発達障害に関するお薬総まとめ!薬に期待されること、種類、副作用など薬にまつわること一挙紹介します!

発達障害の診断を受け、治療の一環として薬を処方される方も少なくありません。しかし、薬物治療と言うと不安もあるでしょう。この記事では、薬と正しく付き合っていくために必要な情報をまとめました。「発達障害の薬ってどんなものがあるの?」「服用する時にどんなことに気をつければいいの?」といった疑問についてもご紹介します。

- 発達障害における薬物療法とは
- 発達障害のある人への支援で、お薬に期待されることは?
- 発達障害のある人に処方されるお薬の種類
- 発達障害のある人がお薬を服用するときの注意点は?
- 薬物療法と併せて療育的支援を行うことが大切
- 医療費の助成について
- まとめ
発達障害における薬物療法とは
薬を処方することは医師にしかできません。薬によっては、医師の中でも限られた一部の医師にしか処方することが許されていないものもあります。また、発達障害だと診断されたら、必ず薬を服用するというわけではありません。
医師の判断によって、必要に応じて薬を服用していくため、薬を処方されるタイミングで医師から薬に関する説明を受けることになります。
発達障害のある人への支援で、お薬に期待されることは?
現在では、発達障害のある人への支援方法の一つとして、薬物療法はある程度の効果があると考えられています。しかし、服用する上で気をつけなくてはならないのは、発達障害における薬はすべて対症療法であることです。
そのため、薬に期待されることは、発達障害そのものをなくすためのものではなく、発達障害の症状を和らげることになります。
主な発達障害を例に、どういった症状に対して薬を服用していくのか見ていきましょう。
自閉症スペクトラム
しかし、自閉症スペクトラムに伴う以下のような関連症状に対しては、薬の効果が期待されています。
・かんしゃく
・こだわり
・不注意
・多動性/衝動性
・チック
・抑うつ気分
・睡眠障害 など

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ADHD
ADHDにおける薬物療法は、「ADHDをなくす」ためではなく、「社会生活や学業での困りごとを解消する」ための手助けをしてくれるものだと考えるといいのかもしれません。

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発達障害のある人に処方されるお薬の種類
また日々、発達障害の薬は研究が行われており、オキシトシンなどさまざまな物質が薬として利用できないか調べられています。
数多くの薬がありますが、人によって合う薬と合わない薬もあり、副作用などもあります。現在のところ、すべての人に必ず効果があるような薬はありません。
そのため、薬物療法を進めるときは医師の判断のもと、その人の症状や状態を慎重に見ながら行うことになります。

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自閉症スペクトラム
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発達障害のある人がお薬を服用するときの注意点は?
そのような不安を解消するためにも、精神薬を服用する時には、医師と相談したり協力したりすることが必要不可欠です。薬の服用に関しては、具体的に以下のことに気をつけるといいでしょう。
1. 事前に、服用する薬について情報を得る
また、副作用と、副作用が起きたときの対処法も事前に理解しておくとよいでしょう。
発達障害に処方される薬の副作用として生じる症状のうち、早急に対処しなければいけないものはそれほど多くはありません。そのため、心配しすぎる必要はありませんが、急に発疹がでたり、呼吸が乱れたりしたときにどのような行動をとればいいのかは理解しておきましょう。
2. 薬の使用頻度を守る
症状が軽くなったからといって、個人の判断で勝手に量を減らしたり服用を中止したり、逆に薬が思った通りに効かなかったからといって、勝手に量を増やしたりしてはいけません。
しかし副作用がひどい場合には、いったん服用を中止して医師に相談するようにしてください。
3. なにかあったらすぐに医師に相談するようにする
副作用として、次のような症状が見られることが多いため、このような症状に気を配っておくとよいかもしれません。
・食欲不振/食欲減退
・軽度な不眠症
・体重減少
・頭痛
・腹痛 など
児童精神科医の吉川徹先生は薬のやめどきについて発達ナビのコラムで以下のように述べています。
出典:https://h-navi.jp/column/article/35025846常にやめることを考えながらお薬を使う、というのがおそらく正解であると思います。減薬や中止のチャンスを常にうかがっていないと漫然とお薬を使うことになってしまいます。
・標的となっていた症状が改善してきたとき
・環境との不適合が小さくなってきたと感じられるとき
・他の支援がうまく回り始めたとき
などが、お薬を減らす・やめるチャンスです。
引用:発達障害の症状に、「お薬」は効果があるの? ―児童精神科医・吉川徹(7)|LITALICO発達ナビ

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