ボランティア研修でも台本が大活躍、家庭内で練習を繰り返し本番に臨む

ボランティア研修先への申込手順の台本
ボランティア研修先への申込手順の台本
Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
ボランティア研修に行った際も、電話でのアポイントから面接時の受け答え、研修先でのあいさつまで、事細かに台本を用意して、家庭内で練習を繰り返しました。

このような工夫の効果もあって、ウッシーヤは無事に大学を卒業しました。学生時代にボランティア研修で実務経験を重ねてきた結果、現在は夢をかなえ、保育士としていきいきと働いています。

最後に、ボランティア研修の採用面接の時にウッシーヤが話した内容を紹介します。アルバイトの面接などで伝え方の参考になれば幸いです。

「私は中学生の時に専門家からアスペルガー症候群と告知されました。そのため、どうしても苦手なことがあります。曖昧なイメージだけで作業を指示されるとよく理解できないところがあります。

でも、具体的に何をどれくらい、いつまでに、というふうに、数量とか、時間とかを具体的に指示していただければ理解できて動くことができます。あるいは、やるべきことをメモ書きしたり、見本をやってくださると、すんなり理解できることが多いです。

よく伝わらないことがあっても、やる気はしっかりありますので、どうかご理解をお願いします。それでは、これから一生懸命がんばりますのでご指導よろしくお願いします。」

※アスペルガー症候群は現在ASD(自閉スペクトラム症)と呼ばれています。
執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
(監修:井上先生より)
発達障害の診断のある学生の場合には、大学においても合理的配慮を受けることができます。大学での合理的配慮がそれまでの合理的配慮と異なる点は、成人としての扱いを受けるために本人からの申し出である旨が重視されるようになることです。このため、保護者の方の希望だけでは合理的配慮の決定ができないことに注意していく必要があります。

ウッシーヤさんのように、支援ニーズのリストから本人が自分にとって必要な支援を具体的に絞り込んでいくこと、可能であればそれを説明できることが理想です。また大学の規模や体制、外部実習先の状況に応じて、実際に行っていく合理的配慮は異なってくる場合もあります。

最初から本人の支援ニーズにぴったり合わせた合理的配慮は得られない場合もあるかもしれませんが、あきらめずに話し合いやトライ&エラーを重ねていくことで、最終的に本人に合った合理的配慮に近づいていくと思います。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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