【医師監修】3歳の知的障害、健診で分かる?言葉の遅れなどの特徴や家でできるチェックリスト
ライター:医師・専門家監修|発達障害・支援のキホン
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知的障害(知的発達症)のある子どもは、言葉の遅れやコミュニケーションの困難などの特徴が見られ、3歳児健診の際に発達の遅れが指摘される場合もあります。
今回は知的障害(知的発達症)の特徴や種類、3歳児に見られる兆候、3歳児健診で指摘される項目などを医師監修のもと、解説します。
監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
子どものこころ専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。
小児神経専門医
てんかん専門医
子どものこころ専門医
どんぐり発達クリニック院長
知的障害(知的発達症)とは?
このコラムで分かること
- 3歳頃に家庭や集団生活で見られやすい知的障害(知的発達症)の兆候(言葉の遅れ、癇癪、対人面など)
- 3歳児健診でチェックされる具体的な項目と、発達の遅れが指摘されるケースについて
- 知的障害の4つの区分(軽度~最重度)や、判定の目安となるIQ(知能指数)・生活能力(適応能力)の基準
- 家庭で確認できる「様子のチェックリスト」および、田中ビネーなどの知能検査や相談先情報
知的障害(知的発達症)とは、知的機能と適応能力に遅れがあり、生活や学習において困難が生じやすい障害のことです。
知的障害(知的発達症)の特徴としては、言葉の遅れや着替えなど自己管理の困難、学校の勉強の遅れ、コミュニケーションの困難などがあります。知的障害(知的発達症)は程度によって軽度から最重度まで4つの種類に分けられており、それぞれ症状や困ることも変わってきます。
保護者や周りが知的障害(知的発達症)に気づく年齢にも違いがあり、最重度の場合は生まれてすぐに気づかれることもありますが、軽度の場合は、乳幼児期には特徴が表面化せずに学齢期になってから気づかれることもあります。
子どもが知的障害(知的発達症)の診断を受ける場合には、知能検査や保護者からの聞き取り、子どもの様子の観察などを行うとともに、原因となる疾患についての調査も行われます。
知的障害(知的発達症)の特徴としては、言葉の遅れや着替えなど自己管理の困難、学校の勉強の遅れ、コミュニケーションの困難などがあります。知的障害(知的発達症)は程度によって軽度から最重度まで4つの種類に分けられており、それぞれ症状や困ることも変わってきます。
保護者や周りが知的障害(知的発達症)に気づく年齢にも違いがあり、最重度の場合は生まれてすぐに気づかれることもありますが、軽度の場合は、乳幼児期には特徴が表面化せずに学齢期になってから気づかれることもあります。
子どもが知的障害(知的発達症)の診断を受ける場合には、知能検査や保護者からの聞き取り、子どもの様子の観察などを行うとともに、原因となる疾患についての調査も行われます。
知的障害(知的発達症)の種類は?
知的障害(知的発達症)の定義は一つだけではなく、行政や医療などさまざまな機関が定義を作成しています。多くの場合、症状の程度によって、軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つに区分されています。
厚生労働省の基準では知的障害(知的発達症)の程度を知能指数(IQ)と生活能力(適応能力)の両方を評価したうえで判定します。上記表にあるように、知能指数(IQ)がⅠからⅣに、生活能力(適応能力)はaからdとどちらも4段階に分けられており、その兼ね合いによって程度が決まります。
知的能力はIQ(知能指数)によって次の4つに分類されます。
I :おおむね20以下
II : おおむね21~35
III :おおむね36~50
IV :おおむね51~70
適応能力は次のような判定表を用いて、a~dの4つに分類されます。
・食事:一人でできる/介助があればできる/できない
・用便(月経)の始末:一人でできる/介助があればできる/できない
・衣服の着脱:一人でできる/介助があればできる/できない
・簡単な買い物:一人でできる/介助があればできる/できない
・家族との会話:通じる/少し通じる/通じない
ここに挙げたのは基準の一例です。療育手帳を取得する場合は各自治体で別途基準を設けていることもあります。
また、医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版)』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。
知的能力はIQ(知能指数)によって次の4つに分類されます。
I :おおむね20以下
II : おおむね21~35
III :おおむね36~50
IV :おおむね51~70
適応能力は次のような判定表を用いて、a~dの4つに分類されます。
・食事:一人でできる/介助があればできる/できない
・用便(月経)の始末:一人でできる/介助があればできる/できない
・衣服の着脱:一人でできる/介助があればできる/できない
・簡単な買い物:一人でできる/介助があればできる/できない
・家族との会話:通じる/少し通じる/通じない
ここに挙げたのは基準の一例です。療育手帳を取得する場合は各自治体で別途基準を設けていることもあります。
また、医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版)』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。
知的障害(知的発達症)は遺伝する?
知的障害(知的発達症)の原因は遺伝要因や環境要因などさまざまな要因が絡んでいると考えられており、明確に特定できないこともあります。遺伝以外の要因としては、妊娠中の風疹などの感染症や低栄養、分娩時の低酸素症、出産後の感染症や低栄養、頭部への損傷などがあると言われています。
子どもに先天性の遺伝子疾患、染色体疾患などがあり、併存して知的障害(知的発達症)の症状が表れる場合もあります(上記のような疾患がある場合も、必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません)。
子どもに先天性の遺伝子疾患、染色体疾患などがあり、併存して知的障害(知的発達症)の症状が表れる場合もあります(上記のような疾患がある場合も、必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません)。
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3歳頃に知的障害(知的発達症)は分かる? 軽度知的障害(軽度知的発達症)の特徴や知能検査、診断について
3歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の兆候や起こりやすい園トラブルなど
3歳児になる前後には、自分の姓と名を合わせて言える、手を使わずに階段を登れる、人形などを使ったごっこ遊びをするといった様子が見られると言われています。また、幼稚園に入るのも3歳頃が多く、友達や先生と一緒の活動をし始める時期でもあります。
その頃に見られることの多い知的障害(知的発達症)の兆候は以下となります。
・人見知り、場所見知りがない(またはひどい)
・発語が遅れている
・自分でトイレを知らせることができない(おむつ外れが遅い)
・先生の指示が分からず、集団行動などが難しい
・癇癪の頻度が多く、激しい
・おもちゃなどへのこだわりの強さ
※上記は一例です
3歳頃になると幼稚園などで集団生活をおくる場面が増えてきますが、指示理解の困難や癇癪などによって園でトラブルになる可能性もあります。
ただ、子どもの発達は個人差があることや、3歳児ならほかの子とけんかするのも珍しいことではないため、ここで書いてあることに当てはまったからといって知的障害(知的発達症)とはかぎりません。一つの目安として、心配な方は専門機関や次で紹介する3歳児健診の際に相談してみるといいでしょう。
その頃に見られることの多い知的障害(知的発達症)の兆候は以下となります。
・人見知り、場所見知りがない(またはひどい)
・発語が遅れている
・自分でトイレを知らせることができない(おむつ外れが遅い)
・先生の指示が分からず、集団行動などが難しい
・癇癪の頻度が多く、激しい
・おもちゃなどへのこだわりの強さ
※上記は一例です
3歳頃になると幼稚園などで集団生活をおくる場面が増えてきますが、指示理解の困難や癇癪などによって園でトラブルになる可能性もあります。
ただ、子どもの発達は個人差があることや、3歳児ならほかの子とけんかするのも珍しいことではないため、ここで書いてあることに当てはまったからといって知的障害(知的発達症)とはかぎりません。一つの目安として、心配な方は専門機関や次で紹介する3歳児健診の際に相談してみるといいでしょう。
3歳児健診で知的障害(知的発達症)について指摘されることはある?
3歳児健康診査とは3歳~4歳の間に受けることのできるもので、身長体重、視力などとともに子どもの発達のチェックも行います。
3歳児健診の確認内容一例
・言葉の遅れはありますか
・同年齢の子どもと会話ができますか
・ほぼこぼさないで一人で食べますか
・何でも自分でしたがりますか
・よくかんで食べる習慣はありますか
・昼間のおしっこを前もって知らせますか
など
3歳児健診の確認内容一例
・言葉の遅れはありますか
・同年齢の子どもと会話ができますか
・ほぼこぼさないで一人で食べますか
・何でも自分でしたがりますか
・よくかんで食べる習慣はありますか
・昼間のおしっこを前もって知らせますか
など
ほかにも検査が行われ、クレヨンで丸がかけない、片足立ちができない、姓名が言えないといった様子が見られる場合は発達の遅れとして指摘される可能性があります。
ただ、それだけで知的障害(知的発達症)などの障害があるかは判断ができません。その後に医師や保健師と相談することができるため、知能検査を受けるかも含めて今後の対応を検討していくようにしましょう。
ただ、それだけで知的障害(知的発達症)などの障害があるかは判断ができません。その後に医師や保健師と相談することができるため、知能検査を受けるかも含めて今後の対応を検討していくようにしましょう。
3歳から受けられる知能検査や診断について
知的機能を測る検査として、知能検査があります。知能検査は年齢によって受けることができるものが変わってきますが、3歳で受けることができる検査の代表的なものとして、田中ビネー知能検査とWPPSI(ウィプシ)知能検査があげられます。
知能検査自体は医療機関や自治体の教育支援センター、民間の実施場所などで受けることが可能です。検査を受けるだけでも子どもの得意や苦手なことが客観的に把握でき、その後の関わり方や支援の計画作成にも役立ちます。
ただ、知的障害(知的発達症)の診断を受けるには知能検査だけではなく適応能力検査も行われるとともに、子どもの様子の観察などさまざまな過程を経る必要があります。
知能検査を受けることが難しい場合、新版K式発達検査にて発達指数を確認することもあります。
知能検査自体は医療機関や自治体の教育支援センター、民間の実施場所などで受けることが可能です。検査を受けるだけでも子どもの得意や苦手なことが客観的に把握でき、その後の関わり方や支援の計画作成にも役立ちます。
ただ、知的障害(知的発達症)の診断を受けるには知能検査だけではなく適応能力検査も行われるとともに、子どもの様子の観察などさまざまな過程を経る必要があります。
知能検査を受けることが難しい場合、新版K式発達検査にて発達指数を確認することもあります。
3歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状チェックリスト
※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。
発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?
ほかの子どもと比べて発達の遅れが気になる、知的障害(知的発達症)の可能性を考えているという場合に相談できる窓口を紹介します。
かかりつけ医
まずは普段から受診をしているかかりつけの小児科に相談してみましょう。お子さんの発達の様子や、支援などについても相談できます。
保健所/保健センター
保健所と保健センターは地域に設置されていて、健康診査や健康相談の受付などを行っている機関です。子どもの発達の遅れについても、医師や保健師などの専門の職員が対応に当たっています。
児童相談所
児童福祉法に基づいて設置されている行政機関で、18歳未満の子どもに関するさまざまな相談を受けつけています。児童福祉司や児童心理司などの職員がいて、言葉の遅れなどの発達に関する相談にも対応しています。
児童家庭支援センター
児童家庭支援センターは地域の子どもの福祉に関する相談を受けつけている機関です。発達の遅れなどの相談に対して、自治体や児童相談所と連携して支援を行っています。
児童発達支援センター
障害のある子どもに対して、さまざまな支援を提供している機関です。日常生活や集団生活に適応するための支援を行うほか、発達に関する悩みの相談対応も行っています。
かかりつけ医
まずは普段から受診をしているかかりつけの小児科に相談してみましょう。お子さんの発達の様子や、支援などについても相談できます。
保健所/保健センター
保健所と保健センターは地域に設置されていて、健康診査や健康相談の受付などを行っている機関です。子どもの発達の遅れについても、医師や保健師などの専門の職員が対応に当たっています。
児童相談所
児童福祉法に基づいて設置されている行政機関で、18歳未満の子どもに関するさまざまな相談を受けつけています。児童福祉司や児童心理司などの職員がいて、言葉の遅れなどの発達に関する相談にも対応しています。
児童家庭支援センター
児童家庭支援センターは地域の子どもの福祉に関する相談を受けつけている機関です。発達の遅れなどの相談に対して、自治体や児童相談所と連携して支援を行っています。
児童発達支援センター
障害のある子どもに対して、さまざまな支援を提供している機関です。日常生活や集団生活に適応するための支援を行うほか、発達に関する悩みの相談対応も行っています。
まとめ
3歳頃は保護者以外の大人や同年代の子どもたちとの触れ合いが多くなる頃です。知的障害(知的発達症)のある子どもの場合は、発話の遅れや相手の言葉の理解の困難、癇癪などの特徴が見られ、幼稚園などでトラブルや困りごとが生じることもあります。
ただ、言葉を含めた発達には個人差が大きく、そういった様子が見られたとして知的障害(知的発達症)とは言い切れません。発達の遅れがあると不安だと思いますが、家庭だけで抱え込んだり決めつけたりせずに専門機関に相談するようにしましょう。
ただ、言葉を含めた発達には個人差が大きく、そういった様子が見られたとして知的障害(知的発達症)とは言い切れません。発達の遅れがあると不安だと思いますが、家庭だけで抱え込んだり決めつけたりせずに専門機関に相談するようにしましょう。
知的障害、0歳での兆候は?「泣かない」などの特徴や遺伝、相談先について解説【医師監修】
楽しく言葉をつかうには、どんな場面で促してみるのが良いのかな…?そんなときは
3歳児の発達チェックリスト。もしかして発達障害?と感じたら/小児科医監修
3歳児、自閉症の特徴は?健診チェックリスト、診断の目安【小児科医監修】
多動で園トラブル…3歳児に表れやすいADHD(注意欠如多動症)の特徴や症状は?チェックリストも【医師監修】
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
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