自然と落ち着いていった癇癪。

そんな考え方をするようにしてから、娘も、少しずつ…少しずつ変わっていき、癇癪を起こす頻度が減っていきました。回数も減りましたが、癇癪の起こし方も、年々パワーダウンしていきました。
2歳から10歳(現在)までの、あーさんの癇癪の様子
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特に、ここ最近は、奇声がなくなり、癇癪と言っていいのか?というほど、静かになりました。ただ、パニックになることはまだよくあり、すぐ泣いてしまうのは相変わらずです。

しかし私は、それをゼロにしたいという思いは、今もありません。つい先日も、弟にゲームを取られ、大泣きしていましたが…
弟にゲームを取られて大泣きするあーさん、「泣きたいならいいよ、お話ししたいならするけど?」と言うと自分で切り替えるあーさん
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「小学5年生なのに、そんなことで泣くな!」とはあまり思いません。

私とのやり取りは、こういう淡々とした姿勢の方がうまくいき、夫との場合…
父とあーさんの会話。「おもしろいよ」と言うと、笑顔のやりとりになる二人
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二人で爆笑して終わる…という感じです。

特別なことは何もしなかった。

今振り返っても、なにか特別よかったという対応や、劇的に効果があった対策というものは、思い当たりません。

ただうちの場合は、癇癪を起こしている娘を否定しないという姿勢は、ずっと同じでした。
会話がほとんど成立しなかった4歳ごろまでは、ひたすら癇癪が収まるのを待ち…少しずつ会話ができるようになった5歳からは、なぜ悲しいかを聞き、共感し、どうしたらいいか、納得する答えを一緒に考えました。

そして、10歳になったころからは、反抗期・思春期に入ったため、私たちの話をほとんど聞いてくれなくなったこともあり、発達外来の先生のアドバイスに従い、「泣いてもいいけど、あとは自己判断で、自己責任で」という対応にしています。(これが今の娘には、合っていたようでした)

この記事を書くにあたって、娘と癇癪について話をしてみたら…
癇癪についてあーさんに聞くと、「私がめちゃ泣いて~パニックになるやつね!」と客観的に答える
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自分のことではないように、客観的に答えていました。しかし私は、娘がそうやって癇癪について、パニックについて、自分の状況の話ができるというのは、その状態の自分に罪悪感を抱かず、自分を責めていないからだと感じ、安心しました。

自分のことを客観的に見ることができたり、そんな自分が嫌いじゃないというのは、きっとこれから生きていく上で、大事なこと。みんなと同じような、年相応の対応ができなくても、癇癪を起こしても、少し幼くても、娘は娘。

いつか、大人になって一人で生きていけるようになる、その日まで…私は娘と一緒に、頑張っていきたいと思います。
執筆/SAKURA
(監修:初川先生より)
癇癪についてのこれまでの歴史をありがとうございます。発達支援センターの方のご助言にもあるように「待つ」はとても大事な支援です。癇癪を起こしているときに、一生懸命良かれと思って語りかけても、それが自分にとって大切な語りであると認識できるようになるまでは、残念ながら火に油を注ぐ行動でしかありません。まずは火の勢いが小さくなるのを待つ、気を紛らす関わりができるならしてみる、というところです。

大人の話が多少理解できるようになってからは、気持ちを言語化してみる(「悲しいね」「つらいね」など)、説得してみる、交渉してみるといった方法が少しずつ選択肢として浮上します。しかし、これは本当に個人差の大きいことなので、お子さんがそれを受け止められる段階がいつ来るか、それまでは成長を待つしかない面があります。

癇癪を起こされたら困るから行動を制限する(ママ友さんの誘いを断るなど)気持ちも生じますよね。実際癇癪が起きたときにそばにいる家族には心身ともに大きな負担がかかってしまいますね。ただ、そこで外出しなくなってしまったり、ほかのお友達との関わりが減ってしまったりすることは、課題を先延ばしにしている面もあります。そういう意味で、癇癪を起こしても大丈夫なシチュエーションで外に連れだすという方法を検討されたのは何よりです。そして、心持ちとしても、「癇癪は仕方ない」「癇癪を起こしてもいい」と思えたこと、大きなターニングポイントとなられたことでしょう。できていないことをなんとかするだけを考えていると、そこにばかり注意が向いてしまい、大人の側がつらくなりますね。今すぐにはできないかもしれないけれど、少しずつ成長するのだと、どーんと構えられたこと、きっとあーさんにも安心感として伝わっていたと思います。
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