小学生の発達障害、特徴チェックリストやサポート方法など【発達障害の専門家が回答】

ライター:発達障害のキホン
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発達障害とは、先天的な脳機能の障害で、想定される時期に年齢相応の発達やスキルの獲得に遅れがみられ、日常生活にさまざまな困難が生じ、それらが持続する状態を示します。
このコラムでは小学校低学年、高学年に多くみられる発達障害の特徴チェックリストや、発達障害のある小学生のよくある困り、グレーゾーンのお子さんへの支援などについて公認心理師・井上雅彦先生に回答いただきました。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

発達障害の小学生の特徴は?年齢別の起こりやすいトラブルについても

発達障害とは、先天的な脳機能の障害で、想定される時期に年齢相応の特定領域の発達やスキルの獲得に遅れがみられ、日常生活にさまざまな困難が生じ、それらが持続する状態を示します。

発達障害の特性に周りが気づく時期は、障害のタイプによっても異なります。
ASD(自閉スペクトラム症)の特性は早期からみられますが、その出方は子どもによってさまざまです。診断時期は早い子どもだと1歳から2歳頃と言われています。ADHD(注意欠如多動症)も集団行動の始まる3歳頃から気づかれることもありますが、就学後の8歳から10歳頃に診断されることが多い傾向にあります。
LD・SLD(限局性学習症)は、学校教育の始まる就学期に診断されることがほとんどです。

ASD(自閉スペクトラム症)の小学生によく見られる特性
・対人関係や社会性における困難
・こだわりの強さ、臨機応変な対応の困難
など

ADHD(注意欠如多動症)の小学生によく見られる特性
・忘れっぽく、注意力散漫
・落ち着きがない
・衝動的に行動する傾向にある
など

LD・SLD(限局性学習症)の小学生によく見られる特性
・文字を読むことが苦手
・文字を書くことが苦手
・算数、計算が苦手
など

発達障害のある小学校低学年(1年生、2年生、3年生/6歳、7歳、8歳、9歳)の子どもに多い特徴チェックリスト

発達障害のある小学校低学年(1年生、2年生、3年生/6歳、7歳、8歳、9歳)の子どもに多い特徴チェックリスト
発達障害のある小学校低学年(1年生、2年生、3年生/6歳、7歳、8歳、9歳)の子どもに多い特徴チェックリスト(上記は一例です)
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発達障害のある小学校高学年(4年生、5年生、6年生/10歳、11歳、12歳)の子どもに多い特徴チェックリスト

発達障害のある小学校高学年(4年生、5年生、6年生/10歳、11歳、12歳)の子どもに多い特徴チェックリスト
発達障害のある小学校高学年(4年生、5年生、6年生/10歳、11歳、12歳)の子どもに多い特徴チェックリスト(上記は一例です)
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発達障害のある小学生のサポート方法は?専門家が解説!

小学校に上がって困りが増えてきて……どのように子どもに関わればいい?

Q:小学校に上がってから困りが多くなり、叱ることが増えています。どのように子どもに関わればいいでしょうか。また診断を受けるべきかも悩んでいます。専門医にかかるかの判断のポイントなどもあれば知りたいです。
小学校に上がって困りが増えてきて……どのように子どもに関わればいい?
小学校に上がって困りが増えてきて……どのように子どもに関わればいい?
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回答:公認心理師・井上雅彦先生
回答:公認心理師・井上雅彦先生
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「グレーゾーン」の子どもはどのような支援を受けられる?

Q:発達障害の診断はなく「グレーゾーン」なのですが、学校生活での困りが多い傾向にあります。どのような支援を受けられるのでしょうか。
「グレーゾーン」の子どもはどのような支援を受けられる?
「グレーゾーン」の子どもはどのような支援を受けられる?
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回答:公認心理師・井上雅彦先生
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
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