チャレンジさせたい”小さなハードル”をあえて作る

(△財布からお金を出す)
細かい計算は難しくても、110円の物を買うのに100円玉と10円玉を出すことは、なんとかできていました。何度か繰り返すうちにできるようになるでしょう。

(△お釣りをもらう)
お釣りは自分が計算できなくても、大きいお金を出せば、店員さんが渡してくれます。お釣りの引き算ができなくても大丈夫です。

△の課題は、なんとかクリアできそうです。では、次のハードルは?それは、例えば”お金が足りなくても適切な対応ができる”などといった、予測していない事態への対応です。

通学定期の期限が切れたときパニックにならず対応ができたのですから、越えられるハードルだと考えています。

「150円の牛乳を買ってきてください」と伝え、財布には100円しか入れておかない、そんな状況をわざと作ろうと計画中です。予測していなかった事態に対応できるようになってほしいからです。

お金が足りなかったら、息子は一体どういう行動をとるか想像してみました。

①店でお金が足りないと店内で暴れて、いつまでも帰ってこない
②泣きながら家に帰ってくる
③「お金なかった」と言い、何も買ってこないで普通の顔をしている

この社会で生きていく力をつけるために

まだ生まれて数年の幼児期、小学校低学年のうちは、越えられないハードルを与えてパニックを起こさせる状況はできるだけ避け、「この世は安心なんだ。お母さんは僕が嫌がることはしない」と体験させることが大切だと思います。

こうして絶対的な安心感を確立させた上で、成人する年齢に近づくにつれ、自分の力で小さなハードルを越える経験を通して、自信を付けていってほしいと思います。

世の中は不測の事態が起こるもの。幼児期は、いつも通る道路が工事中で「迂回してください」の看板があっても迂回できず、危険な道でも通り抜けようとしていました。

そして、工事のおじさんに叱られ、パニックを起こしていました。でも、今は大丈夫です。

17歳になった息子に対して本人に合ったハードルにチャレンジさせたいと考えています。そして、自分の力で乗り越え、自信をつけて、生きていく力をつけていってほしいと思っています。 

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立石 美津子
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