息子のパニックを止められるのは私だけ!過信した私が見失っていたもの

ライター:林真紀
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初めての場所で何をやらかすか分からない息子。大声をあげないか、周囲に迷惑をかけないか、パニックを起こしたら…と常に身構えてしまう私。息子にとって、そんな私の「監視の目」は、恐怖を感じるものだったのです。

パニックを起こしませんように…息子との外出は緊張しっぱなし!

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発達障害と診断の出ている6歳の息子にとって、「初めての場所」は1番緊張感の高まるシチュエーションです。

行動の見通しが立たない場所に突然連れて行かれると、パニックになって支離滅裂なことを言い出したり、大きな声をあげてその場にいる人たちを困らせたりしてしまうのです。

私はいつの間にか、息子を初めての場所に連れていくとき、とても緊張するようになりました。

「どうか大声をあげませんように…」
「走り回って収拾がつかないことになりませんように…」
「あの状況にパニックを起こすかもしれない、先に予告しておこうか…」

出かける前は、前日から様々な状況を考え、1人でうんうんと唸るのが常です。ですから、息子といざ外出する頃には、私は疲れ果てています。

目は血走り、緊張で汗ばんだ手で息子の手をぎゅうっと握っているような状態なのです。

周囲に迷惑をかけてはいけない…息子が失敗するたびについ手が出てしまう私

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ふと気付いたら、習い事や療育先でもつい先回りしていた私。
先日、公文に行った時のことです。

教室のドアを開けたとたんいつも騒ぐ息子に、
「ドアを開けたらしゃべらない、大声出さない、走らない。お約束だよ」と事前に言い聞かせました。

息子はパニックのとき、周囲のお友達から白い目で見られると、余計パニックがひどくなるので、教室に入っても落ち着いて過ごして欲しかったのです。

ところが、ドアを開けた瞬間キャーッと騒ぎ出す息子!とっさに止めに入ろうとしたら「お母さん大丈夫ですから!」と先生に止められてしまいました。

「そんなにしなくても大丈夫。私たち、プロですから」
「お母さん、ちょっと外に出ていて大丈夫ですよ。息子くんは落ち着いたらちゃんとできますよ。」

先生からはこう指摘されましたが、私は「息子が教室で騒ぎ、パニックになれば授業は進行できない。そうなればみんなの迷惑になる…。」という思いが拭えませんでした。

しかも、パニックになった息子を止められるのは私しかいない。みんなが授業に参加できるように私が動いているのだ、とすら思っていたのです。

正義感でいっぱいの私、息子を厳しく見つめる目は徐々に変化し…

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習い事や外出先でいつも息子の行動を監視していた私を見て、あるとき息子がいいました。

「お母さん、こっち見ないで」「見ないでってば!!」「こっち見るな!!!」と、パニックを起こすようになりました。なぜなのか本人に聞いてみると、「お母さんの目がどんどん怖くなる」と言うのです。

発達障害の子というのは、そもそも人の目を見ることがあまり好きではありません。

息子も、療育を受けるまではなかなか視線が合わず、今でも人の目を見るのが怖いために挨拶することが苦手です。そんな息子が「どんどん怖くなる」と言った私の目。

「息子がパニックになってしまったらどうしよう」「みんなに迷惑をかけたらどうしよう」と緊張するあまり、私の目は息子をじっと監視する目になっていたに違いありません。
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