練習が始まるとすぐに不機嫌…ピアノの練習で娘が困っていたこと

ライター:GreenDays
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ピアノを習っている娘と息子。
毎日、練習に取り掛かる前にすごく不機嫌になっていました。

なぜか、ピアノの練習をとても嫌がる

4歳になり、ピアノに興味を持ち始めた娘。

発達に凸凹があることをまだ知らなかった頃でした。

「ピアノの練習をするよ」と声をかけるとたちまち表情を曇らせ、のろのろと行動する娘。

ピアノの椅子に座ってもまだ、ぺちゃくちゃとお喋りをして、一向に練習を始めません。

ようやく始まったと思うと1小節弾いては喋り、少し間違えたと言っては泣き、なかなか1曲を終わらせることができません。

ようやく1曲が終わると、隣で座っている私に椅子から身を乗りだして抱きついて、また泣いたり喋ったり。

ピアノの前に座っている時間はとても長いのに、ふたを開けてみれば全然練習ができていない、という状態が長く続きました。

娘を追いかけるように息子もピアノを習い始め、同じようにのろのろ泣いたり怒ったり。

練習時間のうち、一体どれほど多くの時間を、子どもたちを慰めるために割いたのでしょう。

今考えると恐ろしくなるほどです。

振り返ってみると、親子で取り組むピアノの練習は本当に大変でした。

なぜこんなにも大変だったのでしょうか?
同じように子どもにピアノを習わせているお母さん方から「なかなか進んで練習しない」という愚痴はよく聞いていたので、こんなものかなぁと思っていました。

あるとき、大きくなった娘に「あのときはどうして、嫌々練習していたの?」と聞いてみると、意外な理由が判明しました。

嫌いなら辞めていいよ、と伝えると

去年の夏、娘が7歳の時のことです。

私は「そんなにピアノの練習が嫌なら、ピアノをやめてもいいんだよ。

ピアノは人生が豊かになればいいなぁと思って習ってるだけだし、そんなに苦痛ならやっている意味がないと思うの。」と伝えました。

すると娘は「ううん、ピアノは絶対にやめない!ピアノを弾くのが嫌なわけじゃない。」と首を振ります。

「でも、毎日練習に向かう足取りは重いし、嫌々やっているように見えるけど・・・」

「だって、どれだけ弾いたらいいのかわからないもん。なにがどうなったら練習は終わりなの?」

「なにがどうなったらって・・・。昨日まで詰まってたところを部分練習してスムーズに弾けるようにするとか、今日はここまでを間違えずに弾けるようになるとか、いろいろ自分で納得したら終わりなんじゃない?」

「どこで納得したらいいかなんて、そんなのわからないよ!」
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「いつ練習を終えればいいのか分からない」

娘からピアノを嫌がる理由を聞いて、驚きつつも妙に納得したことを覚えています。

「ゴールが見えない=見通しの立たないことをする」というのは、とても不安で苦痛なことなのだと、子どもたちの発達障害について調べていくうちに知識としては頭に入っていました。

でも、それは今日の予定を書き出しておくとか、1週間分のスケジュールをわかるようにしておくとか、もっと大きなものだと思っていたのです。

ピアノの練習という、たった数十分の出来事の中にも不安や苦痛があって、私の気づかないところで娘はそれと闘っていたんですね。

気づけて良かった。

ピアノを、音楽を嫌いになってしまう前に気づけて、本当に良かったです。

練習の仕方に一工夫

さて、原因がわかれば後は子どもの成長に合わせて、不安をとりのぞく工夫をしていくだけです。

始めは「1日30分」などと時間を区切ろうかと思いましたが、お喋りしている間に時間が過ぎてしまうので却下。

「この部分をスムーズに弾けるようになったら終わり」などの曖昧な目標も、娘には不向きです。

そこで、トークン表を使うことにしました。

1曲につき弾く回数を決め、毎週の練習内容に合わせて用紙を印刷します。

弾いた分だけシールを貼り、進捗が目で見てわかるようにしました。
弾いた分だけシールを貼って進捗が分かるようにした
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子どもが自分で考えて動けるようになる「トークン表」とは?

娘も息子もこれを始めてからとても気が楽になったようで、ピアノの練習を始める時に愚図ることは、ほぼなくなりました。

シールを貼るのも楽しかったようで、毎日色を変えたり今週はこの色!と決めて用紙を1色のシールで埋め尽くしたり。

半年ほど、この方法を続けたあと「もっとシンプルに」ということで、今度は百玉そろばんを利用することにしました。
1回練習したら、そろばんの玉を右に寄せる。

ただそれだけです。

わが家では1曲10回ずつ練習すると決めてあるので、残りの回数も目に見えてわかりますし、10の合成・分解の勉強にもなって一石二鳥でした。
親子の様子
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このシステムを導入してから、ピアノの練習に対する娘のストレスはずいぶん減ったように思います。

きちんと回数をこなすようになったことで、これまでよりピアノの上達も早くなりました。

子どもたちが何かを嫌がった時、上手くいかない時、本人でさえ気づいていない原因が隠れていることがあります。

「どうしてなの?」と詰問するのではなく、「どうしてかな?」「どこに原因があるのかな?」と子どもたちが困っている部分を一緒に探す時間を持てるようになるといいですね。
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