クラスメイトに理解してもらうきっかけになった「そっとしておいてほしい」カード

また、長男が少しでも過ごしやすくなるよう、周囲への協力も必要だと考えました。特に、「見られるのがいや」「注意してくるのがいや」に対しては、先生を通じて、クラスメイトに以下を伝えてもらいました。

●緊張しやすくて、見られるのがものすごく苦手であること

●今、学校に慣れている最中だから、そっとしておいてほしいこと

また、長男とは一緒に、対策を考えるスタンスで接しました。

相談して作ったのが、「今は見ないでほしい」「今はそっとしておいてほしい」と書いたカードです。机の上に準備しておき、怒りたくなったらまずこのカードを見せてみたらどうだろう?と提案したのです。

作った当初、なかなか自分からは見せなかったのですが、私が代わりに「今、この状態やねん」と見せると、相手の子も納得してスッと離れてくれるので、長男も手をひっこめられるようになってきました。

このカード、クラスメートにわかってもらうという点で、1番効果を発揮したかもしれません。しばらくすると、自然にカードを使わなくてもよくなりました。

他に、「おはようございますカード(お日様のイラスト)」や「しずかにしてくださいカード(唇のイラスト)」なども一緒にリングで束ねておきました。

このカードのおかげで、みんなとちょっとずつ、打ち解けることができました。

それでも無くならない攻撃性。クラスメイトに親しみを持つには、どうしたらいいのだろう…

カードを使ったコミュニケーションにより、少しずつ落ち着く一方で、特定の子にだけ、攻撃性が残るようになりました。

どうしても相性の合わない子がいるようでした。逆に言えば、波長の合う子には、あまり攻撃性がみられません。となれば、「親しみを抱くこと」も、他害行動を防ぐ1つの方法になると考えました。

そこで考えたのが…

●長男と取り組んだこと:

知らない子に囲まれるのが苦手なので、クラスメートの名前の一覧表を見ながら「マラソン大会で1位だった子だね」と、できるだけ具体的にイメージする練習

●先生に伝えたこと:

給食当番のペア組みや席替え時への、可能な範囲での配慮のお願い

●保護者の集まる席で伝えたこと:

子どもの発達にデコボコがあること、家庭で取組んでいること、何か困ったことがあれば、問題が小さいうちに先生を通じて連絡してほしいこと

この3つを試してみました。

手が出ることがなくなった長男。それでも苦手な学校に、少しでも慣れていくために

入学当初は、長男から片時も目を離せない状態でしたが、手探りでいろんな方法を試すうちに、次第に落ち着いてきました。もちろん「学校に慣れた」ことも大きかったと思います。

相性の良くない子との間柄について、長男は「冷えきってる」と言いつつも、手を出すことはなくなりました。

また、ちょっとしたトラブルもスルーできるようになってきました。ただ小3になった今でも、しばしば「今日は学校に行ったら、しんどくなって誰かをたたいてしまうかもしれへん。行かへんほうがマシやと思う」ということを口に出します。

まだまだ長男にとって、毎日の登校は簡単なことではありません

人とあまり関わろうとしなかった姿勢が、先生には「おとなしい子」と映っていた幼稚園時代。

入学をきっかけに突如、攻撃的になった姿に、最初は大きなショックを受けましたが、そのおかげで、社会との関わり方が変わったという点では良かったです。発達の階段を一歩上がったな、と思えるようになりました。

長男には、「ほんまに大変なのはわかる気がする。だから何が何でも学校に時間通りいなければならないとは言わない。けど将来的には、みんなの間で過ごしても落ち着いていられるようになろう。

そのために学校という場を活用しよう。今は失敗してもいいからね」と話しています。
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