発達特性のある子どもの就学の悩み。「こうしたら良かった」「こうして良かった」リアルな体験談・アンケート結果も大公開【発達ナビ大賞】

ライター:発達ナビ【編集部Eye】
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発達ナビ大賞「発達ナビ・わが子の就学、こうしておけば良かった・こうして良かった!」エピソードに、たくさんのご応募ありがとうございました!発達ナビ会員のみなさんからお寄せいただいた中から、印象的だった5つのエピソードを発達ナビ編集部が選びました。

目次

発達ナビ大賞へのご応募ありがとうございました!

新学期が始まり、環境の変化で不安定になっているお子さんもいらっしゃる時期かと思います。特にこの春、小学校に入学した新1年生の保護者の方々は、これまでお子さんの就学先についてたくさん悩み、いまも不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。就学先選びについて、多くの方からお寄せいただいたエピソードの中から、印象的だった5つのエピソードを発達ナビ編集部が選びました。どんな就学先を選んだのか、気になるアンケート結果も発表いたします。また、あわせてお読みいただきたいコラムもご紹介します!
※LITALICO発達ナビ「みんなのアンケート」にてご応募をいただいたエピソードについては上記より遷移し、ご覧いただけます

通常学級、通級利用、特別支援学級…進学先はどこを選んでいる?

今回発達ナビでは、お子さんの就学先として選んだ進路についてアンケートを取りました。
発達ナビで実施したアンケート結果。発達に特性のある子どもを持つ保護者が選んだ就学先は、通常学級(通級含む)が50%、特別支援学級が40%、特別支援学校が5%、フリースクール2%、その他2%となった。
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結果は通常学級(通級含む)が50%、特別支援学級が40%、特別支援学校が5%、フリースクール2%、その他2%となりました。以前発達ナビニュースでも取り上げましたが、「通常学級在籍の小中学生の8.8%に発達の特性がある」という2022年の文部科学省の調査結果が示す通り、発達に特性がある多くの子どもたちが、通常学級(通級含む)に在籍している状況が分かりました。
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通常学級在籍の小中学生の8.8%に発達の特性がある--文科省報告

続いて、お子さんの就学先選びについてお寄せいただいたエピソードをご紹介していきます。

違和感を感じるも、学区の小学校に特別支援学級がなく通常学級に進学…

現在中1の息子のことです。幼稚園での様子を見ていて「ちょっとほかの子どもと違う?」と感じるところがありましたが、幼稚園の先生に何も言われなかったのと、学区の小学校に特別支援学級がなかったので、学区の小学校の通常学級に入りました。
小2の冬に不登校になったことから、小3のときにWISCを受けました。その結果から通級を勧められて週1回通級を利用するようになりました。小5になるときに弟が入学し、学校には特別支援学級ができました。その年のコロナ休校明けに再び不登校になりました。弟も兄を追うように不登校になったのでメンタルクリニックを受診。二人とも「診断をつけるならASD」とのことでした。その後、特別支援学級に抵抗のなかった弟を校内で転籍させました。

兄は特別支援学級ができた当初「あそこは保育園」と言っていましたが、卒業間際、弟が過ごす特別支援学級を見て「おれも初めからこのクラスならよかった」と言いました。
違和感を無視しないで、学区を越えてでも入学のときから特別支援学級に入れた方がよかったのかな、と考えさせられる出来事でした。

(ひろとしさん、通常学級)

編集部より

ご長男・ご次男共に不登校を経験し、ご長男については「就学時から学区を越えて特別支援学級に入れたほうが良かったのかも…」と思っていらっしゃるひろとしさん。特別支援学級の設置状況は地域によって大きく異なり、特別支援学級がないという学校も多く存在しています。そして、たとえ就学予定の学校に特別支援学級があったとしても、ひろとしさんのお子さんのように、子ども自身が途中からの転籍を拒む場合もあり、在籍クラスをどうするか決断するのは難しいものです。

発達ナビに寄せられた会員のみなさんの体験談コラムから、学校の環境が合わず、発達障害のある息子さんがストレスから体調を崩してしまったことがきっかけで、息子さんの特性を受け止め、しっかりと向き合うようになったというエピソードをご紹介します。誰にも正解は分からないものですが、問題にしっかりと向き合い前へ進んでいらっしゃる様子に、励まされる方も多いのではないでしょうか。
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3歳で自閉症疑い、6歳でADHDと診断されて。多動や他害、ストレスで持病悪化…学校に居場所がなかった息子、小6になった今はーーユーザー体験談

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おとなしい子は「通常学級」判定!?入学後登校渋りに

長男…通常学級入学、1ヵ月で登校渋り。
通級に行きはじめて、小3まで順調に見えたものの、小4になってすぐ不登校。特別支援学級に移って、登校できるようになり、表情も良くなってきました。

次男…入学時から特別支援学級で、課題はあるものの順調に成長しているようです。
大人があまり困らないおとなしい子は、通常学級判定になってしまう。通常学級で一度傷ついてしまうと、その後まっすぐ成長するのが難しい。学校と支援の話をするのにも、幼少期から、医療福祉その他繋がりを持つことが大切だと思いました。いろいろあった長男は、今もいろいろありますが、本当にたくさんの方に支えられて、今は特別支援学級で頑張っています。

(ゆみこさん、特別支援学級)

編集部より

大人にとって手のかからない子どもは、困っていることに気づかれにくいという話をよく耳にします。今は医療や福祉の支援に繋がり、特別支援学級で頑張っているというゆみこさんの息子さん。発達ナビライター・吉田いらこさんの娘ゆいちゃんも、おとなしいタイプで、小学5年生になるまで障害に気づかなかったそうです。吉田さんの「療育に早く繋げられなかった」という後悔、そして周囲の「どうして気づかなかったの?」という何気ない声に傷ついたというエピソードに寄せられた、臨床心理士の初川先生からの温かなアドバイスも、ぜひご覧ください。
「小5まで障害に気づけなかった」私は保護者失格?療育につなげられなかった母の後悔、軽度知的障害、ASD、場面緘黙のある娘とのこれから【専門家によるアドバイスも】のタイトル画像

「小5まで障害に気づけなかった」私は保護者失格?療育につなげられなかった母の後悔、軽度知的障害、ASD、場面緘黙のある娘とのこれから【専門家によるアドバイスも】

多動ありの新1年生。情緒学級がなく通常学級(通級)に就学で不安…

4月から小1です。多動です。
情緒学級のない地域。就学相談では、知的障害なしという事で通常学級を勧められましたが、なんとか通級をお願いしました。
就学校の校長先生からは、子どもの様子を見て保護者付き添いをと言われました。4月から私も一緒に通います。
今年に入ってから内服も始めましたが余計に酷くなる一方で、行きしぶりもあり…特別支援学級を強く希望すれば良かったです(療育の先生や医師からは通級を勧められて、それで何とかなると思ってしまって)。
不安しかありません。
不登校になる気しかしません。


(AAAさん、通常学級(通級))

編集部より

今まさに大きな不安を抱えていらっしゃるAAAさん。ついこの前まで保育園・幼稚園に通っていた子どもが、小学校の通常学級でやっていけるのか…とても心配になりますね。発達ナビライターの荒木まち子さんも、発達障害のある娘さんの小学校入学と引越し・妊娠の時期が重なり、思うように身動きが取れない状況になってしまったと言います。当時のことを振り返り、つらいこと、大変なことがさまざま重なった中、23年の子育てのご経験から今感じることをコラムに書いてくださいました。
また、つらいとき心の支えになった仲間の存在も大きかったと言います。荒木さんの「いま子育てに悩み苦しんでいる保護者さんにも、ぜひまず『動いてみてほしい』」というメッセージが、心に沁みます!

就学準備は年中から。入学までほぼ月一回小学校に!

年中から通い始めた児童福祉センターの療育(併行通園)で、動くなら早い方が良いと言われ、講演会などに積極的に参加しましたね。年長に上がる前の2月には、通う予定の小学校へ連絡を入れ、行事などが落ち着く6月くらいから校長先生にお会いして面談しました。
幸い、特別支援に力を入れている小学校なのもあり、参観日の見学や行事の参加など積極的に声をかけていただき、入学までにほぼ月イチで息子も連れて小学校へ行ってました。言葉が遅いなどがあり、当初から特別支援学級希望ではあったのですが、授業参観の時にとりあえず通常学級も…と思ったのですが、教室に近づくにつれ息子の拒否が凄かったので、あぁ、やっぱりね…と思ったものです。

そんな息子も、4年生から増えた交流授業(理科と時々体育)に楽しんで参加するようになっています。
そろそろ、中学をどうするか頭を抱える時期になってきました…。

(あきっちさん、特別支援学級)

編集部より

お子さんが年中のころから、綿密な準備を進められたあきっちさん。就学予定だった小学校が、特別支援教育に力を入れている学校ということで、とても協力的だったのですね。学校での息子さんの様子を実際に確認できたことも、就学先決定のポイントだったのではと思います。また、そろそろ中学校の進学先について考える時期とのこと。連載ライターSAKURAさんの娘さんは、小学校では特別支援学級に在籍していましたが、中学校でも特別支援学級に…とは、当初あまり考えていなかったそうです。しかし、娘さん本人に中学校から在籍クラスをどうするか聞いてみると、意外な答えが…?ぜひご参考になさってみてください。
発達障害小6娘、中学は通常学級?特別支援学級?「私はこっちで学びたい!」娘が選んだ進路に成長を感じてのタイトル画像

発達障害小6娘、中学は通常学級?特別支援学級?「私はこっちで学びたい!」娘が選んだ進路に成長を感じて

将来は「特別支援学級の先生」になりたい!

小学校は、通常学級に在籍しての入学。入学してから、皆と動きが同じにできず…。
先生の勧めで検査し、アスペルガーと診断。さらには聴覚過敏症や偏食も。低学年のころは言葉で伝えるのが難しく、教室のガヤガヤ感が耐えられず暴れると先生2人がかりで連れ出される始末。イヤーマフが本当に役に立ちました。
特別支援学級の先生の勧めで2学期から特別支援学級に通級すると、少人数で静かな環境が本人には合っていたのか、授業も集中できるし、分からない部分は少人数の良いところで、細かく教えてもらうことができ、通常学級よりも進んで教わっていました。あまりにも進行速度が違うと、調節するためにご褒美時間(内緒のお茶会やDVD鑑賞)がありました。
特別支援学級の先生は、発達障害児がどこにつまづきやすいのかを分かっていて、掛け算九九をパソコンやCDで目と耳を使って早めに教えてくれたり、コンパスの使い方を早めに教えてくれたりと、至れり尽くせりでした。
おかげさまで、小、中と不登校もなく来れました。高校も無事に合格し、将来は特別支援学級の先生になりたいって言ってます。

(しのっぺさん、通常学級(通級))

編集部より

しのっぺさん、息子さんの高校合格おめでとうございます!自分に合った少人数の落ち着いた環境で学べたことで、不登校もなく学校に通うことができ、将来の夢は『特別支援学級の先生』とのこと、素晴らしいですね!すべての子どもたちがしのっぺさんの息子さんのように、自分に合った環境でのびのびと学んでいける世の中になることを願ってやみません。
発達ナビライター鈴木希望さんの息子さんは、不登校を経験した後、特別支援学級に転籍したことで、再び学校に楽しく通うことができるようになりました。改めて自分に合った環境で学ぶことの重要さを感じます。
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不登校からの復帰、そして――特別支援学級転籍をすすめる担任が「息子さんはもっと学びたいから」と言う理由【息子の復学 Vol.3】

おわりに

発達の気になる子どもの就学先については、就学時には子ども自身の意思が確認できない場合も多く、保護者が決断しなくてはならないことから、誰しも大いに悩むことだと思います。たくさん調べ、悩んだ末に選んだ道が果たして正しかったのか?正解は分かりませんが、大切なのは、学校や医療機関、支援者と連携する体制を作ること、そして状況の変化に臨機応変に対応できるようにしておくことではないでしょうか。

大賞に選ばれた5人の方々には、人気エッセイ本をプレゼントいたします。どうぞお楽しみに!

発達ナビでは、これからもさまざまな企画をしていきたいと思っています。
次回の発達ナビ大賞もどうぞご期待ください!
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コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
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