号泣の運動会が一転!?行事が苦手なASD息子がまさかの笑顔!うれしかった先生の配慮

ライター:志士ノまる
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転園前の保育園では運動会はなかったので息子にとってもママにとっても初めての運動会。今までのイベントは泣きすぎて参加できなかったこともあるので、どんなことになるのやら心配しながら行ったお話です。

監修者初川久美子のアイコン
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

運動会の保育園からの配慮

幼稚園の先生から電話があり、運動会での対応について説明を受ける。ASDのある息子には、競技に使う「ぽっくり」をより使いやすいものにして用意してもらえるとのことだった。
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運動会数日前に保育園より面談の話が出た。通常の面談の時期なので運動会後に面談でもいいのだが、息子は加配保育でほかの子どもとは対応が違ってくるため、ついでに運動会のことも話したいという感じだった。私も運動会の対応が気になっていたのでちょうどいいと思い面談の日にちを決めたのだが、ちょうど面談の日に息子が体調を崩してしまったのだ。

面談は延期になったが担任の先生が電話で詳細を話してくれた。基本的に先生が一人息子につくこと、競技でポックリをやるのだが、息子のポックリだけほかの子どものものより面積が広く高さが低くなっていること、かけっこの競技は先生と手をつないで走ることになるだろうということ。大体予想通りのお話だったので特に驚くこともなかったが、ポックリを息子の分だけ形を変えてつくってくれていたことは知らなかったので、その配慮がとてもうれしかった。

運動会当日、いつもと違う雰囲気に息子のテンションはみるみる下がり…

運動会当日、保育園につくやいなや、いつもと違う雰囲気に泣き叫ぶASDのある息子。先生たちが連れて行ってくれた。
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運動会当日、保護者2人まで参加可能ということでわが家はまたじぃじが一緒に行くことになった。前回一緒に行った保育園のイベントの夏祭りは、息子が大泣きで何も参加できずに帰宅。イベントをよく見に来てくれるがいつも不機嫌な孫しか見せられていないので、今回も期待しないでね…と伝えて出発した。
保育園に着くや否やいつもと違う雰囲気を感じ取ったのか息子のテンションがみるみる下がっていく。園児は一度玄関で待機して保護者は園庭で観覧なのだが、玄関から大泣きが始まった。ほかには泣いている子など一人もいない。大泣きの息子を抱えながら「お母さんたちは園庭に行ってください!」と言う保育士さんにすみません…と思いながら観覧席で待つことにした。

先生に手を引かれながら参加したリズム競技

リズム競技では、息子は先生に手を引かれてゆっくりと歩きながらスタイで顔を隠していた。
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先生の紹介により年少さんの子どもたちが園庭に入場してくる。みんなしっかりと整列してニコニコ笑顔の中、一番最後に先生に手を引かれながら泣き顔の息子が出てきた。立つこともしたくないのか先生の膝の上に座って一人だけベソベソしている。
そのまま最初の競技のリズムが始まった。リズムはピアノの音に合わせてウサギの真似をしたり馬の真似をしたりしながら園庭を走る。
みんな上手に走り回っている中、息子は先生に手を引かれてゆっくりと歩きながらスタイで顔を隠していた。せっかく動画を撮っているのにまったく顔が映らない。それはそれでおもしろかったが、まったく顔を写すことができないまま、リズムの競技は終わってしまった…。
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最後までこのままかと思いきや…?

ニコニコしながらポックリ競技に参加できた息子。上手にポックリに乗り、途中でコースを外れて母のもとに一直線に来てくれた。
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ポックリの競技が始まった。園児が一人ずつポックリに乗ってコースを一周する。息子は相変わらず先生の膝の上に座っていた。
もう今日は最後までこのまま不機嫌かもね…とじぃじに言うと「うーんまぁ仕方ないね」と慣れた返答が来た。

さすが自閉スペクトラム症のある孫をもう数年見ているだけある。しかしできれば少しでも参加しているところを見せてあげたいなぁと思っていたら、いつのまにかポックリに乗って笑顔でスタート地点に立っている息子がいた。いつの間に泣き止んだの!?というかできるの!?とカメラを構え見守っていると、上手にポックリに乗って歩いているではないか。隣でうれしそうにじぃじがシャッターを切る音が聞こえてきた。

ポックリのコースは保護者の前をぐるっと一周するようになっている。息子は笑顔でこちらを見ながら途中までコースを歩き、そのままコースを外れて一直線にママの元へ来てくれた。息子が楽しそうにしていることも、途中までだけどしっかりと競技に参加できたことも、ママのもとに一直線に来てくれたことも全てものすごいうれしかった。先生も無理に制御することはせずに、息子のやりたいことに合わせて付き添ってくれ、いいタイミングで次の競技に連れて行ってくれた。

最後の競技はかけっこ。息子のペースで走り切った

最後のかけっこ競技では、ゆっくりとしたスピードながらも、一人で走り切った息子
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最後はかけっこだ。もう息子は調子を取り戻したようでニコニコで先生に手をつながれながら順番が来るのを待っている。かけっこはそのまま先生と一緒に走るのかと思っていた。
よーい、ドン!の合図と共に駆け出す子どもたち、息子は先生に背中を押されてワンテンポ遅れてゆっくりとスタートした。そしてそのまま先生の手を離れのんびりした走りだが一人で走り切ることができた。
今日は最初から最後まで泣いてても仕方ないや、そう思いながら来たのに息子は思った以上の成長を見せてくれた。

今回成長の喜びと同時に、分かってはいたけれども、ほかの子どもと比べてだいぶ発達の差があるなということも強く感じてしまった。かけっこでみんな同時にスタートして、みんながゴールしたあとゆっくり走りきる息子を見て、このかけっこの差くらい発達の差があるんだろうなとしみじみ感じた。これから先、無理にほかの子どもに合わせて進むよりも、息子に合ったスピードでゆっくり進んでいける場所をちゃんと探していってあげたい。

執筆/まる
(監修:初川先生より)
息子くんにとって初めての運動会。成長を感じる機会となったようで何よりです。これまでの行事での息子くんのコラムも拝読していたので、今回のコラムは読んでいて私もとてもうれしい気持ちになりました。
さて、運動会のような行事に関しては、発達的な難しさのあるお子さんに関しては園・学校の先生と事前によく打ち合わせしておけると良いですね。今回も面談の機会を設定いただき良かったなぁと思います。練習の中で、ここはみんなと同じように、ここは特別な配慮をして、ということを先生方は掴んでいらっしゃるので、そこを共有し、保護者の方も承知したうえでのさまざまな配慮がなされることが安心につながります。
行事では普段はいない保護者がたくさん参集したり、みんなテンションが高かったり、「いつもと違う」が多いので自閉傾向の強めのお子さんにはしんどい面もあります。ですが、一度経験することで、次回は少し予想がつくため、より一層、取り組みやすくなるでしょう。今回撮られた動画や写真を来年度の運動会の前に予習として見ながら、心の準備もきっと進むことと思います。
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