感覚鈍麻がある子どもの学習の悩み

感覚が過敏なこととは反対に、感覚が鈍すぎる鈍麻している場合もあります。たとえば、暑い日なのに厚手のジャケットをそのまま着てしまう、熱いものに触れているのに気づかないでやけどするといったことがあります。
感覚を求めて体を動かしてしまう
感覚を求める傾向が強いために、授業中に体を揺らしたり動かしたり、じっとしていられない、離席が多いなど、集中して学習に取り組めない状態となることがあります。

>解決策 例えば、噛めるもの・握れるものといった道具を使ったり、人工芝のついた足置きを使ったり、椅子をバランスボールにしたり、といった感覚を取り込める環境を作ることが解決策となります。それでも難しい場合は、席を教室の後ろのほうにして、動くことを許容する環境を作ってあげても良いでしょう。
机や棚によく身体をぶつける
自分の体の大きさや、感覚を捉えにくいために、歩いているときに机や棚などに体をぶつけやすい場合があります。

>解決策 体のイメージがうまく捉えられない場合、たとえば狭い隙間やトンネルをくぐるような、体の大きさを意識できるような遊びにチャレンジすることで、発達を促すことができます。

暑いか寒いかの判断が難しかったり、痛みに対して感覚が鈍かったりする
暑いのに長袖で熱中症、寒いのに半そでで体調不良を起こしてしまう場合があります。また、発熱しているのに元気に走り回ったり、怪我をしているのに平気な様子が見られることなどがあります。

>解決策 「熱いから素手で持たないでね」「寒いから上着を着てね」など、言葉や態度で感覚のフィードバックをしましょう。特に危ないものに対しては視覚的に危険だと示す対応をすることで危険を防ぐことができます(「さわらない」の看板の掲示など)。
文字や絵をうまく書けない
鉛筆から指先に伝わってくる感覚をうまく処理できないなどが原因で、文字や絵などがうまく書けないことがあります。

>解決策 文字を書くときに、鉛筆が紙に触れている感覚が分かりやすくなるように表面がザラザラした下敷きや紙やすりなどを紙の下に敷くという方法があります。

音に対する反応性が低い
人からの声かけに気づきにくい子どももいます。聞き取ることがむずかしいために、忘れ物が多くなったり、お友達の声かけに気づかずに、トラブルになったりするケースがあります。

>解決策 たとえば、肩を叩く、目の前に立って目を合わせるなど、注意を向けてから話しかけることで改善することがあります。また、口頭だけではなく、紙に書くなど視覚情報も合わせて伝えるとより伝わりやすいです。

まとめ

子どもが学習に集中できないとき、表面的には分かりにくい原因があるのかもしれません。それが感覚に関連する場合、原因が分かれば対処できることがたくさんあります。子どもの様子を観察したり、原因がどこにあるのかを一緒に考えたりするところから始めてみてください。子どもが「何が苦手なのか」「どんなときにつらいのか、楽しいのか」などを知ることで、学習に取り組みやすくなる解決策が見つかるかもしれません。

状況によっては家庭内での対応だけではなく、学校に合理的配慮を申し出ることもひとつの選択肢です。適切な情報を伝えることは子ども自身の助けになるだけでなく、学校側が子どもを理解する手立てとなります。まずは担任の先生と相談することから始めてみましょう。
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