発達障害の娘、幼稚園探しは居場所を見つける道でもあった――慣れない土地、「プレ幼稚園」での出会いから

ライター:荒木まち子
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幼稚園は、3歳児(年少クラス)から通うことが多いですが、園によっては入園前に子どもや親が幼稚園の雰囲気を知るために「プレ幼稚園」(「プレ保育」「未就園児クラス」とも呼ばれています)を設けている場合があります。居場所を求めて近所の公園を転々としていた未就園児時代を振り返って。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

未就園児の子育て。居場所を求めて

私は結婚してすぐに夫の転勤で生まれ育った地域から遠方に引っ越しました。
そのため、初めての子育ては、周りに知り合いがいない中でのスタートでした。

同世代の子どもを持つ友達が欲しくて、私は自治体主催の赤ちゃん広場に行ったり、歩いて行ける範囲の公園を一日に何ヶ所もはしごしたりしました。

娘がほかの子とうまく遊ぶことができず、落ち込んだり悩んだりすることはしょっちゅうでしたが、それでも通い続けるうちに顔なじみのママ友もできました。

土地勘がなかった私にとってそこで得る情報はとても貴重なものでした。

ママ友に誘われ

私は公園で知合ったママ友に誘われて近隣の幼稚園主催の2歳児を対象とした「プレ幼稚園」に参加することにしました。

それまでもママ友に誘われて幼児サークルや音楽教室などを体験したことはあったのですが、どれも娘には“早すぎた”ようで、楽しむことはできませんでした。

月二回療育センターでの親子教室にも通っていましたが、それでも未就園児と二人きりの時間を持て余していた私は“ダメもと”でプレ幼稚園に参加してみることにしたのです。

プレ幼稚園とは

プレ幼稚園の活動内容はさまざまで、日数や時間、費用も園によって異なります(無料のところもあります)。
同年齢の子どもを持つ親同士が知り合いになり、育児の不安や悩みをお互いに話したり、情報交換ができたりするので地域の子育て支援の一環として開催しているところもあります。

参加したからといってその幼稚園に入園しなければならないという決まりはありませんが、優先的に入園できるケースもあります。

幼稚園にそれぞれ特色があるように、プレ幼稚園にもさまざまなタイプがあります。
手あそびや体操、絵本の読み聞かせなどをするところや、在園児と一緒に季節の行事に参加するところ。親子同伴型もあれば、子どもとは別の場所で保護者が交流する場合もあります。

私は娘と一緒に楽しく過ごしたかったので、親子同伴型で自由度が高いところに申し込みをしました。

情報通のママ友(笑)いわく、そのプレ幼稚園は「子どもを別の幼稚園に通わせる予定の親も、プレだけはそこに行きたがる」「順番待ちが出るほど人気がある」とのことでした。確かに申し込みをしたときは順番待ちでしたが、しばらくすると空きが出て、私たち親子は想定よりも早く参加ができました。
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