「1番がいい!」と子どもが泣くのは、なぜ?よくある3つの理由
ライター:松本太一
アナログゲーム療育アドバイザー松本太一です。 集団遊びや競技で、頑張って2番や3番を取れても、「どうしても1番じゃなきゃヤダ!!」と泣いたり暴れたりしてしまうのはなぜなのでしょう。考えられる原因と対策をまとめました。
執筆: 松本太一
アナログゲーム療育アドバイザー
放課後等デイサービスコンサルタント
NPO法人グッド・トイ委員会認定おもちゃインストラクター
東京学芸大学大学院障害児教育専攻卒業(教育学修士)
フリーランスの療育アドバイザー。カードゲームやボードゲームを用いて、発達障害のある子のコミュニケーション力を伸ばす「アナログゲーム療育」を開発。各地の療育機関や支援団体で、実践・研修を行っている。
放課後等デイサービスコンサルタント
NPO法人グッド・トイ委員会認定おもちゃインストラクター
東京学芸大学大学院障害児教育専攻卒業(教育学修士)
「1番じゃなきゃヤダ!!」一体何が原因?
ゲームや競争で負けて、悔しい思いをすることは、誰にでもあると思います。
しかし、勝敗や順位にこだわり、1番でなければ泣いて大騒ぎする子どももいます。中には1番になりたくてズルをしたり、1番になれないとわかると、ゲームや競争への参加を、拒否したりする子どももいます。
なぜここまで、子ども達は1番にこだわるのでしょうか?
頑張って2番や3番を取れても、「どうしても1番じゃなきゃヤダ!!」となってしまうのには、理由があります。
しかし、勝敗や順位にこだわり、1番でなければ泣いて大騒ぎする子どももいます。中には1番になりたくてズルをしたり、1番になれないとわかると、ゲームや競争への参加を、拒否したりする子どももいます。
なぜここまで、子ども達は1番にこだわるのでしょうか?
頑張って2番や3番を取れても、「どうしても1番じゃなきゃヤダ!!」となってしまうのには、理由があります。
原因① 数概念が発達していない
幼児~小学校低学年で「1番病」があるお子さんは、数を扱う認知能力が、充分発達していない場合が多いです。
例えば4人でゲームを遊んでいて、2番だったときに、「4人の中で2番は『半分より上』だから、どちらかといえば優れた成績だ」ということが理解できないことがあります。
そのため、わかりやすい1番に常にこだわってしまう、と考えられます。
例えば4人でゲームを遊んでいて、2番だったときに、「4人の中で2番は『半分より上』だから、どちらかといえば優れた成績だ」ということが理解できないことがあります。
そのため、わかりやすい1番に常にこだわってしまう、と考えられます。
原因② 最初から不安いっぱいで参加している
競争やゲームが始まる前から、不安な気持ちで参加し、1番になれなかったことがきっかけで、その気持ちが爆発してしまうことがあります。
この場合、原因は1番になれなかったというよりも、不安なまま参加してしまったことが大きいです。
例えば、よく知らない人たちに混じって、今までやったこともないような、競技やゲームに参加させられたら、お子さんは先の見通しがつかず、強い不安を持つことになります。
この場合、原因は1番になれなかったというよりも、不安なまま参加してしまったことが大きいです。
例えば、よく知らない人たちに混じって、今までやったこともないような、競技やゲームに参加させられたら、お子さんは先の見通しがつかず、強い不安を持つことになります。
原因③ 競争や勝負の経験が少ない
他者への関心が薄く、1人で過ごすことが多いお子さんの場合、そもそも他の子と競争や勝負をする経験が少なく、勝ったり負けたりすることに慣れていないことがあります。
また、過去にお子さんがトラブルを起こしたのを見て、親御さんが「ウチの子には勝負事をさせない」という方針でいるため、他の子と競った経験が少ない場合もあります。
こうしたお子さんの場合、年齢に関わらず、悔しい気持ちの処理の仕方を学んでおらず、泣いたり暴れたりする形でしか、自分の気持ちを表せないことがあります。
また、過去にお子さんがトラブルを起こしたのを見て、親御さんが「ウチの子には勝負事をさせない」という方針でいるため、他の子と競った経験が少ない場合もあります。
こうしたお子さんの場合、年齢に関わらず、悔しい気持ちの処理の仕方を学んでおらず、泣いたり暴れたりする形でしか、自分の気持ちを表せないことがあります。
そんな時はどうすればいい?お友達と遊ぶ前に、まずは親子で楽しむこと
上に挙げたような原因で「1番病」が起こっている、と考えられる場合、安心できる環境で、勝ち負けを繰り返し経験できることが大切です。
1つの方法として、簡単なゲームを親子で楽しむことから、始めてみると良いでしょう。数の理解に困難のあるお子さんの場合、その中で数を扱う練習ができると、なお良いですね。
1つの方法として、簡単なゲームを親子で楽しむことから、始めてみると良いでしょう。数の理解に困難のあるお子さんの場合、その中で数を扱う練習ができると、なお良いですね。
例えば、「雲の上のユニコーン」は、幼児から小学校低学年のお子さんまでが、ゲームを楽しみながら数の扱いを学ぶのに最適です。
基本のルールは、すごろくと同じですが、先にゴールしたら勝ちという訳ではなく、途中でもらえる宝石を、たくさん集めた人が勝ちです。
宝石は、ピンク色の宝石コマに止まったとき、宝石の数を決めるサイコロを振り、出た目の数だけもらえます。
このとき、「いくつ宝石をもらえるかな?」と問いかけて、正しい数の宝石をとってもらうことが、数の練習になります。
基本のルールは、すごろくと同じですが、先にゴールしたら勝ちという訳ではなく、途中でもらえる宝石を、たくさん集めた人が勝ちです。
宝石は、ピンク色の宝石コマに止まったとき、宝石の数を決めるサイコロを振り、出た目の数だけもらえます。
このとき、「いくつ宝石をもらえるかな?」と問いかけて、正しい数の宝石をとってもらうことが、数の練習になります。
親子で楽しめたら、友達も呼んでトライしてみよう
こうしたシンプルなゲームを、まずは親子2人で楽しみ、慣れてきたら友達も交え、遊べるようになると良いでしょう。
お子さんが何度もプレイして、よく知っているゲームであれば、先の見通しが立ちやすく安心してプレイできます。
そのため、1番になれなかったとしても、泣いたり暴れたりすることは少なくなるはずです。
お子さんが何度もプレイして、よく知っているゲームであれば、先の見通しが立ちやすく安心してプレイできます。
そのため、1番になれなかったとしても、泣いたり暴れたりすることは少なくなるはずです。
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