自分なりの鎧をまとって生きていくために必要なこと

境界膜という概念を知ってから、私は周囲の人がどのような境界膜をまとって生きているのかを考えてみるのがとても楽しくなりました。

いつも強くて自分の意志を貫くあの人は鉄の鎧を、自己主張は激しいのに少しでも否定されるとボロボロと崩れてしまうあの人はガラスの鎧をまとって生きているのかも知れないなと思うと、その人となりをより深く知ることができるような気がします。

そして何より、自分自身や子供が穏やかに過ごしていくための大きなヒントとなりました。

私たちはおそらく、周囲の人よりも薄くて脆い鎧をまとって生きている。

まず、それを認識することで、人が苦しいと思わない場面でも苦しくなってしまうのは、努力が足りないわけでも出来損ないなのでもなく、ただ身にまとっている鎧の薄さによるためだと客観的に捉えることができます。
そして、自己肯定感を下げる機会を減らせるようになりました。

また、薄い鎧で生き抜いていくためには何が必要かを考えることで、生活は少しずつ楽になっていきました。

大きな音が苦手なら、イヤーマフやウォークマンを装備して町に出かける。
心が乱された時には自分の殻に閉じこもれるように、過集中気味になれる本や動画を見るアイテムを常備しておく。
負の感情をまとっている人がいれば、一目散に逃げる。
「こいつなら自由にコントロールできる」と嬉々として近寄ってくる相手からも、全力で逃げる。
負の感情に侵入されたら、一呼吸置いて「これは私の感情ではない」と自分に言い聞かせてみる。

自分を知り、身の丈に合ったサバイバル術を身につけていくことで、きっと今よりもずっと生きやすくなるはずです。

また、マイナス面ばかりに目を向けるのではなく、他人の喜びも心から一緒に分かち合える、誰かがハッピーだと自分にもハッピーが伝染してくる、というプラス面も確かにあると思うのです。

まず、ご自身がどのような鎧を身につけて生きているのかを想像してみませんか?

そして、子どもは自分とどう違うのか、どのようなサバイバル術を必要としているのか、ゆっくりと観察しながら想像してみてください。「どうしてこの子は○○なの!?」と頭を悩ませている問題の、解決の糸口が見つかるかもしれませんよ。
「完璧な世界」が崩れるのが我慢できない!憤る娘と交わしたシンプルな約束とはのタイトル画像

「完璧な世界」が崩れるのが我慢できない!憤る娘と交わしたシンプルな約束とは

自分の「理想」を押し付けてしまうアスペルガーの娘とお話したことのタイトル画像

自分の「理想」を押し付けてしまうアスペルガーの娘とお話したこと

療育支援探しバナー

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。