発達障害の僕が、障害をオープンにした就職活動で内定を得るまでの話

ライター:ツーちゃん
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私は、発達障害の診断を1年前に受け、ショックから立ち直るのに半年掛かりました。その後、通所している就労移行支援事業所の支援員の方の手を借りながら障害者雇用枠での就職活動を進め、内定を獲得しました。この記事でご紹介するのは障害者雇用の中途採用でのお話になりますが、「働く」ということについて直面する現実の一例として、参考にしていただければ幸いです。

難航する仕事選び。障害者雇用枠で、最も多い求人は事務職。けれども…

私は、26歳のときにアスペルガー症候群、ADHDの診断を受け、同時に退職も余儀なくされました。

就職をするまでの学生生活では、表面上のコミュニケーションや、日常生活、勉強という面では、これといった支障はなく、自分が発達障害であることにも気づいていませんでした。しかし、社会人になってから対人関係の困り事などが表出し、行く先々で、「常識がない」「もう少し場をわきまえろ」と言われてきました。

そして発達障害の診断を受けた後、そのことを職場にカミングアウトしたのですが、残念ながら退職せざるを得ない状況に追い込まれてしまったのです。
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発達障害カミングアウトで退職に追い込まれた26歳。実体験から伝える、退職までの軌跡とこれから

それからは就労移行支援事業所に通うことになり、支援員の方の手を借りながら障害者雇用枠での就職活動を進め、内定を獲得することができました。就労移行支援事業所は障害がある人の就労をサポートする機関で、職業訓練や職場探し、職場への定着支援など、さまざまな支援を受けることができます。

しかし、その道のりは一本道というわけではなく、壁に直面したり、どうすればいいかわからないことも少なくありませんでした。

特に悩んだのは、自分の特性と仕事の性質の兼ね合いです。

障害者雇用枠のおよそ半分以上は事務職と言われれており、一般事務や経理、総務、人事などの職種で就職する場合が多いそうです。

しかし、私は何か目新しさがないと注意や集中力を持続することができません。

例えばExcelなどで売上伝票などを作成する際に、売上金などのデータ入力が必須になってきますが、ミスしないよう慎重に作業しているとスピードが他の人に比べて明らかに遅くなってしまうのです。するとそれが焦りに繋がり悪循環に陥ります。結果として、雑な仕上がりとなってしまったり、思いもしないようなミスをしてしまうのです。
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「働く」という字は、人と一緒に動くと書く。でも自分はコミュニケーションが苦手…

また、空気が読めない、他人の気持ちに配慮した言動が難しいなどの特徴から、仕事上での困難に直面することも少なくありませんでした。

営業の仕事にかかわっていたときは、相手の意図を汲み取りつつも、相手に探りを入れる高度なコミュニケーション能力が求められましたが、どうやってもうまくこなすことができませんでした。
また、営業職は電話応対が頻繁に発生するため、他の人が話している電話の声が気になってしまったり、聞こえてくる会話内容を意図せずメールに書いてしまう事もありました。

1つの作業に没頭すると他のことを忘れてしまうことも少なくなかったため、報告・連絡・相談がおろそかになるのは日常茶飯事。

こうした自分の特性を考えたうえで就職をしようとすると、どうしても選択肢は数少ないものになってしまい、愕然とせざるえませんでした。

自分には一体、何が出来るんだ!?

次第に頭のなかには、「自分には一体何ができるのか?」という思いが込み上げてきました。考えても出てくるのは「できることなんて無い」という答えばかり。私はどうすればわからず、毎日落ち込んでばかりいました。

このとき、前を向く光をくれたのが、前職を退職してから相談を続けてきたカウンセラーさんです。

障害の診断を受けて薬が処方されてからというもの、見知らぬ地でひとりぼっちのような気持ちでしたが、どうしたら生きやすくなるかの相談を続けてゆくうちに、自分がたどるべき道を何となくイメージできるようになってきたのです。
次ページ「検査結果ではわからなかった自分の数少ない強み」

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