運動会で倒れてしまった娘。娘が書いた渾身の作文には……。

小2では、前年の様子を踏まえてくださった先生から、自分の出番以外は空き教室で過ごすことを提案していただきました。これ幸いと、運動会中は私が付き添って教室で過ごし、出番の時だけ入場門に連れて行って参加することができました。

無事参加できてよかったと思ったのも束の間、自分の番だけでも極度に疲れてしまった娘は、教室に戻る時にはぐったり……。そして床に倒れ込んでしまいました……。こんなに疲れてしまっていたなんて……娘にとって運動会は本当に、本当につらいものなのだと、可哀そうになりました。もっと理解しなければと、運動会に出ること自体を見直した方がいいと思いました。
娘にとって運動会は本当につらいものなのだと実感した母
娘にとって運動会は本当につらいものなのだと実感した母
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そして運動会後、娘は「運動会」をテーマに作文を書きました。内容は「運動会がどんなに嫌だったか」。その渾身の文章からは、本当に嫌で嫌でたまらなかった娘の気持ちが伝わてきました。先生からは気持ちがよく書けていると褒めていただきました。

これもあって、翌年は運動会自体を欠席してもよいのではないかと先生とは意見が一致。(もう一生この子の運動会は見られないかも……)と思うと、寂しい気持ちがないことはないのですが、娘にとって運動会はただのつらい行事です。娘が今後運動会に参加するつらさを味わわなくていいことのほうが、よほど喜ばしいことでした。

現在不登校の娘、今は親子でハンドメイド作家として活動中!

小1・小2の頃は行き渋りがありながらも、担任の先生が娘の気持ちに寄り添ってくださる方だったので、休み休みどうにか学校に通えていました。しかし、小2の終わりでその先生が異動されてしまうと娘はどんどん学校に行けなくなり、小3の6月から完全に不登校になりました。

現在の娘は、家で安心して過ごせているようです。そして、家にいる時間を利用して親子でハンドメイドを始めました。娘とのハンドメイドの時間は楽しく、かけがえのない時間です。今では親子でハンドメイド作家として毎月イベントに出店するようになりました!
 
娘にとって運動会はつらい行事でしかありませんでした。小3では「運動会に出ましょう」と言われるのではないかと不安に感じていましたが、特にそのようなこともなく、親子ともにほっとしました。

娘には感覚過敏や自分の特性を理解して受け入れて、自分に合う環境を選んでいけるようになってほしい。そして、自分のやりたいことを自分で見つけて、めいっぱい人生を楽しんでもらいたいと思っています。
私も娘によりそい、できる限り支えていきたいと思います。

イラスト/keiko
エピソード参考/MIKKO

(監修:鈴木先生より)
ASDのお子さんは、園の発表会を皮切りに小学校では運動会の嫌いなお子さんが多いようです。特に同じことを繰り返す練習の嫌いなことが多いのですが、さほど練習していなくてもASDのお子さんは本番には強いという特徴が見られます。

こういう行事が嫌いな理由の一つに大勢の人が来て見られるのが嫌という対人恐怖や視線恐怖(社交不安症)があります。日頃からクラス代表で発表したり、日直をしたりすることが苦手なことが多いのです。周りから注目されるのを嫌う傾向があります。また比較的多い理由のもう一つに音過敏もあります。特に運動会はピストルの音やスピーカーで流れる大音量の音楽やマイクのキーンという音などを特に嫌がります。

おまけとして運動会後に疲れのせいか不登校になるケースも多々見られます。ただでさえ2学期は期間が長いので行事も多く疲れやすいのです。特に起立性調節障害を併存しているお子さんには馬力がないため不登校が多くみられます。運動会の嫌な子には文化祭という選択肢があってもいい時代にそろそろなってきたのではないでしょうか。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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