「これじゃなきゃイヤ!」モノを大切にするASD特性で、生活を豊かに!?
ライター:凸庵(とつあん)
ASD(自閉症スペクトラム障害)と診断されている私は、昔からいろんなものにこだわっていました。あるときは「もの」だったり、またあるときは考え方だったり。
ASDに関連する本を読むと、このこだわりはネガティブな文脈で説明されることが多いと感じることが良くあります。実際、親は困り果てたであろうと思うこともありますが、私の経験上、こだわりが生むのはトラブルだけではないと感じています。子どものころと現在の私の体験について振り返ってみたいと思います。
記憶にある最初のこだわり。お気に入りのまくらとタオルケットがないと落ち着かない
私は子どものころから、気に入っている枕とタオルケットがなければ寝られませんでした。
当時のお気に入りの枕は、私が好きだったキャラクターがデザインされていました。物心ついたころからずっと使っていたうえに、親が洗おうとすると私がぐずってしまうため洗うこともできず、よだれや汗で汚れきってしまっていました。
洗うことを諦めた両親が枕を捨てようとしたこともありました。しかし、私が泣き叫んで抵抗したため、結局捨てることができないまま。すると、小学校に入るくらいのころに親戚が集まって私の枕を捨てるという事態にまで発展しました。
この枕を捨てられるときのことは今でもよく覚えています。身体の一部を失うような強烈に嫌な気持ちで、泣き叫びながら引き離された枕を見詰めていた記憶があります。
当時のお気に入りの枕は、私が好きだったキャラクターがデザインされていました。物心ついたころからずっと使っていたうえに、親が洗おうとすると私がぐずってしまうため洗うこともできず、よだれや汗で汚れきってしまっていました。
洗うことを諦めた両親が枕を捨てようとしたこともありました。しかし、私が泣き叫んで抵抗したため、結局捨てることができないまま。すると、小学校に入るくらいのころに親戚が集まって私の枕を捨てるという事態にまで発展しました。
この枕を捨てられるときのことは今でもよく覚えています。身体の一部を失うような強烈に嫌な気持ちで、泣き叫びながら引き離された枕を見詰めていた記憶があります。
タオルケットは10年以上使用!両親が新しく買ってくれたものは…
それから、同じころに使っていたピンク色のタオルケットもお気に入りでした。自分のにおいや好きな肌触りにくるまれていると安心することができたので、タオルケットはとても好きな寝具でした。
このタオルケットは捨てられることなく、私が高専に入学して寮生活を始めるまで10年以上は使っていたと思います。とはいえ寮生活するころには擦り切れたり糸がほつれたりしてボロボロになっていましたが…。
その後、ひとり暮らしを始めるときに両親が新しいタオルケットを買ってくれたのですが、選んでくれたのはピンク色のものでした。
たぶん私がピンク色のタオルケットが好きなのだと勘違いして買ってくれたのだと思います。私としては色よりも肌触りのほうが大切だったのですが、せっかく買ってもらったものだし肌触りもよかったので特に何も言わずに10年以上たった今でも使い続けています。
今でも自分のにおいがするタオルケットは安心感があって好きなんだなあ、と思います。
このタオルケットは捨てられることなく、私が高専に入学して寮生活を始めるまで10年以上は使っていたと思います。とはいえ寮生活するころには擦り切れたり糸がほつれたりしてボロボロになっていましたが…。
その後、ひとり暮らしを始めるときに両親が新しいタオルケットを買ってくれたのですが、選んでくれたのはピンク色のものでした。
たぶん私がピンク色のタオルケットが好きなのだと勘違いして買ってくれたのだと思います。私としては色よりも肌触りのほうが大切だったのですが、せっかく買ってもらったものだし肌触りもよかったので特に何も言わずに10年以上たった今でも使い続けています。
今でも自分のにおいがするタオルケットは安心感があって好きなんだなあ、と思います。
食器のルールは、無地のものだけを必要最低限に
寝具と同じように、食器も基本的に柄のないものでそろえるなど、自分の気に入ったものしか使いませんでした。
ひとり暮らしを始めたときに買ったのは、箸1膳、フォーク・スプーンそれぞれ1本、マグカップ・茶碗・どんぶりをそれぞれ1つずつ。超ミニマムなラインナップで満足している自分がいました。それから不便を感じてちょっとした皿を買ったりはしましたが、基本的に不必要な食器を増やすつもりはありませんでした。
ひとり暮らしを始めたときに買ったのは、箸1膳、フォーク・スプーンそれぞれ1本、マグカップ・茶碗・どんぶりをそれぞれ1つずつ。超ミニマムなラインナップで満足している自分がいました。それから不便を感じてちょっとした皿を買ったりはしましたが、基本的に不必要な食器を増やすつもりはありませんでした。
食器類は「増やさない」はずが例外が登場
しかし、あるときから、食事の際に使う"あるもの"に対し、新たなこだわりが生まれました。
それはたまたま百貨店に行ったときのこと。なんとなく立ち寄った箸コーナーで目に留まった1本を持った瞬間でした。重量バランスが軽すぎず重すぎず直感で「これだ!」と思い、つい衝動買いをしてしまったのです。
普段、衝動買いをすることなんてほとんどなかったので自分でもかなり驚きました。早速、家に帰って購入した箸を使ってみたところ、とても気持ちよく食事をすることができ、箸への思いはさらに高まりました。
それはたまたま百貨店に行ったときのこと。なんとなく立ち寄った箸コーナーで目に留まった1本を持った瞬間でした。重量バランスが軽すぎず重すぎず直感で「これだ!」と思い、つい衝動買いをしてしまったのです。
普段、衝動買いをすることなんてほとんどなかったので自分でもかなり驚きました。早速、家に帰って購入した箸を使ってみたところ、とても気持ちよく食事をすることができ、箸への思いはさらに高まりました。
その日から箸売り場を見かけると、自然とそちらに向かって歩いて行ってしまうようになりました。
先日、友人たちと出かけたときのこと。私が苦手とする人混みにいたこともあり、全然楽しくないというのが表情に出てしまっていたのが、箸売り場を見つけた途端に嬉々として箸を眺め始めたので、友人たちに呆れられてしまいました。
わが家では、ほかの食器に比べて明らかに多い箸ですが、全体的に重めの箸や持ち手が重くて物をつまむところが軽いものなどさまざまなものがあります。食べるものや気分に合わせて使い分けています。友人に呆れられたとしても、豊かな食事の時間にはかえられません。
先日、友人たちと出かけたときのこと。私が苦手とする人混みにいたこともあり、全然楽しくないというのが表情に出てしまっていたのが、箸売り場を見つけた途端に嬉々として箸を眺め始めたので、友人たちに呆れられてしまいました。
わが家では、ほかの食器に比べて明らかに多い箸ですが、全体的に重めの箸や持ち手が重くて物をつまむところが軽いものなどさまざまなものがあります。食べるものや気分に合わせて使い分けています。友人に呆れられたとしても、豊かな食事の時間にはかえられません。
「こだわり」は好きなものを大切に長く使うこととの相性が抜群!?
大人になってからも10年以上使っているものとして、私が社会人になって初のボーナスで買った財布があります。
それまで使っていた財布は学生時代に親が買ってくれたナイロン製のもので、このころにはかなりくたびれてきていました。なので今度はしっかり長く使えるよう革の財布を購入。当時、個人的にあこがれていた長財布でした。
使い心地にもすごく満足したので、数か月に一度は中身を全部出して自分でメンテナンスを続けています。
たまに雑談で使っている財布の話になったときにこの財布を見せて「実は10年以上使っているんだ!」と言っても、ほとんどの人が信じてくれません。それくらい、いい状態のまま使い続けることができています。
メンテナンスさえちゃんとすれば長く使える革製品と私は、もしかしたら相性がいいのかもしれないなと思っています。
それまで使っていた財布は学生時代に親が買ってくれたナイロン製のもので、このころにはかなりくたびれてきていました。なので今度はしっかり長く使えるよう革の財布を購入。当時、個人的にあこがれていた長財布でした。
使い心地にもすごく満足したので、数か月に一度は中身を全部出して自分でメンテナンスを続けています。
たまに雑談で使っている財布の話になったときにこの財布を見せて「実は10年以上使っているんだ!」と言っても、ほとんどの人が信じてくれません。それくらい、いい状態のまま使い続けることができています。
メンテナンスさえちゃんとすれば長く使える革製品と私は、もしかしたら相性がいいのかもしれないなと思っています。