「私の言ったことで息子の進路が決められてしまう?」緊張の就学相談

そしてついにやってきた就学相談。私の住んでいる市の就学相談では、息子が担当の方と遊んでいる間、保護者とこども園の先生が相談担当の先生方(公立小学校の特別支援学級の先生、公立中学校の特別支援学級の先生、特別支援学校の先生の3人でした)と話をするシステムでした。
細かな質問項目は特になく、割と自由に喋る感じだったので、「私の言ったこと(言わなかったこと)で息子の進路が決められてしまうのでは」と不安でした。あとで振り返って、「息子のできることよりもできないことのことばかり言い過ぎてしまったのでは……」とも感じました。

そして待ちに待った自治体からの答申結果。緊張しながら見てみると、「知的障害特別支援学級が望ましい」というものでした。自分でもこれが息子にとって最善の選択肢だと分かっていたのにもかかわらず、答申結果を見て少し落ち込んでしまったのが、われながらめんどくさい奴だと思いました。
でも、夫と「今の息子にとってベストと思える選択を前向きに考えよう」と話し合い、知的障害特別支援学級の在籍を決めました。
希望通りでしたが、少しだけ落ち込んでしまった私
希望通りでしたが、少しだけ落ち込んでしまった私
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「あれだけ悩んで出した結果だから!」と納得できた進路選択

息子は楽しく通ってくれるだろうかとドキドキしていましたが、実際に小学生になり楽しそうに登校する姿に心から安堵しています。当時はあんなに悩んだのに、あるいは、あれだけ悩んだからか、今は息子に合った選択ができたことにとても納得できています。
これからもきっと悩んだり迷ったりする場面はあるでしょうが、悩みつくし気になることは遠慮をせず聞いて、息子の幸せな毎日を守る選択をしていけたらと思います。
楽しそうに登校する息子の姿にホッとしています
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イラスト/ネコ山
エピソード参考/苗

(監修:井上先生より)
知能指数や発達指数が境界域にある場合、通常学級か特別支援学級かは悩ましい選択です。特別支援学級を考えられる場合、自閉症・情緒特別支援学級と知的障害特別支援学級の二つの違いを理解し、実際に両方の学級を見学させてもらうのがお勧めです。これらの在籍は変更することも可能ですが、中学校の特別支援学級選びの中で、自閉症・情緒の特別支援学級を選ぶのか、知的障害の特別支援学級を選ぶかは、そのカリキュラムの違いから高校進学にも影響してきます。発達レベルや学習の意欲、本人に合わせた柔軟な教育が可能か、将来の進路なども含めて総合的に考えていくのがよいと思います。地域によって違いがあるので、先輩の親御さんたちの情報も参考になるかもしれません。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
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