筋ジストロフィーに知的障害(知的発達症)は合併するの?

筋ジストロフィーの中のいくつかの種類には、知的障害(知的発達症)が見られることがあります。例えば、福山型先天性筋ジストロフィーには、比較的重度の知的障害を伴うことが多いことが分かっています。

知的障害の程度や困りごとは人によってさまざまです。お子さんが筋ジストロフィーを発症した場合は、学校の先生や医師と相談しながら、本人が快適に学習できる環境を整えていくことが大切でしょう。

筋ジストロフィー患者のための医療・福祉制度

医療費の助成

筋ジストロフィーが発症した場合、治療には多大な費用がかかります。その際に役に立つのが医療費の助成です。利用できる助成制度についてご紹介します。

・指定難病医療費助成制度
筋ジストロフィーは国の定める指定難病です。そのため、筋ジストロフィーであることを申請し、特定医療費(指定難病)受給者証が交付されれば、指定難病に対する支援を受けることができます。
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・小児慢性特定疾病医療費助成制度
18歳未満の児童を対象にした医療費助成制度として、国によって定められた疾患に対して医療費が助成されます。各型の筋ジストロフィーのうち7つの型の筋ジストロフィー、そしてそれに含まれない筋ジストロフィーが対象になっています(以下出典をご参照ください)。
出典:小児慢性特定疾病の対象疾病リスト|小児慢性特定疾病情報センター
https://www.shouman.jp/disease/search/disease_list
・自立支援医療(育成医療・更生医療)
身体に障害を抱えており、その症状が手術等の治療によって確実に改善されるという見込みがある場合に、医療費の自己負担額が補助されます。筋ジストロフィーがある人の身体介護サービスなどに適用されています。
  
・高額療養費の助成
高額療養費は、医療機関で払った額が1ヶ月間で一定額を超えていた場合、超過分の金額が支払われるというものです。年齢や所得によっても支給額が変動します。筋ジストロフィーがある人の入院や手術などに適応されます。
参考:患者の自立 筋ジストロフィー患者の事例から|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/cyousajigyou/dl/seikabutsu1-1.pdf
参考:高額療養費制度を利用される皆さまへ|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html

各種手当・福祉サービス

筋ジストロフィーの患者には、医療費の助成だけではなく、手当や貸し付け、障害の程度に応じた手帳交付等も充実しています。

・障害基礎年金
国民年金に加入している間に初めて医師の診療を受けており、障害等級1、2級の状態にある場合に支給されます。令和6年11月現在、1級は年額102万円+子の加算、2級は81万6000円+子の加算となっています。

・特別児童扶養手当
精神または身体に障害のある子どもを家庭において育てている方に支給される手当です。支給額は障害等級が1級の子どもに対して月5万5350円、2級の場合3万6863円となっています。(令和6年11月現在)所得に関する条件があるため、注意が必要です。
参考:障害基礎年金|日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html
参考:特別児童扶養手当について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jidou/huyou.html
これらの他にも、障害児福祉手当や障害児・者扶養救済制度、特別支援教育修学奨励費の支給等様々な手当があります。ご本人のご家庭の状況や症状の状態に合わせて、上手く利用していくとよいでしょう。

また筋ジストロフィーの患者を支援するものの中には、金銭面での支援だけではなく、日常生活用具の貸出や給付をするもの、日常生活の介助のサービス、各種割引の制度などもあります。さまざまなサービスを上手く使いながら、より負担の少ない生活を送りましょう

まとめ

筋ジストロフィーは、その種類から症状、治療法に至るまでさまざまです。根本的に病気を治す方法は今も研究途中ですが、医療やテクノロジーの発達、また手当などの制定によって、患者さんを支える幅広い選択肢とサポートはさらに広がってきています。

リハビリや薬物療法など専門家の協力を得ながら、多岐にわたる課題を日常生活を通じて少しでも緩和できるよう、取り組んでいけるとよいですね。
参考:日本筋ジストロフィー協会
http://www.jmda.or.jp/
参考文献:河原仁志/編著 『筋ジストロフィーってなあに?』 2008年 診断と治療社/刊
https://www.amazon.co.jp/dp/4787816438
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