ひきこもりとは?原因、相談先、支援など解決の道筋は?不登校、精神疾患や発達障害との関わりも解説します

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ひきこもりとは、社会との交流をほとんどしないで家庭に6ヶ月以上の長期間ひきこもっている状態のことを指します。近年、長期化、高齢化などの問題が社会問題にもなり、公的な支援も拡充しつつあります。ひきこもりの原因や関係の高い問題にも触れつつ、どうしたらひきこもりから抜け出せるのか、詳しくご紹介します。

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目次 ひきこもりとは 子どものひきこもりは不登校と関連が深い 大人のひきこもりは長期化に伴う高齢化が問題に ひきこもりの原因 ひきこもりと精神疾患の関係は? ひきこもりはずっと続くの? ひきこもりは家庭内で抱えこまず専門家に相談を ひきこもりの人と家族が受けられる支援 家族がひきこもりになったときの対処法 まとめ

ひきこもりとは

ひきこもりとは、学校や仕事などに行かず、家族以外の人との交流をほとんどしないで家庭に長期間ひきこもっている状態のことを指します。

平成22年に厚生労働省により公表された「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」では、原則的には6ヶ月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている場合としてひきこもりの定義がなされています。

ひきこもりに至った理由や要因は人によって様々ですが、上記のガイドラインによる定義では、統合失調症などの精神疾患によって家にこもっている状態とは区別されています。ただし実際には確定診断がなされる前の統合失調症のある人などが含まれている可能性もあると考えられています。

ひきこもりによって社会参加の回避が長期化すると、社会生活への復帰のハードルも高くなってしまいます。本人自身や家族が大きな不安を抱えている場合も少なくありません。

しかし、近所の目や家族内での偏見や無理解が少なくないという現状もあります。そのため支援を受けずに家庭内で解決しようとするあまり、状況がさらに長期化し解決が難しくなってしまうことがあるのです。

現在、日本には推計でほとんど家からでないひきこもり状態にある人が約23.6万人、自分の用事の時だけ外出する準ひきこもりの人が約46.0万人、合わせて約69.6万人もの人が広義のひきこもり状態にあると言われています。

この事態を受け、厚生労働省をはじめ、行政もひきこもりへの支援を推進しています。

子どものひきこもりは不登校と関連が深い

就学年齢にある子どもの場合、ひきこもりになるきっかけとして、学校に行かない不登校との関連があると考えられます。

不登校は子どもにとっての社会的活動である学校生活や交友関係と関連する学校という環境からの回避行動と考えることができます。

不登校で、自宅以外の場所での活動がないまま6ヶ月以上家から出ない状況が続くと、ひきこもりへと移行してしまう場合があります。そして一度ひきこもりの状態になると、不登校も長期化する場合が少なくありません。

つまり子どもの頃にひきこもり状態になると、その間に学校で教育を受ける機会を失ってしまったり、居場所を失ってしまったり、進学・就職するハードルが高くなってしまうこともあります。

そのため、不登校からひきこもりへと進行しないようにし、もしひきこもりになってしまった場合もできるだけ早く解決することが重要になってきます。
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大人のひきこもりは長期化に伴う高齢化が問題に

平成28年9月に内閣府が発表した「若者の生活に関する調査報告書」によると、ひきこもり状態になったのは20~24歳の頃と答えた人が34.7%ともっとも多く、ひきこもりがいまや子どもだけでなく、大人の問題でもあることは明白です。

大人のひきこもりの場合、学校でのつまづきなどをきっかけに子どもの頃からひきこもりが続いている人もいれば、就職や仕事で社会になじめず成人後にひきこもり状態になった人もいます。

就労や就学しない若者を指すニートという言葉もあります。ひきこもりのなかにはニートの人もいますが、ひきこもりとニートは厳密には違います。

現在、ひきこもりの高齢化・長期化が問題視されています。

ひきこもり状態が長期化した結果、35歳以上のひきこもりが増加していると言われています。先ほどの調査報告書は16~35歳以上を対象にしたものですが、5年以上ひきこもり状態が継続している人が46.9%と非常に高い割合を示しています。

長期化している場合、それだけ社会復帰も難しくなります。また、子どもが35歳以上となると、その親も60歳を超えていることも予想され、金銭面・精神面でひきこもりを支える家族の高齢化も問題となってきます。自分が亡くなった後のひきこもりの子どもに関して不安を感じる親も少なくありません。

ひきこもりの原因

ひきこもりのきっかけや要因は様々です。

本人の性格や甘え、子育てのせいと結び付けられがちですが、それらは決定的な物ではなく、単純にそれだけが原因でひきこもりが生じるわけではありません。

『平成26年版子ども・若者白書(全体版)』による調査では、病気や仕事・学業でのつまずきがきっかけとして多いことがわかります。
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平成26年版 子供・若者白書より引用
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子どもは成長するに従い、自立とスキルを求められるようになります。他者と折り合いをつけ、円滑にコミュニケーションをとること。勉強や将来に向けての進学・就職に成功すること。様々なプレッシャーのなかで、外=社会での居場所を失い外に出られなくなった場合、家の中にひきこもらざるを得なくなってしまうのです。つまり、どの子どもでも、ひきこもりになる可能性はあるということです。

きっかけとして多いのは、いじめや人間関係がうまくいかないこと、成績の低下や受験・就職活動の失敗などの様々な挫折経験が挙げられますが、きっかけがよくわからない場合も少なくありません。

一つの原因だけでなく、複数の要因が複雑に関係しているケースも考えられます。不登校が長期化してひきこもりになることもあります。最近は、背景に発達障害が関係していることもあるという報告もあります。

家族としては、どうしても「なぜひきこもりになったのか」が気になり、突き止めたくなるでしょう。

ですが、「どうしてひきこもりになったのか」「何のせいでひきこもっているのか」と原因探しをすることは、ひきこもり状態の解決にはあまり意味がないかもしれません。ひきこもりの解決のためには「なった要因」よりも「ひきこもり状態からどうして抜けだせないのか」を考え、支援する必要があるのです。

ひきこもりと精神疾患の関係は?

定義上ではひきこもりは精神疾患の症状ではない場合のことを指しています。ですが、ひきこもり状態の中には、精神疾患と何らかの関連がある場合も考えられます。

この場合、いくらひきこもりを脱しようと頑張っても、根本にある精神疾患や障害の治療や支援をしないと、解決できないことがあります。そこで、ひきこもり状態の裏になんらかの精神疾患や障害が隠れていないかどうか注意することが非常に重要です。

精神疾患とひきこもり状態の関係には以下の3つのパターンが考えられます。

精神疾患の症状から外に出られない

ひきこもりの人の中には、精神疾患の症状のために家から出られないのに、そのことに気づかず、見過ごされている状態の人が0ではないと考えられています。つまり、精神疾患からひきこもり状態を引き起こしているが未診断という状態です。

不安障害や統合失調症、双極性障害、うつ病などは症状としてひきこもり状態を伴いやすい精神疾患です。

これらはひきこもりと対処法が全く異なります。また治療が必要な場合もあるので注意が必要です。単なる「ひきこもり」と誤解しているうちに疾患が進行しないよう、早期に精神科に相談する必要があります。

なかでも統合失調症は鑑別が難しい精神疾患です。統合失調症の陰性症状は、エネルギーが下がった状態で起こる症状です。主な症状としては、うつ状態になることと、感情の起伏が少なくなることの2つがあります。陰性症状が進むにつれて他の人とのコミュニケーションが難しくなり、ひきこもり症状が生じることがあります。この状態を単なるひきこもりと誤解されてしまうことがあります。

統合失調症の主な症状としては、幻覚や妄想、幻聴なども挙げられます。これらの様子が見られる際には、精神科の受診をおすすめします。ただし、ひきこもり状態でも妄想などが現れる場合もありますので、統合失調症かどうかは医師による慎重な判断が必要です。統合失調症の治療には一般的に、薬物治療を併用しながら心理社会的療法(リハビリテーション)が行われます。
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発達障害や精神障害の二次障害としてひきこもりになっている

精神疾患の症状から、人間関係のトラブルや強いストレスを引き起こし、二次的な障害としてひきこもり状態になる場合もあります。

近年、発達障害とひきこもりの因果関係が指摘されることが多くあります。発達障害のある人が特性を理解されないまま不適切な環境にいることで、環境との不適応を起こし、二次障害としてひきこもり状態になってしまう場合が少なくないのです。

広汎性発達障害・自閉症スペクトラムのある人はコミュニケーションの困難を感じることがあります。そのため思春期以降、複雑化する学校生活や人間関係などがうまくいかず、ひきこもり状態になってしまう場合があります。

ADHDのある人も、不注意や衝動性といった特性が社会適応を困難にしたり、叱責を受けて自己肯定感が低くなってしまうことが、ひきこもりにつながりやすいと言われています。

また、学習障害(LD)のある人は、学習でのつまずきが学校への忌避感や自己肯定感の低下を引き起こし、ひきこもりやすくなると言われています。

発達障害の根本的な治療法は現代の医学では確立していませんが、周りの理解や環境調整、スキルトレーニングなどによって困りごとが軽減すると言われています。それらの適切な対応をすることで、二次障害としてのひきこもりを起こさないようにしたり、ひきこもり状態から早期に抜け出せるようにすることが重要です。

また、ひきこもりの人の中にも、その背景に発達障害が隠れていることに気がついていない人も一定数いると考えられます。発達障害である場合、様々な社会的支援が受けられる場合もあります。幼少期の生育歴などに発達障害に該当する様子がなかったかなど、一度専門機関に相談してみるとよいでしょう。
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ひきこもりの二次障害として精神症状を発症する

長期間にわたるひきこもり状態や孤立から、しばしば二次障害的に精神疾患の症状が出現することもあります。ひきこもり状態にある人のなかには、ひきこもりをやめたいのにやめられなかったり、家族とぶつかったり、近所の人の目を気にしたりなど、「ひきこもっていること」そのものに対して強いストレスを感じている場合があります。

これらが心身に悪い影響を及ぼし、対人恐怖症状や強迫症状、被害念慮(妄想)、うつ状態などがあらわることがあり、しばしばそれらがひきこもりから抜け出すことをより困難にします。

また家庭内暴力などの問題行動を引き起こすこともあります。

これらの症状は、何らかの理由でひきこもり状態を脱すると急速に快方に向かうとも言われています。

ひきこもりはずっと続くの?

近年ひきこもりの高齢化が問題化しています。社会との接点がないまま長期化し、なかなかひきこもりから抜け出せずに、つらい思いをしている当事者や家族もいます。

そのため、ひとたび子どもがひきこもりになると、「親である私たちが亡くなったらこの子はどうするんだろう」「このままひきこもりがなおらないのではないか」と心配してしまうのも無理はありません。ですが、本人は、ひきこもりを何とかしたいと考えている場合が多いのです。

現在、社会復帰に向けた様々なサポートもあります。子どもに対する対処法を知ったり、専門家による支援を活用することで、ひきこもりから抜け出せる可能性も高くなります。

これから、ひきこもり状態になった場合の相談先や支援方法について詳しくご紹介します。ひきこもりを脱するために何ができるのか、考えてみましょう。

ひきこもりは家庭内で抱えこまず専門家に相談を

ひきこもりが長期化し、こじらせてしまう一因には、「引きこもりは家族の問題」「できるだけ他人に知られたくない」と家族で問題を抱え込むことがあります。

日本社会に根強い「世間の目を気にする」「家のことは家族で解決する」という文化が、背景にあると考えられますが、そういった家族の気持ちが一層本人を家から出にくくしてしまうことがあるようです。

また、ひきこもりは時に家庭内暴力や家族内での対立を生んだりします。誰にも言えずに家族だけで解決しようとすると、周りの家族にとっても大きな精神的なストレスになります。

そんな時に頼りになるのが、専門家や支援団体などの相談支援です。

公的な相談機関

地域の相談支援を行っている機関をご紹介します。電話での相談を行っている場合もありますので、まずは問い合わせてみるとよいでしょう。

・ひきこもり地域支援センター…ひきこもりに特化した専門的な第一次相談窓口としての機能を有するのが「ひきこもり地域支援センター」です。センターには社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士などがひきこもり支援コーディネーターとして配置されます。相談支援や訪問支援を早期に行うことで、適切な支援につながることを目的にした施設です。
・精神保健福祉センター…精神保健福祉全般にわたる相談をおこなっています。こころの健康についての相談、精神科医療についての相談などとともに、ひきこもりなど思春期・青年期問題の相談も可能です。電話や面接で相談できますが、事前の予約が必要なこともあるのでホームページなどで確認しましょう。
・保健所…地域の保健所でひきこもりの相談支援を行っている場合があります。電話相談、面談による相談があり、保健師、医師、精神保健福祉士などの専門職が対応してくれます。また、相談者の要望によっては、保健師に家を訪問して相談してくれる場合もあります。
その他、児童相談所、福祉事務所、発達障害者支援センターなどの福祉機関などに相談してもよいでしょう。

当事者団体や支援団体

家族会や当事者会では同じ悩みを持つ方と出会い、相談できます。相談会やイベントなども多数行っています。ひきこもりの支援を行う特定非営利組織(NPO)などもあり、電話相談を行っているところもあります。
引きこもりを支援する民間業者などもありますが、高額な費用がかかったり、無理に家から出させるなどの不適切な扱いをされたり、近年トラブルも増えています。利用する場合は慎重に、契約前に事前に見学するなどして活動内容をチェックし、閉鎖的な環境でないか、信頼できるかなどしっかり確認するようにしましょう。

医療機関

こころの問題や身体症状が強く出ている場合など、精神科、心療内科、小児科などの医療機関に相談しましょう。心理カウンセリングを行っているところもあります。本人が受診を拒む場合や外出できないときには、まずは家族の相談を受け入れてくれる医療機関もあります。

ひきこもりの人と家族が受けられる支援

ひきこもり支援のゴールとは、ひきこもり状態を抜け出し社会参加ができるようになることです。目標とする社会参加とは、働くことであったり、家の外に親密な対人関係を持つことだったり、居場所を作ることだったり、様々です。

ひきこもりの段階で支援は変わります。その過程は人によってことなりますが、「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」で紹介されているような支援ステップを踏むことが多いようです。
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厚生労働省『ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン』より引用
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ひきこもりの支援は多くの場合、家族の相談からスタートします。ひきこもりの支援が始まるこの時期、まずは相談に来た家族への支援や、本人がどのような状況にあり、どのような支援が必要かのアセスメントが行われます。

・家族支援
家族の面談や、訪問支援などを通して、必要な支援を探り、関係機関との連携などが行われます。まずは家族が相談機関に定期的に相談を続けることが第一歩となります。

・個人療法
当事者本人が支援を受けられる状態になると、個人的な心の支援がはじまります。本人が相談に行ったり、本人への訪問支援を受け入れたり、精神科などでの治療やカウンセリングを受けたりといった段階です。具体的な個人療法についてはケースや技法によって様々ですが、当事者の抱える罪悪感や孤立感によりそい、支援を受けようと動き出した本人の気持ちを支えることを基本とします。

・集団療法
次のステップはグループでの活動です。精神保健機関や医療機関での集団精神療法やデイ・ケアなどの利用、フリースクールやフリ―スペースなどで家族以外の人と接します。ひきこもりの当事者の中には同世代の人とのコミュニケーションが苦手な人もいます。まずは同じ悩みを持つひきこもりの人と接することがよいトレーニングになることもあります。また、これらの場が居場所として機能します。

・社会復帰に向けた就労支援
グループでの活動をするうち、就労したい・外出して活動したいという気持ちが芽生える場合があります。そのような場合には就労支援などの社会参加にむけた支援が始まります。

就労支援としてはハローワークをはじめ、地域若者サポートステーション、ジョブカフェ、ヤングワークプラザ、学生職業総合支援センター、職業訓練校などが挙げられます。

家族がひきこもりになったときの対処法

家族がひきこもり状態になった時、どのように接し、サポートすればよいのでしょうか?

・本人がどのような気持ちかを理解する
親や家族は誤解しやすいのですが、本人は「怠けたいから」「働きたくないから」ひきこもっているのではありません。むしろ「ひきこもりをやめたいのにできない」と悩み、家族に対しても申し訳なさや引け目を感じています。

・本人が安心してひきこもれる環境をつくる
ゲームをずっとしている、散らかった部屋で昼夜逆転の生活をしているといった子どもの「だらしない生活」の様子は、親からすると不愉快で、注意してやめさせたい状況です。

ですが「家から出す」ために叱りつけたり無理やり学校や職場に連れ出したりすることは、逆効果になることがあります。本人にとって、家の中での家族とのつながりさえなくなると、社会とのつながりが完全に断絶されることになるのです。

家族との対立や口論などが続くと、家族とさえ話せない孤立した状況を生み出します。昼夜逆転の生活も、家族と顔を合わせたくないという理由から引き起こされる場合もあります。

まずは家を居心地の良い、安全にひきこもれる環境にすることが、ひきこもりの初期の段階では重要なサポートとなります。

「家が居心地がよすぎると、いっそうひきこもるのではないか」と家族は不安になりますが、本人は十分に苦しみ、抜け出したいと葛藤しています。家族はそれ以上のストレスを与えないようにし、信頼関係をもって支えるようにしたいものです。

・金銭面での支え方
お小遣いを要求する場合も、家族としてはなかなか受け入れがたい状況かもしれません。ですが、お店に行って買い物をすることも社会参加の一つです。子どもがお金を使う機会を持たせることは、外とのつながりを保つためにも重要です。

お小遣いを渡すと際限なく要求するのではないか、特に大人の場合、ギャンブルなどにつぎ込むのではないかと心配する親御さんもいます。お小遣いを渡す場合、以下のようにルールを決めることが重要です。

・お小遣いは、十分に与える
・金額は必ず、一定にする
・その額については、本人と相談して決める

斎藤環/著『ひきこもり救出マニュアル』(2002年,PHP研究所/刊)p.372より引用

出典:http://amzn.asia/253Xx9S
また、お小遣いの使途については、本人に任せ、家族は口出ししないようにします。
・ストレスを抱えこまない

ひきこもりの原因は親や家族のせいではありません。ですが、なんとか解決したいと奔走したり、子育ての仕方が悪かったのではと悩んだり、ひきこもりは家族にとって大きなストレスとなります。また「世間の目」が気になる親御さんも少なくないでしょう。

特にお母さんは自分を責め、「子どもがひきこもっているのに…」と自分の楽しみや外出を控える方もいるようです。また、親子が家に閉じこもり、子どもが親に頼り切ることで「共依存」という依存関係に陥ることもあります。

そのような事態を避けるためにも相談機関に相談したり、家族自身がストレスをため込まないように息抜きをしたりしましょう。本人に社会との接点を持つモデルをみせるためにも、家族で閉じこもらないことが重要です。

・家庭内暴力への対応

ひきこもり状態の1~2割に家庭内暴力が伴うことがあると言われています。

家族の場合、本人への遠慮や表ざたにしたくないことから容認したり、第三者の介入を拒んだりしてしまいがちですが、密室化してしまうことが最も解決を困難にします。家庭内暴力への対処は「開示・通報・避難」を基本とします。

まず、家族が暴力を絶対に許さない姿勢を示します。そして「暴力が起きたらおさまるまで家族は家を出る」「暴力が起きたら警察に通報する」と予告します。実際に暴力が起きたら、脅しで終わらないように毅然とした態度で宣言通りにすることが重要です。

家族が避難する場合、本人が「見捨てられた」と感じないように、暴力が起きていないうちに避難しない、避難したら外から電話などで連絡する、タイミングを見て一時帰宅をするなどの対処をするとよいでしょう。家族だけでの対処が難しい場合がありますので、専門家に相談することもおすすめします。
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まとめ

家族が突然ひきこもりになったら、驚き、なんとかして解決したいと思うのは自然なことかもしれません。家族の気持ちとして、一日中家にいる本人に対して怠けている、甘えていると感じたり、叱咤激励して家から出すことを考えたりすることもあるでしょう。

しかし、ひきこもりをしている本人は心の中に強い葛藤を抱えています。不安や焦燥、絶望を感じ非常につらい状況にいることに思いを馳せることが重要です。

ひとたびひきこもり状態が長引くと、つらい精神症状が生じる、生活の自立が難しくなるなど、さらに問題が現れることがあります。また、周りの家族もストレスや本人を支える負担が大きくなってしまいます。

そのような事態を避けるためにも、ぜひ、早期に専門機関などへ相談しましょう。多くのひきこもりのケースの解決は家族の相談から始まります。家庭内で抱えこまず、周りの支援を受けながら、ひきこもりを抜け出す方法を一緒に考えていきましょう。
ひきこもりはなぜ「治る」のか?―精神分析的アプローチ (ちくま文庫)
斎藤 環 (著)
筑摩書房
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