書き初め、習字は書字技能向上につながるかも!

ここまで、書き初めをするうえでの困りごとや、それに対する解決策をご紹介しました。書くことに関して苦手意識がある子どもにとって、書き初めや習字は工夫なしでは辛い時間になるかもしれません。

ですが、書き初めや習字は、そもそも書くことが苦手、という子どもに対して良いアプローチになることも期待できます。

習字がどうして書字技能向上につながるの?

普段の学校の授業では、子どもはノートやプリントなど、比較的小さい紙に、鉛筆やシャープペンシルを使って文字を書いていると思います。

一方、書き初めや習字の場面では普段使っているより大きな紙と、太い筆を用います。これら書き初めや習字に使うような道具は、書くことが苦手と感じている子どもが普段使っている道具より以下のような点から、相性が良いことが多くあります。

・大きな紙でのびのびと書くことができる
・太くて握りやすい筆で、鉛筆より安定して文字を書くことができる
・筆圧によって線の太さが目に見えて変わるので、筆圧コントロールのヒントを得られる
 など

普段、小さいマス目から文字がはみ出てしまう、筆記用具をうまく使えない、など字を書くことに対して失敗体験が多い子どもも、習字だからこそ、書くことに対する前向きな気持ちを育めることもあります。

そして、習字を通して字を書く成功体験を少しずつ積み重ねることで、結果として書字技能全体の向上につながることがあるのです。
特別支援学校における書写指導 ―肢体不自由児への指導を中心にしてⅡ―河野文子
http://www.human.tsukuba.ac.jp/snerc/_userdata/07%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%94%AF%E6%8F%B4%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%9B%B8%E5%86%99%E6%8C%87%E5%B0%8E.pdf

障害のある子ども向け施設のプログラムにも用いられている

また、放課後等デイサービスなど、障害のある子ども向けの施設では、子どもの生活力や創造性の向上をねらいとして、さまざまなプログラムを実施しています。

習字は書字に対する困りごとの克服や、書字技能を磨くきっかけになり得ます。また、集中力や落ち着きを高めるトレーニングにもなるほか、子どもの創造性を伸ばすことにもつながります。

こうした理由から、習字・書道を行う施設もあります。子どもの書字技能を伸ばしたい、集中力を身につけさせたい、などの理由から習字に興味がある方は、こういった施設のプログラムを活用してもいいかもしれません。
LITALICO発達ナビ 施設情報
https://h-navi.jp/support_facility
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まとめ

昔から冬休みの宿題の定番である書き初め。字を書くことが苦手、じっとして机に向かうことが難しいという子どもにとっては、おっくうになってしまいがちなのではないでしょうか。

子どもが書き初めに苦戦する背景にある困りごとを理解し、そのうえで子どもに合ったサポートを取り入れてみましょう。そうすることで、書き初めの宿題を乗り越えられるだけでなく、書字技能の向上にもつながることがあります。

また、子どもが習字を練習するための便利グッズも販売されています。このようなグッズも活用しながら、新年、子どもと一緒に筆を取ってみてはいかがでしょうか。
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