障害者雇用で重視されることとは

企業の障害者雇用担当の方にお話を伺ったことがあります。

大卒か否かより「挨拶や助言を素直に受け入れる態度、安定した勤務態度、働く姿勢や意欲があるかを採用時にみています」とおっしゃっていました。また、自身の苦手を理解し「僕はこれができないので助けてください」と言えることも大切になるのだといいます。逆に、障害受容ができていなかったり、分からないことを聞けない、注意が受け入れられない人は一緒に働くことは難しいと。

わが子に必要なことはなにかを考え、どの進路か適切なのかを検討するとよいと思います。

ただ、特別支援学校高等部への入学には障害者手帳が必須の地域も多くあるようです。また、障害者雇用枠での一般就労を希望する場合は、手帳を持っている必要があります。

身体障害者手帳や療育手帳の取得は難しくても、精神障害者保健福祉手帳が取得できる場合もあります。地域によっても学校や就労先の状況は変わってきます。ぜひお住いの地域の情報を集めてみてください。

執筆/立石美津子

(監修・鈴木先生より)

能力に合った学校で学ぶことが大切です。
背伸びしてギリギリのレベルの学校に入って下位にいるよりは、在籍する学校で上位にいた方が一般的には就職率は高いと言われています。いろいろな役職につけたり、褒められたりして自尊心が上がるからです。

特別支援学校では、生徒に対する教員の割合が高く、細かいところまでみられて面倒見がいいので、本人のさらなる成長も期待できることが多くあります。卒業後のアフターケアも充実しています。考え方によっては特別支援学校卒の方がむしろ有利となります。

特別支援学校高等部に行かずに一般の普通科高校へ進学したお子さんたちのなかには、教職員が神経発達症(発達障害)に対する理解の乏しいことも多く、さまざまなストレスに遭遇している場合があります。

ただ、IQがボーダーレベルで手帳が取得できないお子さんは、特別支援学校に進学が難しいケースも多々あります。本当はデンマークにあるような神経発達症(発達障害)専門の学校が日本にもあればいいのですが…。最近は若干それに似たような高校も出てきましたが、公立ではなく私立なので授業料の面で課題もあります(※)。公立で神経発達症(発達障害)専門の学校ができるような予算が確保されるとよいと考えています。

※編集部注:高等学校の場合、国や地方自治体による就学金支援制度によって、私立高校の授業料負担が軽減の対象となる世帯もあります

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