発達検査のあと

発達検査の結果は「軽度よりの中度」。いざ結果を聞いて療育手帳の重みを感じる母。(イラスト、カタバミ)
Upload By カタバミ
発達検査によってまちゃには知的障害があることが分かり、小児科医から知的障害の程度は「軽度よりの中度」と言われました。今から考えると遅過ぎてあきれますが、そのときになってようやく私は療育手帳の重みを感じてショックを受けた気がします。「まだ幼いので今後言葉が出れば結果はガラッと変わりますから落ち込まないように」と言われました。そのあと、発達センターの療育の先生からも「療育手帳の取得のための検査は言葉が出ていないと低く出るんですよ」と言われました。

でも、数週間後にかかってきた児童相談所からの電話では「身辺自立などできていることも多いので軽度です」と言われました。良かったのか悪かったのか分かりませんでしたが、とにかくまちゃは軽度の知的障害があるということで、療育手帳を取得し、私は2年後の更新のときまでになんとかまちゃから言葉が出るようにしようと思いました。

私は前もって情報があったのでそんなに構えずに療育手帳を取得しました。夫も止めませんでしたが、親戚は驚いて悲しむかもしれないと考えて黙っていました(今は話しています)。
私は自分の経験から、療育手帳を取得するのは特に制度の面では良いことが多いですが、結果を受け止めるのは人によっては大変なので、親御さんと場合によってはご本人がいろいろな情報をよく聞いて調べて決めるのが良いと思います。

執筆/カタバミ
(監修:藤井先生より)
療育手帳の取得の際の発達検査だけでなく、病院や療育センターで行われる発達検査の結果を聞いて、ショックを受けたというお声を聞くことがあります。しかし、小児の発達検査は、年齢が幼いお子さんの場合は特に、将来的な発達指数と直結するとは限りません。療育やご家庭での働きかけ、お子さんの特性によって、変わっていくこともあります。療育手帳を取得することでのメリットもありますので、事前に調べて決められることをおすすめしております。
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コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
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