かんしゃくは「助けて」のサイン?漢字が苦手な自閉症長男が変わった秘密は、あの人気ドリルと手作り教材

ライター:森のしろくま
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自閉症スペクトラム障害のある小学3年生の長男は、昔から、自分の興味のないことにとりくまなくてはいけないときは癇癪をおこしていました。学校では、小学1年生の時から漢字の勉強につまづき、宿題のたびに癇癪をおこす毎日…。私はどうしてもイライラして怒ったり、ヘトヘトになって落ち込んだりしていました。「ひょっとして学習障害もあるのかもしれない…」。でも、どうしたらいいのかわかりませんでした。そんなわが家が、試行錯誤しながらようやくたどり着いた「癇癪をおこさずに宿題できる方法」を紹介します。

毎日の宿題がつらすぎる。ひょっとして「学習障害」もあるの?

自閉症スペクトラム障害のある小学3年生の長男は、自分の興味のない事にはなかなかとりくめず、小学校入学当初はよく癇癪をおこしていました。

とくに漢字の宿題が苦手で、ドリルからノートに写すことをやりたがらず、漢字をマスにおさめるのも難しい…。文字の誤りを指摘すると机をたたきはじめ、冷静ではいられませんでした。

でも、やる気になれば、ノートを写すことはできます。おちついていれば、文字をマスにおさめて書くこともできます。だから私には、怠けているようにも見えて、イライラと怒ってしまう。そんな毎日が耐えられないと感じていました。

「でもどうして、低学年の宿題で毎回こんなに怒らなきゃいけないんだろう?」
「どうして、こんな大きなマスに字をおさめられないんだろう?」
「宿題をやっているのに、単元テストで漢字の点が全然とれないのはなぜなんだろう?」
「鏡文字がなかなか無くならないのは、なんでだろう?」

毎日の宿題のあまりの大変さに、「ひょっとして学習障害があるの?」と、学習障害という言葉が頭をよぎりました。

そこで、専門家に相談してみました。すると「癇癪を起こすのは子どもが苦しんでいることを表しているんですよ。癇癪をおこさずにできるところまで、手助けをしてあげた方がいい」とアドバイスされました。

あまりに癇癪がひどく、漢字の勉強も難しかったため、2学期からは通級で漢字学習に取り組んでもらうようになりました。また、「長男は怠けているのでなく、苦しんでいるのかもしれない…」そう気づいたところから、長男の特性に合った家庭での支援も始めました。今回のコラムでは、現在わが家で行っている「国語の漢字の支援方法」を紹介します。

診断をまたず、すぐに対応をはじめた

医療機関での診断がついてから、支援を始めるご家庭も多いかもしれません。でも診断がついたころには、子どもは努力しても報われないことを経験し、怠けていると勘違いされて傷つき、学習そのものへの意欲を失っている状態になってしまうかもしれません。

ある療育病院でひらかれた勉強会に参加したとき、「診断をまたずに考えられる支援を始める事が大切」だと言う臨床心理士さんの言葉に出あいました。その言葉を聞いて、改めて「診断を待たずにすぐ動く」のは間違っていなかったと思いました。長男もまだ診断はついていません。でも、宿題や授業中に困り感があると感じたので、診断を待たずに学校の先生と相談して支援を始めることにしたからです。

どこに相談したらいい?

わが家の場合、まず、担任と通級指導教室に相談しました。小学校1年生の2学期のことです。

漢字学習につまづきがあることを認めてもらえたので、1年生の時は通級の個別学習の授業数を増やし、通級で漢字学習に取り組める環境を用意してもらえました。

スクールカウンセラーの先生にも「所属している通常学級でも、通級で受けているような学習支援をお願いしたい」と相談できたことで、通級の先生と連携いただき、学級でも通級での支援を踏まえた学習環境が整いました。学内・学外の第三者から、担任の先生に支援の方法を伝えてもらえる方が、どのように支援すればいいかも伝わりやすく、連携した対応をとっていただけるように感じました。
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