Q: 熱性痙攣の検査にはどのようなものがありますか?

A:単純型熱性痙攣の場合は自然と治るため特に問題はありませんが、複雑型熱性痙攣の場合はてんかんなどとの合併症の疑いがあるため検査を行います。

検査を行うのは大体2回目の痙攣が起こったあとだといわれています。初めての痙攣でパニックを起こしている状態でよく観察できていない場合や、痙攣が1回だけで終わる人もいるためです。
回答者:藤井明子先生(どんぐり発達クリニック院長/小児科専門医/小児神経専門医/てんかん専門医)
回答者:藤井明子先生(どんぐり発達クリニック院長/小児科専門医/小児神経専門医/てんかん専門医)
Upload By マンガで分かる発達障害のキホン
てんかんや急性脳症との鑑別が必要なとき
発達の遅れ、発作後のマヒ、複雑型熱性痙攣で部分発作があった場合はCTやMRIを行います。

細菌性髄膜炎との鑑別が必要なとき
髄膜刺激症状と30分以上の意識障害が伴う場合には髄膜検査を行います。髄膜刺激症状とは首の硬直や膝を曲げた状態で股関節を直角に屈曲し、そのまま膝を伸ばそうとすると抵抗があることをいいます(ケルニッヒ徴候)などがあります。

そのほかにも医師が必要と認める検査を受けることがあります。
単純型熱性痙攣の場合は自然と治るため特に問題はありませんが、複雑型熱性痙攣の場合はてんかんなどとの合併症の疑いがあるため検査を行います。

検査を行うのは大体2回目の痙攣が起こったあとだといわれています。初めての痙攣でパニックを起こしている状態でよく観察できていない場合や、痙攣が1回だけで終わる人もいるためです。発達の遅れ、発作後のマヒ、複雑型熱性痙攣で部分発作があった場合はCTやMRIを行います。
Upload By マンガで分かる発達障害のキホン

熱性痙攣が起こった場合、落ち着いた対応を

熱性痙攣を初めて目の当たりにすると、保護者や周囲の人はパニックを起こしてしまうこともあります。熱性痙攣の70~85%が一過性のもので再発することはないといわれていますが、保護者は子どもが発熱する度に不安になってしまうかもしれません。
しかし、痙攣は数分で治まり、脳の発達によって5~6歳までに発症しなくなるといわれています。大きな病気ではないので安心して、その都度落ち着いて対応することを心がけましょう。
熱性痙攣のきっかけとなる風邪や感染症を予防することも大切です。子どもだけではなく、周囲の大人たちも予防につとめましょう。

もし熱性痙攣が起こった場合には、#8000番(こども医療でんわ相談)を利用するなど冷静な判断で対処・判断をしてください。はじめて痙攣が起こった際や単純型・複雑型どちらの痙攣か判断できない場合などは、迷わず病院へ行くことをおすすめします。
参考:子ども医療電話相談事業(♯8000)について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html
参考:熱性けいれんの定義|日本小児神経学会
https://www.childneuro.jp/uploads/files/about/FS2015GL/4fs2015_general.pdf
イラスト/taeko
小児科医に聞く「熱性痙攣」とは?熱性けいれんの原因や予兆、対応法は?2回以上だとてんかんの可能性が?救急車を呼ぶ判断のポイントも解説【図解でわかる】のタイトル画像

小児科医に聞く「熱性痙攣」とは?熱性けいれんの原因や予兆、対応法は?2回以上だとてんかんの可能性が?救急車を呼ぶ判断のポイントも解説【図解でわかる】

発達障害の診断・検査方法は?診断・検査は受けるべき?発症年齢や検査・診断の方法を紹介します【専門家監修】のタイトル画像

発達障害の診断・検査方法は?診断・検査は受けるべき?発症年齢や検査・診断の方法を紹介します【専門家監修】

熱性痙攣(けいれん)とは?原因や対応方法、てんかんとの違い、救急車を呼ぶべき状態の見極めかたなどについて詳しく解説します【医師監修】のタイトル画像

熱性痙攣(けいれん)とは?原因や対応方法、てんかんとの違い、救急車を呼ぶべき状態の見極めかたなどについて詳しく解説します【医師監修】

てんかん(癲癇)とは?原因や発作のパターンをイラストで詳しく解説。4つの診断の種類なども【医師監修】のタイトル画像

てんかん(癲癇)とは?原因や発作のパターンをイラストで詳しく解説。4つの診断の種類なども【医師監修】

てんかん(癲癇)を起こしたら?小児(子ども)の場合は?てんかんの診断や検査、治療方法をイラスト付きで分かりやすく解説【医師監修】のタイトル画像

てんかん(癲癇)を起こしたら?小児(子ども)の場合は?てんかんの診断や検査、治療方法をイラスト付きで分かりやすく解説【医師監修】


追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す




放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。