「ノートがまぶしい、集中できない」視覚過敏が勉強に影響?学習の困りと解決策をイラストつきで解説--感覚過敏による学習困難【専門家監修】
ライター:マンガで分かる発達障害のキホン
ノートがまぶしい、日光や照明がまぶしい、視覚情報が多くて集中できない、など「視覚過敏」が原因で起こる学習困難についての原因や解決方法などをイラストと共に分かりやすく解説します。
監修: 野田遥
作業療法士
LITALICO研究所 研究員
作業療法士として教育センターや障害児入所施設等で勤務したのち、現在は自閉スペクトラム症者の感覚処理に関する研究や、発達障害に関連したプロダクトの研究・開発に取り組んでいる。
LITALICO研究所 研究員
学習障害がなくても、視覚過敏が原因で学習に困難を感じている子どもは多くいる?
ノートが上手く取れない、計算や漢字の書き取りが不得手、授業に集中できない…など、子どもの学習に関連する困りごとは、「限局性学習症(学習障害・LD)」が原因なのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、限局性学習症とは異なる特性が理由で学習に困難を感じている子どももいると考えられています。特定の領域の学習ができない限局性学習症とは異なり、環境に左右される原因によって学習困難が起こることがあります。
今回は「視覚過敏」が原因で起こる学習困難についての原因や解決方法などをイラストと共に分かりやすく解説します。
しかし、限局性学習症とは異なる特性が理由で学習に困難を感じている子どももいると考えられています。特定の領域の学習ができない限局性学習症とは異なり、環境に左右される原因によって学習困難が起こることがあります。
今回は「視覚過敏」が原因で起こる学習困難についての原因や解決方法などをイラストと共に分かりやすく解説します。
目の感覚、視覚が過敏な場合は光を過度にまぶしく感じることがあります。
ノートがまぶしい
視覚の過敏さがある子どもの場合、ノートをまぶしく感じる場合があります。一般的にノートの紙は明るい白のためノートが照明の光を反射して、まぶしくて板書がしにくかったり、書いた字が読みにくかったりすることがあります。また、タブレットを学習に活用している場合、明るさの調節をしないと、画面がまぶしすぎることがあります。
解決策:ノートの紙にほんのりと色がついているものを選ぶだけでもまぶしさは軽減します。色つきのクリアファイルや下敷きを重ねることで見やすくなることもあります(※)。また、机の配置が照明の真下にならないようにしましょう。タブレットについては、画面照度を子どもが見やすく感じる明るさに調整しましょう。機種によってはアクセシビリティの機能によって色つきの画面に設定できることもありますので、こうした機能を活用することもおすすめです。
(※)子どもによって見やすい色合いや彩度は異なります
解決策:ノートの紙にほんのりと色がついているものを選ぶだけでもまぶしさは軽減します。色つきのクリアファイルや下敷きを重ねることで見やすくなることもあります(※)。また、机の配置が照明の真下にならないようにしましょう。タブレットについては、画面照度を子どもが見やすく感じる明るさに調整しましょう。機種によってはアクセシビリティの機能によって色つきの画面に設定できることもありますので、こうした機能を活用することもおすすめです。
(※)子どもによって見やすい色合いや彩度は異なります
窓際の席や照明の当たる席で光がまぶしい
窓が近い日当たりのいい席は、黒板や先生の姿だけでなく、教科書が日光を反射して見づらくなる場合があります。また、照明の種類や光が当たる角度によっては、同じような状況になります。
また、本を読んでいる最中に文字が追えなくなる、ズレたりにじんだりして見える、文字がチカチカと光るように見える、文字が流れてしまうなど、光の感受性が高いために起こる視知覚の困難は一見、ディスレクシア(読み書き障害)と症状が似ているように見えますが、異なるメカニズムで起きる可能性が指摘されています。
解決策:窓辺を避けた席や、照明の真下を避けるなどの机配置をしてあげましょう。もし、あまりにもまぶしい場合には、色つきメガネやサングラスの使用を検討してください。また、カラーレンズやフィルムを通してみることで、目に入る光の量を調節することができ、文字が見やすくなる場合もあります。
また、本を読んでいる最中に文字が追えなくなる、ズレたりにじんだりして見える、文字がチカチカと光るように見える、文字が流れてしまうなど、光の感受性が高いために起こる視知覚の困難は一見、ディスレクシア(読み書き障害)と症状が似ているように見えますが、異なるメカニズムで起きる可能性が指摘されています。
解決策:窓辺を避けた席や、照明の真下を避けるなどの机配置をしてあげましょう。もし、あまりにもまぶしい場合には、色つきメガネやサングラスの使用を検討してください。また、カラーレンズやフィルムを通してみることで、目に入る光の量を調節することができ、文字が見やすくなる場合もあります。
蛍光灯の光のチラつきが気になる
蛍光灯の光のチラつきが気になる場合があります。蛍光灯は、実は常に光っているわけではなく、通常は人の目で感知できない速さの周期で点滅を繰り返して光っています。蛍光管が古くなると、この速度が落ちてくるためにチカチカ光って見えるようになりますが、視覚過敏がある場合には新品の蛍光灯の光でもチカチカしているのを感じてしまうことがあります。
解決策:家庭ではできるだけ蛍光灯をやめて、白熱電球に替えたり、蛍光灯カバーをつけたりといった対応が効果的です。
解決策:家庭ではできるだけ蛍光灯をやめて、白熱電球に替えたり、蛍光灯カバーをつけたりといった対応が効果的です。
視覚的情報が多すぎる
視覚情報が多いと気が散って集中できない場合があります。例えば、黒板のまわりなどに掲示物がたくさん並んでいると、掲示物が気になって肝心の授業の内容に集中できなくなることがあります。また、ADHDがある場合も、不注意の特性から揺れるカーテンや校庭の様子など、注意が逸れやすいことが理由で集中できないこともあります。
単に集中できないだけでなく、情報過多になって気持ち悪くなるなど体調に影響してしまうケースもあります。
解決策:黒板の周りに授業と関係のない掲示物がたくさんある状態は、学習困難がなくても気が散る原因となるので、片づけたり視界に入らない後ろの方に置くようにしたりしましょう。家庭では、学習するときには関係ないものはできるだけ片づけるのもよいでしょう。使わないものには布をかけて隠しておいたり、パーテーションを利用したりするのも有効です。
単に集中できないだけでなく、情報過多になって気持ち悪くなるなど体調に影響してしまうケースもあります。
解決策:黒板の周りに授業と関係のない掲示物がたくさんある状態は、学習困難がなくても気が散る原因となるので、片づけたり視界に入らない後ろの方に置くようにしたりしましょう。家庭では、学習するときには関係ないものはできるだけ片づけるのもよいでしょう。使わないものには布をかけて隠しておいたり、パーテーションを利用したりするのも有効です。
イラスト/taeko
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