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【送迎あり】 こぱんはうすさくら 札幌太平教室のブログ一覧

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③【嘘をつくということ~5歳の時に僕がついた嘘】〜その3

教室の毎日
人は何故嘘をつくのだろうか。
人を騙すため? 
人を陥れるため? 
その場を逃れるため? 
本心を隠すため?  
自分を守るため?

 前の児童相談所で心理判定員をやっていたとき、小学生の兄弟を一時保護した。
 母子家庭で、母親が子育てに苦しんでいるケースだった。
 兄は、嘘をよくついた。僕は、G票(心理診断、意見等)にこんなことを書いた。

◎普段、兄がよく喋るのは、不安感と恐怖、恐れ。
◎常に何か言わないと怒られる状況。だから、早口になる。防衛的に良く喋る。しかし、自分の非や失敗を容赦なく追求する母の前では、言葉は出ず、当面の追求、攻撃を避けるために「嘘」をつく。
◎最初のバウムテストの幹の輪郭線の強調(肥厚)は、外からの刺戟に対する防御と考えられる。そして、防御は上手い。「嘘」は相当に強いと考えられる。
今さら、母に本当のことは言えない。
〇母との関係は常に緊張感があると考えられる。「虐待環境」と言える。
〇とにかく誉められていない。
〇母が誉めていないから、母の模倣が起きない。
模倣が起きていないから、ロールシャッハテストでもちゃんとしたM反応(人間運動反応)が出ない。
○ただ、「ウサギが手を合わせている」という副M反応が出ている。また、静止的だが他の2図版で「二人の人」を見ており、人への親和性、期待は失われていない。模倣へと至る素地は一応あると考えられる。
〇これからどうしたらいいかについては、母がこの子を誉めて、素朴なことでいいから真似を引き出していくしかない。
〇しかし、母は「人はこうあるべき」「人にとって大切なことは」等、自分なりの人生観、目標、理想の子育て論、子どもへの期待等を持っていて、それが正しいという自負も強い。自信を持っているし、プライドもある。
○母の関わりを変えるのは至難の業でもある。
○したがって、
「厳しいところはそれでいいから、ただ、誉めることから始めてほしい」
「一緒に行動し、行動モデルを呈示し、模倣させていくことが必要」
と話していくのがよいか。
〇「嘘をつかざるを得ないこの子の気持ちを理解してあげる必要がある」ということを、母に伝える必要がある。
〇家庭の中での緊張を解いてやらないとダメである。
☆兄は母親が好きである。
彼にとって母は
「カッコイイ人」
「自慢出来る人」
「憧れの人」でもある。
だから、面と向かってはとても逆らえない。
・野球少年が、メジャーリーガーのボンズ、イチロー、松井の前では緊張のあまり何も云えなくなるのと同じところがあるかもしれない。
☆母のようになりたい、母の希望や期待は良く分かるし、それに応えたい、そして、誉めてもらいたい。
・しかし、「今の僕にはとても出来ない」
「あれも、これも、全部で100点とることなんかとてもできない」
「どれから、どう手を付けていいか分からないし、やり方も全然分からない」
「どうせできないなら全部最初からやらない」。
 
もう、あれから、5年ほどたつが、あの二人の兄弟はどうしているだろうか。
…… 次回に続く ……

◆但田たかゆき

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