ADHD息子、プリントをやらないのは怠けではない? 「面白い!やりたい!」を引き出した母のアイディア

ライター:かなしろにゃんこ。

ADHDとLDのある息子は活字をゆっくり目で追うことが苦手だったようで、黒板の板書やプリントの問題を読むことも苦手でした。
プリントは記入がない欄が多く私は息子が怠けていると思っていたのですがそうではなかったようです。
就学前の子どもがやる知能問題のようなカンタンな問題をつくってみるとよろこんでやってくれて、息子は勉強が本気で嫌いなわけではないんだと思ったのでした。

監修者初川久美子のアイコン
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

理科と社会のプリントをやりたがらない息子

理科と社会のプリントをやりたがらない息子、小3のころ
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ADHDのある息子のリュウ太は、”気がのらないことは意地でもやりたくない”というところがありました。特に小学校の「せいかつ」の科目が苦手で、自分から学ぼうとしませんでした。担任の先生からは、「授業中は絵を描いたり工作をしたりして自由時間のように過ごしていますよ」との報告もありました。

小3になり「理科」「社会」の勉強が始まると、ますます興味をなくすリュウ太。プリントをやらなかったりノートを取らなかったりするので、どこまで理解できているのか母には分からず、心配になっていました。

リュウ太はもしかしたら
1、活字を読むことが面倒くさい?
2、問題の意味が分からない
このどちらもあるのではないかと考えました。
息子のために理科と社会の簡単な問題プリントをつくろうと決意する母
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(ならば、学校のプリントよりも簡単な問題集をつくってみたら学んでくれるかも?)と思った私は、その日から夜なべしてプリント制作をスタートさせました。

社会では、小学3年生から地図記号を勉強しますが、地図記号に出てくる港や果樹園、灯台や工場など、リュウ太は実際に見たことがなくて記号と想像が一致しなかったのかもしれません。

そこで、「港はなにをするところ?」「果樹園はなにをつくるところ?」というようなイラストと関連性がある文字を線でつなぐオリジナルの問題プリントをつくりました。
母手作りの理科と社会の問題プリント
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リュウ太が苦手に思っている理科や社会という科目でしたが、線つなぎのオリジナル問題は、問題文も短く簡単で、「楽しい!」とよろこんでやってくれました。学校から帰ると毎日、母がつくった問題プリントをやる息子。「お母さんのプリントおもしろいからもっとやりたい」とまで言ってくれて感激しました。

教科書を見ながら息子のレベルに合わせた問題を考えるのは時間がかかり寝不足になりましたが、息子が楽しんでくれることがうれしくて、調子にのって毎日つくっていました(笑)。

線つなぎや図で表してある問題ができるということは、(アレ?リュウ太は理科や社会に興味がないわけじゃないのかも!)と気がつきました。
線つなぎや図で表している問題はスラスラできる息子
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「お母さんがつくった問題おもしろい!」と言う息子とよろこぶ母
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しかし、夜なべの無理が続いたことで疲れがたまり、わずか2ヶ月で母の自作プリント制作は終了となりました。ちゃんちゃん☆(泣)

楽しんでできる問題集なら、たくさんやりたいという意欲が息子にあることが分かっただけでもヨシとしました。

今から10年くらい前のエピソードです。そのころから発達障害がある子のための知育教材や学習教材はあったと思うのですが、私自身はその存在を知らずにいたためにいらぬ努力をしてしまいました。でも、息子が苦手な科目の全てができないわけではないこと、何ができないのか知ることを考えるきっかけになった気がします。
数年後、発達障害のある子向けの教材があることを知った母
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そんな息子でしたが、16歳から20歳まで車の整備士になる学校に通っているときに電気や機械系を学んだので、理科や社会の苦手はある程度克服したのではないかと思います。母の見立てですが、そうであってほしいと願うのでした(笑)。

執筆/かなしろにゃんこ。
(監修:初川先生より)
リュウ太くんの興味関心の持ちにくい科目へ、自作の問題・プリントを作成されたとのこと、すごいですね…! 問いと答えが一対一対応の問題(線つなぎ)であること、読み・書きの負担が少ないことなど、お子さんの好みを把握されているからこそうまく機能したのだと感じました。

生活科や理科、社会などは、活動的な内容が多く、多くのお子さんが興味を持ちやすいと思われている面はあります。ただ、発達的な特性を強くお持ちのお子さんの中には、そうした科目を苦手とするお子さんもいます。特に、生活科は、その時間で何をやるのかの予告があまりなされないことが多かったり、何が「正解」なのか分からなかったり(「自由にやってみよう」といった指示が苦手/観察と言われても、見たままを絵や言葉で描写するのはなかなか難しく、取り組む前に心が折れそうになるなど)、苦手なお子さんにとっては、なかなかつき合いづらい科目かもしれません。

知識インストール型の方が得意なお子さんや、答えが一つでありそれを選ぶ(当てる)方が取り組みやすいお子さんには、かなしろさんのようなサポートをきっかけに興味関心を持ちやすくなることもあるように感じました。たしかに今はさまざまな教材が市販されていたり、ネットでダウンロード可能であったりもしますね。ともあれ、お子さんの特性・好みを見極めて、教科の学習との橋渡しとすること。素敵なサポートだなと感じます。
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