親はどこまでサポートするべき?「過保護」と「過干渉」の違い

ライター:kaoru
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親が子どもと関わるとき、考えざるを得ない「愛情としつけのバランス」。時に行き過ぎたしつけをしてしまうのも、親の心情としては子どもの将来を考えてのこと。しかし何事も行き過ぎはリスクを伴うもの。迷ってばかりの私に、愛情としつけの線引きを明確にしてくれたものとは。

愛情としつけの線引きに悩む日々

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お子さんのしつけのためにイライラしたことはありませんか?

当時の私は、周囲からの「甘やかしすぎ」「しつけがなっていない」という批判におびえ、子どもと楽しい時間を過ごすことにさえ、罪悪感を感じていました。

そんな私を救ってくれたのはある児童精神科医の先生でした。

幼いころの息子はADHDの特性でもある多動がとても激しく、何をするのかわからない子どもでした。

母親である私の「しつけ」が良くないのでは?と、育て方の問題を指摘されることもありました。

参考になればと育児書を読めば、育児書の子ども像と息子が違いすぎて、ますます落ち込んでしまうという悪循環に。

特に私が頭を悩ませていたのが「どこまで甘えを許しどこからがしつけの範囲なのか?」と言う線引きでした。

ADHDの特性が色濃く出ていた息子の行動を、年齢相応にすることは、どんなに厳しくしつけても難しく思えました。
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自分ばかりを責めていませんか?親子で自己肯定感を高めるために

私を救ったのは

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そんな時に出会ったのが児童精神科医の佐々木正美先生の著書でした。

「子どもへのまなざし」をはじめ、先生が書いたたくさんの著書にどれだけ救われたでしょう。

「何度注意しても同じことを繰り返す、それは健全な子ども。1度注意をしたら2度としない子どものほうが心配。」

というような記述に安堵したことを今も覚えています。

ずいぶん後になって、先生は自閉症や発達障害が専門だと知りました。

先生の著書の中に「これは発達障害の子どもにはあてはまらない」という記述もあり、すべての事例が活かせる訳ではありませんが、基本的にはどんな子どもであっても、お母さんの役割や取組みが変わらないという点が、受け入れやすかったのだと思います。

私が迷い続けていた「愛情としつけのバランス」の線引きを明確に示してくれたのも、先生の著書でした。

どの著書にも共通しているのが「乳幼児期の依存」の大切さ。

本当の依存とは「無条件に永遠に愛される」という実感を持てることなのだそうです。

子どもは、良い子でなくてもわがままでも、困らせてばかりでも、無条件に愛される資格を持っているはずなのです。

また、「この人は、自分がいくらわがままを言っても、愛してくれる。」という確信を持てることが愛着の形成であり、自己肯定感へと繋がっていくのだとだと思います。

充分に依存させるためには、いくら過保護にしても良い。

反対に過干渉は子どもをダメにしてしまう。

先生の線引きは「愛情としつけのバランス」ではなく「過保護と過干渉」でした。
ぶどうの木 佐々木正美 プロフィール
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子どもの気持ちに沿う育児なら私にもできそう・・・

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先生の引いた線は明確で分かりやすいものでした。

「子どもの望みを100パーセントかなえられる親なんていない。

だから、いくら過保護にしてもいい。

過保護と言うのは、子どもが望んでいることをやりすぎること

反対に過干渉はいけない。

いくら良かれと思っても、子どもが望んでいない事をするのは過干渉である。」

ここでいう過保護とはお金ではなく、手間をかけることを指しています。

私がこの考えに飛びついたのは、理念のすばらしさというよりは、息子がこちらの言い分に添う行動なんて到底出来なかったからでした。

こちらの言い分ではなく「子どもの望みをかなえる育児」なら、できるかもしれないと思ったからです。

大人ではなく子どもの望みを叶える子育てなら障害の有無に関わらず、子どもの特性に合わせてできますよね。
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「長い臨床生活の中で、本当の意味での過保護で子どもがダメになったケースを見た事がない!

過保護でダメになったと思っているケースは、過保護だと思っていることが実は過干渉だったというケース。」

という、先生の言葉後押しされ、私の過保護な子育てが始まりました。

判断の基準は「子どもの立場から見て」子どもが望んでいるかどうか?

・夕飯に●●が食べたい。

・公園で遊びたい。

・一緒に寝て欲しい。

そんな叶えてあげやすい望みから、忘れ物を届けてあげる、宿題を手伝う、など、ちょっと自立を妨げないかと不安になるような望みもありました。

また、

・学校へ行きたくない

・お友達に謝りたくない

など、親としては譲歩し難い望みまでありました。
次ページ「子どもの気持ちを尊重したら」

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