進学先探し――福祉併用のF学院へ

日常生活では特別支援学級へ入級し、環境の変化の中で少しずつ成長をしていた娘。中学卒業後の進路についても、学校探しは引き続き行っていました。私は特別支援学級の先生に教えてもらったF学院に見学に行きました。

F学院は、過去に特別支援学級の卒業生も進学したことがある学校です。見学に行ってみるとそこはそれまで私が見たことがなかった形態の学校でした。

社会福祉法人が運営するその学校は、軽度障害のある生徒を対象に高等学校卒業資格取得を支援する“社会福祉制度併用の”高等学院でした。生徒は午前中は社会や国語、数学や英語などの授業を受け、午後は近隣の福祉施設を利用したスポーツやSST(ソーシャルスキルトレーニング)などを通じた自立訓練を行います。同じ建物の中に厨房や作業所もあり、就労移行支援の事業所や、自立訓練を行う自立センターなども併設されています。

社会福祉制度を併用するので、F学院のサービスを受けるためには障害者手帳または障害福祉サービス受給者証が必要となります。グループホームなどの障害児・者に対してさまざまな事業を展開している社会福祉法人が運営するこの学校は、自立支援を主な柱としつつ、高校卒業資格習得を希望する保護者のニーズも満たしていました。また学校名に「学院」を入れることで技能教育施設であっても、生徒の多くが望む「学校らしさ」を感じさせる配慮もありました。

私が見学した当時、この学校はビルの中にあり(2015年に新校舎が完成しています)「学校」というより「事務所」「作業所」といった雰囲気を強く感じました。また訓練ベースのイメージが強く、学生生活を満喫し友達と楽しく過ごしたいと考えている娘の希望には合いませんでした。

それでも、教育現場を経験したスタッフが考えたシステムというだけあって、とても画期的で興味深い学校でした。また、学校の良いところばかりでなく、その時点での学校の課題なども先生自らが語る誠実な様子にとても好感が持てました。
参考:障害福祉サービスについて | 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/naiyou.html

最重要ポイントはやはり…

娘が通っていた、NPO法人運営の学習支援や余暇教室には、今まで見学に行った学校に実際通っている生徒もいました。彼らからのクチコミはリアルかつタイムリーです。

「今年、先生が変わって学校の雰囲気が違ってきた」
「去年は倍率が高かったのに、今年は定員割れらしい」
それら生の情報に、娘は少なからず影響を受けました。

中3になった娘は、波長の合う1つ年上の特別支援学級の先輩が入学した特別支援学校を第1志望に、過去に見学したことのある単位制高校を第2志望に決めました。(この時期までに娘は療育手帳も取得していました。)

中学を選ぶ時もそうでしたが、娘にとって進路選びの最重要ポイントはやはり「人とのつながり」でした。

合格した時はとても喜んでいたけれど

娘は、第1志望の特別支援学校に入学することができました。合格通知を受け取ったとき、娘はとても喜びました。

入学後、先輩たちと遊びに行ったりと学生生活を楽しんでいた娘。でもしばらくするとさまざまなことが起こり、娘が「学校に行きたくない」「学校やめたい」と荒れたことは一度や二度ではありませんでした。親や先生が娘に求めるものと、自分のしたいこととのギャップに苦しんだり、自らが思い描くように上手くできない自分に対してイライラしたり…。理想と現実の差に悩むことは精神的成長の証でもありますが、娘はこの時期、本当によく親や先生に反抗しました。「周りの大人は自分の将来を思ってそう言っている。それは分かっているけれどやりたくない。」そんな思いが娘の悩みを更に深くしているようでした。
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