聴覚障害のある子どもの進学先は?

聴覚障害があるときには、どのような場所で学ぶことができるのでしょうか。子どもの状況に応じて、必要な環境を柔軟に選択していくことが大切です。

この章では、それぞれの学び場の概要や特徴をご説明します。聞こえやコミュニケーションの程度と照らし合わせ比較しながら、子どもに適した進学先を検討してみましょう。

特別支援学校

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特別支援学校
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聴覚障害のある子どもが「自立」を目標とした教育をうけることができます。入学の際には、学校教育基本法の就学基準を満たしていることが条件です。

保護者の意向を尊重しながら、市町村の教育委員会が総合的な視点から判断して、本人の聴力レベルと、コミュニケーション能力、学力から総合的に判断されます。

学校教育法施行令第22条の3による、特別支援学校の聴覚障害者区分の就学基準は以下の通りです。
両耳の聴力レベルがおおむね六〇デシベル以上のもののうち、補聴器等の使用によつても通常の話声を解することが不可能又は著しく困難な程度のもの
引用:学校教育法施行令|e-GOV
出典:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=328CO0000000340_20230401_504CO0...
特別支援学校の授業には、国語や算数などの一般的な学習のほか、自立活動が時間割に取り入れられます。例えば、補聴器の取り扱いや音の聞き取り、語句・文・文章の意味理解やコミュニケーションの改善についてが自立活動の内容になります。

1クラス当たりの人数は平均で3人であり、少人数での教育が行われています。

特別支援学校への就学(入学・転校など)を検討している子どもや保護者に対して、見学や教育相談に対応している学校もあります。
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難聴特別支援学級

難聴特別支援学級
難聴特別支援学級
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聴覚障害によって通常学級での学習が困難な場合には「学習」を目的に聴覚の特別支援学級に通うことができます。就学ができる条件は、主として聞くこと・話すことに関わる特別な指導をすれば、通常の教育課程や指導方法によって学習が進められるような場合です。

難聴特別支援学級では、原則として小学校や中学校と同様の学習指導が行われます。それに加えて、必要に応じて、音の聞き取りや補聴器の扱いなどに関する自立活動が行われます。

聴覚の活用のためにオージオメータや集団補聴器、発音・発語指導のための音声直視装置などの機器が用意されていることがあります。

通級による指導

通級による指導
通級による指導
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「通級による指導」は、学校の通常学級に在籍している軽度の障害のある子どもに対して、決められた時間のみ、在籍する学級の授業の代わりに受けられる特別な指導のことです。聴覚障害のある子どもが通う通級は通称「きこえの教室」ともいわれています。

平均的には、週1~2回ほどで、1回あたり90分ほどの個別指導を行います。必要に応じて、グループでの指導も取り入れられます。

通級指導の先生は、子どもがよりよく通常学級に適応できるよう、連絡帳や連絡会を用いて、学級担任の先生方と密に連絡を取りあいます。

通常学級

聴覚障害の程度が軽度な場合や、その学校・学級で適切な配慮・支援を実施できる場合には、通常の学級で指導することが適当なことがあります。

聴覚障害のある子どもが通常学級で学習する場合には、聞こえの程度に合わせて教室内の音の環境や、座席の配置などに配慮をしてもらうことも重要です。

ここまで紹介した進学先を検討している場合は、学校の担任や特別支援教育コーディネーター、自治体の教育センターなどに相談するといいでしょう。

まとめ

ここでは、聴覚障害の原因、種類や障害の等級の判定、改善方法や、周りの人が気をつけておきたいことについて紹介しました。

聴覚に障害があると分かった場合には、できるだけ早くに治療、改善を行うことが大切です。聴覚障害は決して珍しいことではありません。

聴覚障害の子どもは、言葉を覚えるのに長い時間がかかる傾向があります。しかし、言葉を覚えさせようと急かすのではなく、子どもの成長の可能性を信じて待つことが、子どもの育ちを支えます。保護者や周りの大人が必要な配慮や工夫をしながら、子ども自身の持つ力を養っていくようにしましょう。
学校での教育もさまざまな選択肢があります。担任や特別支援教育コーディネーター、教育センターなどで相談しながら、子どもに最適な支援を検討することが大事です。
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