子どもの行動観察によるアセスメント
子どもの臨床心理アセスメントの方法の一つとして、「行動観察」があります。行動観察の方法は、大きく分けて自然観察法と実験観察法の2つがあります。
・自然観察法
子どもの自然な姿を観察する方法です。例えば、スクールカウンセラーが学校でのお子さんの様子を観察する場合や、待合室での様子を観察する場合などが挙げられます。
・実験観察法
主に実験や研究で用いられ、目的に合わせて設定された状況下で子どもの行動を観察する方法です。例えば一定の時間子どもをグループで遊ばせて、その様子を観察することなどがあります。
小さいお子さんの場合は、遊戯療法室などで1人で遊んでいる様子を観察したり、親子や集団で遊んでいるところを観察したりすることもあります。お子さんの言動や表情、行動の前のきっかけや、後に何が起きたかなどを観察することで、行動の背景を推測する手掛かりにもなります。
またお子さん本人だけでなく、先生や保護者、一緒に遊ぶ友だちがどのように関わっているかという点も、大事な情報です。例えば先生がどのように指示を出しているか、お子さんの行動に対して周囲がどう反応しているかなどです。
行動観察により、子どもの発達状態や、対人コミュニケーション面の傾向、行動の傾向などの情報を得ることができるのです。
・自然観察法
子どもの自然な姿を観察する方法です。例えば、スクールカウンセラーが学校でのお子さんの様子を観察する場合や、待合室での様子を観察する場合などが挙げられます。
・実験観察法
主に実験や研究で用いられ、目的に合わせて設定された状況下で子どもの行動を観察する方法です。例えば一定の時間子どもをグループで遊ばせて、その様子を観察することなどがあります。
小さいお子さんの場合は、遊戯療法室などで1人で遊んでいる様子を観察したり、親子や集団で遊んでいるところを観察したりすることもあります。お子さんの言動や表情、行動の前のきっかけや、後に何が起きたかなどを観察することで、行動の背景を推測する手掛かりにもなります。
またお子さん本人だけでなく、先生や保護者、一緒に遊ぶ友だちがどのように関わっているかという点も、大事な情報です。例えば先生がどのように指示を出しているか、お子さんの行動に対して周囲がどう反応しているかなどです。
行動観察により、子どもの発達状態や、対人コミュニケーション面の傾向、行動の傾向などの情報を得ることができるのです。
カウンセラーと子どもの面接によるアセスメント
子どもの状態や特徴を把握する手段の一つとして、「面接法」も挙げられます。「面接法」は、カウンセラーが子どもや保護者と対面で話すことで情報を集める方法です。話している内容だけでなく、話し方、表情、身振り、視線、手足の動きなども、お子さんのことを把握し理解するための情報の一つになってきます。
面接では子どもが安心して話せる場であることが大切です。緊張を高めないように座る位置などの工夫がされています。例えばカウンセラーはお子さんの対面に座るのではなく、横並びや直角に座るなどの場合があります。
また保護者とも、今の困りごとや相談のきっかけ、お子さんの成育歴、さらに家族構成や病歴といった基本的な情報などを共有する場が設けられることが一般的です。
今後の支援や家庭でできること、地域の相談機関や支援機関などについても聞くことができます。心配な点があれば、面接の際に質問するとよいでしょう。
面接では子どもが安心して話せる場であることが大切です。緊張を高めないように座る位置などの工夫がされています。例えばカウンセラーはお子さんの対面に座るのではなく、横並びや直角に座るなどの場合があります。
また保護者とも、今の困りごとや相談のきっかけ、お子さんの成育歴、さらに家族構成や病歴といった基本的な情報などを共有する場が設けられることが一般的です。
今後の支援や家庭でできること、地域の相談機関や支援機関などについても聞くことができます。心配な点があれば、面接の際に質問するとよいでしょう。
知能検査などの検査によるアセスメント
ほかに子どもの臨床心理アセスメントに有用な方法としては、「検査法」が挙げられます。知能検査や発達検査など、標準化された心理検査を実施し、子どもの社会性や認知、言語などのさまざまな側面を把握していく方法です。目的に応じて、複数の検査を組み合わせて行う場合もあり、これを「テストバッテリー」と言います。しかしそれぞれの心理検査は、測定できる項目とそうでない項目があり、検査結果だけで子どもの特性を断定するものではありません。
これまで紹介した「行動観察」「面接法」「検査法」などを通して、包括的にアセスメントを行い、情報を集めていくことが大切です。
ここでは子どもが受ける検査の中でも、代表的なものをご紹介します。
これまで紹介した「行動観察」「面接法」「検査法」などを通して、包括的にアセスメントを行い、情報を集めていくことが大切です。
ここでは子どもが受ける検査の中でも、代表的なものをご紹介します。
知能検査
・ウェクスラー式知能検査
2歳6ヶ月~7歳3ヶ月までが対象の幼児用のWPPSI(通称ウィプシィ)、5歳0ヶ月~16歳11ヶ月までが対象となる児童版のWISC(通称ウィスク)、16歳0ヶ月~90歳11ヶ月までが対象となる成人用のWAIS(通称ウェイス)の3種類に分けられます。
同じ年齢の子と比べて知能が高いか低いかのみならず、子どもの知的発達の凸凹(個人内差)を知るために実施されることが多いのが特徴です。「得意を生かして、苦手をフォローするにはどうしたらいいのか」「特性を生かせるために、どんな環境を整えるべきか」など、学校や家庭での支援をブラッシュアップするための重要な情報となります。
知的障害(知的発達症)や発達障害の評価の一つとして用いられることもあります。ただ、知能検査のみで確定診断されることはありません。
2歳6ヶ月~7歳3ヶ月までが対象の幼児用のWPPSI(通称ウィプシィ)、5歳0ヶ月~16歳11ヶ月までが対象となる児童版のWISC(通称ウィスク)、16歳0ヶ月~90歳11ヶ月までが対象となる成人用のWAIS(通称ウェイス)の3種類に分けられます。
同じ年齢の子と比べて知能が高いか低いかのみならず、子どもの知的発達の凸凹(個人内差)を知るために実施されることが多いのが特徴です。「得意を生かして、苦手をフォローするにはどうしたらいいのか」「特性を生かせるために、どんな環境を整えるべきか」など、学校や家庭での支援をブラッシュアップするための重要な情報となります。
知的障害(知的発達症)や発達障害の評価の一つとして用いられることもあります。ただ、知能検査のみで確定診断されることはありません。
ウェクスラー式知能検査(WISC・WAIS)の内容や費用など【専門家監修】
・田中ビネー知能検査
対象年齢:2歳~成人検査
1947年に心理学者の田中寛一によって考案されたもので、日本人の文化や生活様式に即した内容が特徴です。子どもが興味を持てるように、検査に使われる道具も工夫されています。現在は、『田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)』が最新版です。
問題が年齢尺度で構成されているため通常の発達レベルと比較しやすい、各年齢でどの程度の課題ができているものかというイメージがつかみやすくトレーニングを検討する際の目安になる、実施の手順が分かりやすく簡単であることから子どもにとって精神的・身体的負担が少ない、といったポイントもあります。
対象年齢:2歳~成人検査
1947年に心理学者の田中寛一によって考案されたもので、日本人の文化や生活様式に即した内容が特徴です。子どもが興味を持てるように、検査に使われる道具も工夫されています。現在は、『田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)』が最新版です。
問題が年齢尺度で構成されているため通常の発達レベルと比較しやすい、各年齢でどの程度の課題ができているものかというイメージがつかみやすくトレーニングを検討する際の目安になる、実施の手順が分かりやすく簡単であることから子どもにとって精神的・身体的負担が少ない、といったポイントもあります。
田中ビネー知能検査、就学児版 田中ビネー知能検査について【専門家監修】
発達検査
・新版K式発達検査
対象年齢:生後100日後から成人
年齢において一般的と考えられる行動や反応と、対象児者の行動や反応が合致するかどうかを評価する検査です。検査は、「姿勢・運動」(P-M)、「認知・適応」(C-A)、「言語・社会」(L-S)の3領域について評価されます。
なお、3歳以上では「認知・適応」面、「言語・社会」面の検査に重点が置かれます。検査結果としては、この3領域の「発達指数」と「発達年齢」が分かります。
対象年齢:生後100日後から成人
年齢において一般的と考えられる行動や反応と、対象児者の行動や反応が合致するかどうかを評価する検査です。検査は、「姿勢・運動」(P-M)、「認知・適応」(C-A)、「言語・社会」(L-S)の3領域について評価されます。
なお、3歳以上では「認知・適応」面、「言語・社会」面の検査に重点が置かれます。検査結果としては、この3領域の「発達指数」と「発達年齢」が分かります。
新版K式発達検査について【専門家監修】
認知情報処理能力の検査
・K-ABC(KABC-Ⅱ)
対象年齢:2歳6ヶ月~18歳11ヶ月
K-ABC(Kaufman Assessment Battery for Children )は、アメリカの心理学者Kaufman, A.S.とKaufman, N.L.により作成されました。現在日本では、2013年に日本版として標準化されたKABC-Ⅱが最新版となっています。
子どもの知的能力を認知処理過程と知識・技能の習得度の両面から評価することが特徴の検査です。検査結果からその子どもが得意な認知処理様式を見つけ、それを実際の指導・教育に活かすことを目的としています。また、認知処理過程において継次処理(情報を順番に理解する認知特性)と同時処理(情報を全体的に捉える認知特性)、学習能力、計画能力の4つの能力から測定していることが特徴となります。
対象年齢:2歳6ヶ月~18歳11ヶ月
K-ABC(Kaufman Assessment Battery for Children )は、アメリカの心理学者Kaufman, A.S.とKaufman, N.L.により作成されました。現在日本では、2013年に日本版として標準化されたKABC-Ⅱが最新版となっています。
子どもの知的能力を認知処理過程と知識・技能の習得度の両面から評価することが特徴の検査です。検査結果からその子どもが得意な認知処理様式を見つけ、それを実際の指導・教育に活かすことを目的としています。また、認知処理過程において継次処理(情報を順番に理解する認知特性)と同時処理(情報を全体的に捉える認知特性)、学習能力、計画能力の4つの能力から測定していることが特徴となります。
このように子どもが受ける検査にはさまざまな種類があります。心理検査は検査によって分かることも異なるため、どの検査を受けるかは心理職などの専門家に相談するとよいでしょう。
知能検査とは?知能指数(IQ)や検査の種類、結果の活かし方など【専門家監修】
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