詳しく解説します。
統合失調症
統合失調症には「陽性症状」と「陰性症状」という2つの型があります。発症当初は陽性症状が現れ、少しずつ陰性症状へと変わっていく傾向があります。この二面性が双極性障害との大きな共通点です。
陽性症状では幻覚・妄想・興奮状態が起きるのに対して、陰性症状では自発性が乏しくなる・感情表現が鈍くなる・人づきあいが苦手になるといった状態になり、うつ症状にも見えます。
陽性症状では幻覚・妄想・興奮状態が起きるのに対して、陰性症状では自発性が乏しくなる・感情表現が鈍くなる・人づきあいが苦手になるといった状態になり、うつ症状にも見えます。
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自己愛性パーソナリティ障害
自己愛の強い人たちの行動は、ときに躁状態に見えることがあります。芝居がかった言動の数々で周囲の人たちに迷惑を及ぼすという特徴も躁状態の人に見られる傾向の1つです。
自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分の才能や業績を誇張し過剰な称賛を求めます。他人に嫉妬したり、尊大かつ高慢な態度で振舞います。このような症状は、躁状態の人が「自分にはなんでもできる」と万能感を感じて行動するのと似ています。
自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分の才能や業績を誇張し過剰な称賛を求めます。他人に嫉妬したり、尊大かつ高慢な態度で振舞います。このような症状は、躁状態の人が「自分にはなんでもできる」と万能感を感じて行動するのと似ています。
境界性パーソナリティ障害
「境界性」とは、もともと神経症と統合失調症の「境界」を意味していました。神経症をはるかに超える症状が現れるけれども、統合失調症ほど重症ではないと診断されてきた障害です。不安定な対人関係という特徴が双極性障害と似ています。
はしゃいでいたのに急に落ち込むといった症状が典型です。ほかにも、過食・過量服薬・リストカットなどを繰り返す重大な障害です。
以上で紹介した病気はいずれも双極性障害とは治療法が異なります。そのため、症状を回復させるためには正しい診断に基づいた適切な治療が重要になります。
はしゃいでいたのに急に落ち込むといった症状が典型です。ほかにも、過食・過量服薬・リストカットなどを繰り返す重大な障害です。
以上で紹介した病気はいずれも双極性障害とは治療法が異なります。そのため、症状を回復させるためには正しい診断に基づいた適切な治療が重要になります。
子どもの場合はADHDと誤診されることも
児童期の双極性障害を診断するうえでの大変さは、その症状がADHDの症状の多くと重なっている点にあるでしょう。
じっとしていられない、衝動的、不注意、注意がそれやすい、などの特徴は、双極性障害のある子どもにも見られる傾向ですが、これらの様子が観察された場合には双極性障害よりもADHDと診断されてしまうこともあるようです。
じっとしていられない、衝動的、不注意、注意がそれやすい、などの特徴は、双極性障害のある子どもにも見られる傾向ですが、これらの様子が観察された場合には双極性障害よりもADHDと診断されてしまうこともあるようです。
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双極性障害の原因
過去の研究から、双極性障害の発症には「遺伝」と「ストレス」が関連していることが指摘されていて、これら2つの要素が重なった結果として双極性障害が発症するという「ストレス脆弱性モデル」が双極性障害の原因の一つとして考えられています。
ストレス脆弱性モデルとは、「その人の病気へのなりやすさ(脆弱性)と、病気の発症を促す要因(ストレス)の組み合わせにより、精神疾患は発症する」という仮説です。ここでいう脆弱性とは、遺伝などの先天的な要素と、どのような環境でどのように対応してきたかという後天的な要素により決まるといわれています。
ですが、中にはこのモデルに当てはまらない患者さんもおり、双極性障害の原因のすべてを説明することはできてはいません。もともとの性格が要因となるのではと考えている研究者もいますが、明らかにはされていません。さまざまな研究が進められているものの、双極性障害の原因に関してはまだわかっていないことが多いようです。
ストレス脆弱性モデルとは、「その人の病気へのなりやすさ(脆弱性)と、病気の発症を促す要因(ストレス)の組み合わせにより、精神疾患は発症する」という仮説です。ここでいう脆弱性とは、遺伝などの先天的な要素と、どのような環境でどのように対応してきたかという後天的な要素により決まるといわれています。
ですが、中にはこのモデルに当てはまらない患者さんもおり、双極性障害の原因のすべてを説明することはできてはいません。もともとの性格が要因となるのではと考えている研究者もいますが、明らかにはされていません。さまざまな研究が進められているものの、双極性障害の原因に関してはまだわかっていないことが多いようです。
双極性障害かもと思ったら?
双極性障害は、誰でもかかる可能性のある病気です。
気分が上がらず憂鬱な気分のまま数週間が経ってしまったり、逆にテンションの上がり下がりにムラがあり不安を感じる場合は専門機関に相談するか、医療機関の受診をおすすめします。
医療機関を受診する場合、精神科が第一候補になります。総合病院の精神科よりは精神科クリニックなどが受診しやすいでしょう。ただし、激しい躁状態の場合には入院が必要となる可能性もあるため、はじめから精神科救急の設備を備えた専門病院がよいでしょう。
精神科に似た診療科に心療内科があります。本来は心身症が専門の心療内科ですが、近ごろは精神科という診療科名に抵抗を感じる人を受け入れるために、あえて心療内科としている場合があります。精神科医がいるのかどうか、事前に調べてみるとよいでしょう。
いきなり医療機関を受診するのに抵抗がある場合、どの病院のどの診療科に行けばいいのか迷ったり、そもそも受診すべきか迷ったりすることもあるのではないでしょうか?
そんな時は、お近くの精神保健福祉センターや保健所に連絡すると、専門家が相談に乗ってくれますので、気兼ねなく連絡してみましょう。以下のリンクで、全国の精神保健福祉センター、保健所を検索できます。また、お子さんに双極性障害の疑いがある場合には児童相談所などに相談してもよいでしょう。
気分が上がらず憂鬱な気分のまま数週間が経ってしまったり、逆にテンションの上がり下がりにムラがあり不安を感じる場合は専門機関に相談するか、医療機関の受診をおすすめします。
医療機関を受診する場合、精神科が第一候補になります。総合病院の精神科よりは精神科クリニックなどが受診しやすいでしょう。ただし、激しい躁状態の場合には入院が必要となる可能性もあるため、はじめから精神科救急の設備を備えた専門病院がよいでしょう。
精神科に似た診療科に心療内科があります。本来は心身症が専門の心療内科ですが、近ごろは精神科という診療科名に抵抗を感じる人を受け入れるために、あえて心療内科としている場合があります。精神科医がいるのかどうか、事前に調べてみるとよいでしょう。
いきなり医療機関を受診するのに抵抗がある場合、どの病院のどの診療科に行けばいいのか迷ったり、そもそも受診すべきか迷ったりすることもあるのではないでしょうか?
そんな時は、お近くの精神保健福祉センターや保健所に連絡すると、専門家が相談に乗ってくれますので、気兼ねなく連絡してみましょう。以下のリンクで、全国の精神保健福祉センター、保健所を検索できます。また、お子さんに双極性障害の疑いがある場合には児童相談所などに相談してもよいでしょう。
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