他人のイライラで自分がツライ!感情に呑まれやすい私が心に鎧をまとって生きていくには

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他人が怒っているとき、泣いているとき。その負の感情が自分の心にダイレクトに侵入してきてしまうことはありませんか。私はそれが当たり前のことだと思っていましたが、どうやら、みんながみんなその現象に困っているわけではないみたいなのです…。

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GreenDays
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娘の怒りに、私の心も縛られていて

アスペルガー症候群の診断を受けている9歳の娘は、幼い頃から身の回りで起きるあらゆることに「怒り」の感情を向けることがあります。

思い描いたとおりにことが進まない、自分の中のこだわりを壊される、モノの配置がいつもと違う、誰かがルールを守らない、など、思い当たることは枚挙にいとまがありません。私も同じ特性を持っていますので、娘の辛い気持ちは痛いほどわかります。

ただ、同じ特性を持っているからこそ、ひっきりなしに起こる娘のかんしゃくの相手をしてゆくことは非常に苦しく、厳しい精神状態に置かれていました。

私には、娘の負の感情がダイレクトにやってくるのです。娘が怒りをあらわした瞬間、私の心はどす黒い怒りの感情に埋め尽くされてしまいます。それは娘の怒りが鎮火するまで続き、私はずっと苦痛な状態を強いられることになるのです。

ただ最近では、アンガーマネジメントの本を娘と一緒に読むなどし解決法を模索したかいもあり、娘も怒りをある程度コントロールできるようになってきました。

それにともなって、私の心が娘の怒りに縛られることも減った昨今だった昨今。私は自分の姉とのやりとりで、衝撃的な事実を知ってしまったのです。

「他人の感情がそのまま入ってきて苦しい」のは私だけ!?

きっかけは、何気ない姉の一言でした。

「子供の怒りを見過ごすことができなくて、辛そうだね。私は子供が泣こうが怒ろうが、放っておけるから楽だけどな。」

「私も放っておいて自分で解決してくれたらなあと思うんだけど、その間、ずっと私の心も不快な状態が続くのに耐えられなくて。一刻でも早く解決して穏やかな時間を過ごしたいじゃない?」

「え?たとえ子供であっても、他人の感情は他人の感情でしょ?泣いてても怒ってても『泣いてるな』『怒ってるな』『どうしたのかな』とは思うけど、自分の心とは直接関係ないんじゃない?」

私「えええ!?そうなの!?」

私はこのとき初めて、「他人の感情がそのまま入ってくる」ということが、みんながみんな経験していることではないと気づいたのです。

自分とは関係のない赤の他人であっても、叱られている人を見かければ哀しい、悔しい、恥ずかしい感情が、怒っている人を見ればその人のどす黒い感情が、泣いている人を見れば深く切ない思いが、自分の中にダイレクトに押し寄せてくる。そして何とかしなければと焦る。

そんな感情の共鳴が起こるのは「みんな同じ」だと思い込んでいたのです。

突然心に入り込んでくる様々な感情を、みんな涼しい顔をしてやり過ごしていると思っていたのに、そうじゃなかった。それができない自分を出来損ないだと思っていたのに、もしかしてそうじゃなかったの?

なんてこと。なんてことなの!?

原因は「自分と他人との境界膜の薄さ」だった!?

呆然した私に、偶然ある本のタイトルが目に入りました。それは『敏感すぎて困っている自分の対処法』という本。
敏感すぎて困っている自分の対処法
苑田 純子 (著),‎ 浜松医科大学名誉教授 高田 明和 (監修),‎ 高橋 敦(マンガ) (イラスト)
きこ書房
この本では、他人の感情に敏感すぎる人の心身の不調について、なぜそのようなことが起こるのかが丁寧に読み解かれています。敏感な人というのは、他人との「境界膜が薄い」と表現されており、人の気持ちや体調をより強く感じ取ってしまうので、他人に左右されやすいというのです。

人はそれぞれ他人との境界膜、いわば鎧のようなものに覆われている、と想像してみてください。それがレースのカーテンのように薄いものあのか、頑強な分厚い金属のようなものでできているのかによって、人生が大きく変わってくることでしょう。

私はおそらくレースのカーテンのような薄い境界膜しか持っていないがために、他人の負の感情にあっさりと侵入され、それがまるで自分の感情であるかのように苦しくなり疲れてしまうのだと思います。

他人の感情だけでなく、周囲への影響を考え過ぎて自分の意見を言うことができなかったりするのも、この境界膜の薄さからくるものだと考えれば、さらに自分自身に納得がいくのです。
発達障害の特性の中にも、「自他との境界が曖昧」というものがあります。

息子の場合、他の子が怒られていると自分が怒られていると思って怖くなり、どれだけ怒られないように努力をしても恐怖から逃れられず幼稚園に行けなくなったという行動も、おそらくこういった境界膜の薄さなのでしょう。
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自分なりの鎧をまとって生きていくために必要なこと

境界膜という概念を知ってから、私は周囲の人がどのような境界膜をまとって生きているのかを考えてみるのがとても楽しくなりました。

いつも強くて自分の意志を貫くあの人は鉄の鎧を、自己主張は激しいのに少しでも否定されるとボロボロと崩れてしまうあの人はガラスの鎧をまとって生きているのかも知れないなと思うと、その人となりをより深く知ることができるような気がします。

そして何より、自分自身や子供が穏やかに過ごしていくための大きなヒントとなりました。

私たちはおそらく、周囲の人よりも薄くて脆い鎧をまとって生きている。

まず、それを認識することで、人が苦しいと思わない場面でも苦しくなってしまうのは、努力が足りないわけでも出来損ないなのでもなく、ただ身にまとっている鎧の薄さによるためだと客観的に捉えることができます。
そして、自己肯定感を下げる機会を減らせるようになりました。

また、薄い鎧で生き抜いていくためには何が必要かを考えることで、生活は少しずつ楽になっていきました。

大きな音が苦手なら、イヤーマフやウォークマンを装備して町に出かける。
心が乱された時には自分の殻に閉じこもれるように、過集中気味になれる本や動画を見るアイテムを常備しておく。
負の感情をまとっている人がいれば、一目散に逃げる。
「こいつなら自由にコントロールできる」と嬉々として近寄ってくる相手からも、全力で逃げる。
負の感情に侵入されたら、一呼吸置いて「これは私の感情ではない」と自分に言い聞かせてみる。

自分を知り、身の丈に合ったサバイバル術を身につけていくことで、きっと今よりもずっと生きやすくなるはずです。

また、マイナス面ばかりに目を向けるのではなく、他人の喜びも心から一緒に分かち合える、誰かがハッピーだと自分にもハッピーが伝染してくる、というプラス面も確かにあると思うのです。

まず、ご自身がどのような鎧を身につけて生きているのかを想像してみませんか?

そして、子どもは自分とどう違うのか、どのようなサバイバル術を必要としているのか、ゆっくりと観察しながら想像してみてください。「どうしてこの子は○○なの!?」と頭を悩ませている問題の、解決の糸口が見つかるかもしれませんよ。
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