ゲーム・スマホばかりで親を無視!ADHD中学生が「やるべきこと」をできるよう促すコツとはーー臨床心理士の視点から【マンガ専門家体験談】

ライター:専門家体験談
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専門家の先生がみてきたお子さんのエピソードをもとに、分かりやすくマンガ化してお届けする新企画。今回は、ADHD(注意欠如・多動症)のある中学生のお子さんに関する「家庭での悩み」エピソードをお届けします。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

ゲーム・スマホに夢中で親の声が届かない!ADHDのある子ども

発達障害の専門家が出会った子どもたちの抱えていたリアルな「困った!」をもとに、子どもたちの状況を変えた対応策などをドキュメントタッチで解説します。今回は、ゲームやスマホに夢中で親の声が耳に入らない、生活が整わないADHD(注意欠如・多動症)のある子どものエピソードです。
ADHDのある中学1年生のわが子。帰宅するとすぐにゲーム、スマホで、保護者が声をかけても答えず、自室に閉じこもってしまう
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臨床心理士のものを訪れた母。「ゲームをしていないときに話し合いをする」「ゲームをする時間を本人に決めさせる」「お手伝いも片づけもスモールステップで」とアドバイスをする
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臨床心理士のアドバイスをもとに、ADHDのあるわが子に話しかける母。「自分で決めたことだから」と少しずつ取り組めるようになっていった
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マンガ/NEGI

解説:本人に決めさせることやスモールステップを意識ーー子どもとの関わり方で大切なポイント

今回は、ADHD(注意欠如・多動症)のある中学生のお子さんに関する「家庭での悩み」エピソードをもとにマンガ化してお届けしました。学校から帰宅すると、ゲームやスマートフォンが手放せず、宿題やお手伝いなどやるべきことができていなかったり、生活リズムが乱れてしまったりしているお子さんも多いことと思います。

今回のように、ゲームやスマートフォン中に声かけをしても無視されてしまう、機嫌を悪くして自室に戻ってしまう場合、次のポイントを押さえて関わることをおすすめします。

1.ゲームやスマートフォン中は指示が入りにくいので、それ以外のタイミングで話し合うようにする
お子さんが何のゲームをしているのかをまず知ることが大事です。好きなゲームについての話にも付き合ってあげる、そのゲームの良さなども共通理解しておくことが話し合いの前提となります。

2.ゲームをする時間を本人に決めさせて、しっかり約束をする
親がしてほしい時間と本人がしたい時間にかなりのギャップがあることが多いと思います。1である程度のゲームに対する共通理解をしておき、それを前提に時間帯やしてよい時間について約束をしていきましょう。一度決めた約束は、その場の気分やノリで変えるのではなく、例えば3日間など最初は短めの期間を決めて実行し、期間ごとに見直すようにしていくと良いでしょう。

3.お手伝いはスモールステップで取り組めるように提案し、ちゃんとできたらお小遣いをプラスするなども一つの方法
学校の勉強やお手伝いなど身の回りのことを一度にやらせようとしても、うまくいかない場合もあります。そのときは、本人の取り組みやすい活動に絞って、例えばお小遣い制度を連動させることでやる気を引き出すのも一案です。
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