自分の当たり前は、この子には当たり前ではない

私は息子の「聴覚過敏」がクラスの人間関係にまで影響を及ぼしているとは知らず、当初はとてもショックでした。クラスの休み時間にまでイヤーマフを持ち込むわけにはいきません。

何よりも、息子はクラスメイトたちと休み時間に話をするのが大好きです。けれども、周囲の話し声が一様に自分に話しかけているように聞こえてしまうため、どの声に応答したらよいのか分からず、オロオロしているようでした。

そこで私は息子に、一つの指標を教えました。

「息子くん、療育で、人の目を見ると褒めてもらえたよね?なんでだと思う?人の目を見ると、自分に話しかけているかどうかが分かることが多いんだよ。息子くんに話しかける人は、息子くんの目を見ていることが多いから、まずは相手が自分の目を見ているかどうか確認してみると良いかもしれないよ。

息子はこのアドバイスに納得し、最近は人の会話に入るときにワンクッション置くことができるようになったようです。

とはいえ、全ての会話が同じ音量で聞こえてくる状態は今も続いており、帰宅するとぐったりとしている様子が見てとれます。ですので、クールダウンの時間を持たせることを心がけています。

発達障害の子どもは、私たちが思っている以上に騒がしく、自分向けられた声を拾ってゆくだけでも疲れるような世界に生きているのかもしれません。
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