ちゃんと活用できているか、毎朝・毎晩、バッグとファイルの中身をチェック

ウッシーヤの学習ファイルは、毎日チェックすることで忘れ物を防いだ
ウッシーヤの学習ファイルは、毎日チェックすることで忘れ物を防いだ
Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
これらの工夫がきちんと活用されているか、私はバッグとファイルの中身をほぼ毎日チェックしました。ただ私自身も忘れ物が多いタイプなので、チェック漏れが心配でした。そのため毎週末には、夫ラクマと二人で一週間のふりかえりを行い、次男ウッシーヤの整理整頓のチェック漏れがないかを確認し合いました。

このような学習の工夫はほかにもいろいろあります。当事者の家族会や講演会で、わが家の子どもたちの学習の工夫を紹介する機会が良くあるのですが、当事者家族ほど「こんな大変なことはできない」といった否定的な意見や感想が出てきます。

確かに毎日工夫をしていくのは保護者の時間が取られるし、忍耐も必要です。しかし、私たちの経験上では、苦労するのは工夫をスタートした数ヶ月です。発達凸凹タイプの子どもたちは、習慣化できれば地道に継続できることが多いように感じます。もし、しばらく続けて効果が現れないようなら、別の方法に切り替えるとうまくいく場合が多かったです。

親族や家族からは「過保護ではないか」という批判もよくありました。発達凸凹タイプが工夫することは、近視の人がメガネをかけるようなものです。そして、それは決して甘えでも怠けでもないのだと周囲に理解してもらうことは、工夫することと同じくらい大切なのです。

でも、なかなか言葉だけでは周囲の人は理解してくれません。根気よく説明することに加えて、工夫で結果を出すことが大事だと思います。
執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
(監修:新美先生より)
次男さんの整理整頓の支援の工夫について、詳しく教えて下さりありがとうございます。整理整頓が苦手な方への対策をタイプ別に大きく分けると、「細かく区切って1対1対応でどこに何をしまうかを明確にする、ラベリング・ファイリングをするといった方法が有効なタイプ」と、逆に「細かく分けずに、ざっくり一つの袋・箱に全部なんでも入れる、定期的にチェックして不要なものは処分するといった方法がマッチするタイプ」があります。

整理整頓が苦手なお子さんは、どういうやり方があるのかも分からないので、やり方を提示して、運用の仕方を大人(親や学校の先生など)と一緒に経験していき、中学生、高校生と年齢が大きくなるにつれて、段階的に自分でできるようにしていくという丁寧な支援が必要だと思います。これは過保護ではなく、自立のために必要な支援ですよね。

整理整頓の仕方も、合う合わないがあります。親や先生とお子さんとでは、整理整頓のタイプが違うこともあります。記事にもコメントされているように、効果がないやり方にはおしつけずこだわらず、別のやり方を試みるというのも、よいかと思いました。
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https://h-navi.jp/column/article/35029720
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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