・僕は、昔々、教育実習で、札幌手稲高校の生徒に保健体育を教えたこともあり、基本、運動やスポーツは好きで、
また、30代前半は、旭川児童相談所で自閉症や知的障害などの発達障害を持つ幼児さんと保護者の方(母親)に、週1回、親子で通ってもらい、親子での身体運動遊びや模倣訓練などのトレーナーをやっていたこともあって、
子ども達と関わる時は、身体接触的な遊び、運動的遊びを行うことが多いです。
・そんなふうに子どもたちに関わっていると、多くの子ども達が僕の近くにやって来ます。
・おんぶ、抱っこ、肩車、脚にコアラのようにしがみつく、胡坐をかいた足の中に座るなどなど。
※これから書くことは、これもこぱんはうすさくらに勤める前の児童デイサービスの話で恐縮です。
※ただ、僕の子どもたちに関わるときの、基本的な視点であり、スタンスだと思っていますし、今まで、こぱんはうすさくらでも同じように子どもたちに関わってきましたし、そして、これからもそうだと思いますので、
前のデイで出会った子どもたちのことを書きます。
・ある日の業務日誌の【気づき】に書いたものです。
◆今日は、昨日に引き続き、小6のKくんが、僕に金魚のウンチのようにくっついて離れないところがありました。自分からおぶさってきたり、右手にはめていた数珠を外して、自分の手につけたりしています。
・その他、小2のDくん、小2のKくん、小1のOくん、小2のRちゃん、幼児のRくん、小2のNくんなど、次々とやってきて、楽しんでいます。
・父母の離婚で、お父さんがいない子もいますし、お父さんがいても、お父さんとそのような遊びをすることが少ない子もいるようです。
・僕は、少しでも子ども達の父親代わりになれればと思います。また、男性としての行動(模倣)モデルになれればと思っています。
・家庭で、親としてやってあげたいと思ってもなかなかできないことがあると思います。
※そのようなことを補完するのも、療育の一つかなと思っています。
※また、その子の発達特性、発達障害、行動特徴を理解した上で、子どもの発達を促し、満たされない心を埋めたり、傷ついた心を癒すためのに、【ていねいな子育て】をすることが、療育の大切な柱だと思っています。
・小6のKくんは、小さい子や女の子に対して、優しく教えてあげることもありますが、
時に、その子のことを否定する言葉や態度をぶつけることもあります。
おそらく、自分でも、不満や怒りや悲しみ、寂しさなどの感情をコントロールすることができず、そのままぶつけるしかないように思います。
・昨日のこうたろうくんは、他の子に対して、そんな行動が目立ち、送迎の車の中でも、小2の女の子を否定する言葉を連発します。
・僕は、「その言葉は言ってはいけない言葉だよ」と言いつつ、「Kくんは、学校でも友達にそんな言葉を言ったりするの?」と聞きました。
・すると、彼は「学校ではおとなしい。誰とも話をせず一人でいるよ」と答えました。
・学校でいじめ的な対応を受けているような話を聞いたことがあります。
・彼は、昨年11月の●バウムテスト(樹木画)で、今の自分の立つ位置や心月の状態を表しています。
【・幼少期から続く心の傷があり、今は自己は縮小し、やや傍観者的な状態(不登校の位置に近い)にありました。
・行動に自信がなく、葛藤があり、認められ褒められたいと強く願っていても、それが叶わず、「うまく行かない」「自分はだめだ」という思いが強まっている様子でした。
・見た目は、ふてくされた言動や表情を見せることが多いですが、心の中は、外に現れる行動と違うようです。
・テーブルを挟んで向き合って、心理療法をしていると、足を伸ばして、足先を職員の脚にくっつけてきたりします。足裏をマッサージしてあげると、「ああー気持ちいい」と言って、柔らかな表情を浮かべています。】
※彼の行動を一気に改善するような特効薬はありません。
※でも、彼の心を理解し、共感し、心を少しでも癒してあげられたらという思いを常に忘れずに、真摯に向き合ってあげれば、いつか、その心が彼の心に沁み込み、
そして、彼の心が「優しくされている」「愛されている」という思いで膨らみ、そして、人にやさしくできるようになるようにも思います。
※人にやさしくできるためには、自分の心の中の愛情の器が、「人から優しくされている」、「愛されている」という思いでいっぱいにならないとダメだと言われます。
※心の中の愛情の器がそれらで満たされ、器からあふれ出た分だけ、人にやさしくできるんだと聞いたことがあります。
※人として決してやってはいけないことは、きちんと教えつつ、彼の心がやさしさでいっぱいになるように、
スタッフの先生と一緒にやさしさを注ぎ込めればと思っています。 但田たかゆき
【身体接触による安心感、一体感】【父親代わりとして】
教室の毎日
22/11/05 10:57