娘の5歳の誕生日に起きたトラブル。思わず涙した私に、夫は……

そして月日が経ち、娘の5歳の誕生日がやってきました。夫と娘の関係は悪くなる一方でしたが、事前に「その日は家族仲良くできるよう協力してね」と夫には伝えていました。それにもかかわらず、誕生日の当日に夫と娘は喧嘩をしました。私は初めて夫の前で泣きました。夫はすぐに謝ってくれましたが、私はその日の夜に思っていたことをたくさん伝えました。

うちの子は定型発達の子ではない。ASD(自閉スペクトラム症)なんだ。親がしっかり向き合って、信頼できる存在にならないと今後親子関係が破綻する。いつまで目を背けているつもりだ。病院にも療育にも興味を示さないし、娘のことなんてどうでもいいと思ってるのか。私が一番恐れているのは発達障害の二次障害で、ストレスなどが原因で自傷行為に発展することもある。また父親と仲が悪くなり家に居場所がなくなって家出したらどうするんだ……と。

夫は衝撃を受けた顔をして私の話を聞いていました。そこまで先のことは考えていなかった、どうしてもその場その場の感情で接してしまうと言って再度謝ってくれました。
娘との距離がどんどん離れていく夫に、涙ながらに気持ちを訴えた
娘との距離がどんどん離れていく夫に、涙ながらに気持ちを訴えた
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本音をぶつけた日を境に、変わり始めた夫

この日を境に夫は娘への態度を変えたような気がします。病院での話も詳しく聞いてくれるようになったし、就学相談の時も、発達検査の結果を見てはじめは 「通常学級でいいんじゃないの?」と言っていましたが、特別支援学級に行かせたいという私の意見に理解を示して「しぇーちゃんが楽しく通えるほうにしよう」と言ってくれました。娘が一時期不登校になった時も「しぇーちゃんが落ち着いて過ごせる場所を探せばいい。学校に絶対に行く必要はないよ」と娘に話し、いつでも味方であるとしっかり伝えてくれていました。

わが家は、夫婦で同じ方向を向いて育児することに時間がかかりました。夫だけでなく私自身にも落ち度はあり、夫と言い合いになることを避けていたところもあります。娘は現在9歳になりました。今では夕食のあと3人でいろんな話をしたりカードゲームをして楽しく過ごしています。
娘が9歳になった今、夫婦で同じ方向を向いて育児ができるように
娘が9歳になった今、夫婦で同じ方向を向いて育児ができるように
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執筆/マミヤ
(監修:室伏先生より)
ご家族のしぇーちゃんへの向き合い方、しぇーちゃんとお父さまの関係性について詳しく共有してくださり、ありがとうございます。お子さんのことをとても大切に思っているのに、拒絶されたように感じてしまって葛藤を感じたり、どのように接したらいいのか分からなくて戸惑いを抱えたり、というご経験がある方は少なくないと思います。外来ではお母さまとお子さんだけでお話にいらっしゃったり、ご家族でいらしてもお母さまが中心にお話しされることもしばしばあります。しかし、お父さまのお気持ちやご家族全体の関係性に思いを馳せること、そしてご家族全員の心が健康でいられるようなサポートなどもとても重要なことだと、マミヤさんの記事を読ませていただいて、私自身も改めて感じました。
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030134
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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