「診断書」はいつ必要?学校・園や受験での合理的配慮や加配、療育に必要?すぐ書いてもらえる?もらい方や費用も解説【発達障害と診断書 小児科医が回答】

ライター:発達障害のキホン
「診断書」はいつ必要?学校・園や受験での合理的配慮や加配、療育に必要?すぐ書いてもらえる?もらい方や費用も解説【発達障害と診断書 小児科医が回答】のタイトル画像

診断書とは医師が患者の病名、症状、診断した内容などを記した書類です。発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)がある子どもの場合、診断書があることによって手帳の取得ができたり、幼稚園、学校、受験での合理的配慮を受けやすくなったりなどさまざまなメリットがあります。発達ナビ上で行った診断書についてのアンケート結果や、小児科医の藤井明子先生に診断書についての質問に答えていただきました。

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監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。

診断書とは?発達障害のある子どもの保育園、幼稚園、学校や受験での合理的配慮に必要?療育を受けるのに必要?

診断書とは医師が患者の病名、症状、診断した内容などを記した書類です。発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)がある子どもの場合、診断書を提出することによって手帳の取得ができたり、幼稚園、学校、受験での合理的配慮を受けやすくなったりなどさまざまなメリットがあります。

発達障害の診断書が必要なシーン(子どもの場合)

18歳未満の子どもの場合、発達障害の診断書が必要になるのは「精神保健福祉手帳」の取得や「特別児童扶養手当」の受給の際になります。

児童福祉法に基づくサービス(療育など)の利用や、通級指導教室、特別支援学級の入級、特別支援学校への入学の際にも診断書が必要になる場合があります。合理的配慮を受けるために必ずしも診断書が必要な訳ではありませんが、学校などで合理的配慮を受ける際に診断書や病状の詳細が記載された診療情報提供書があると、どのような支援が必要になってくるのか学校側で連携しやすくなるというメリットもあります。

また、「障害者差別解消法」の施行により、障害がある人が受験をする場合、個別面接、個別受験、問題文の読み上げなど負担が重すぎない範囲で配慮することが国公立の学校には義務づけられました。このような配慮を受ける場合にも、医師の診断書や診療情報提供書などを連携することがあります。
参考:日本の特別支援教育の状況について|文部科学省
https://www.mext.go.jp/content/20200109-mxt_tokubetu01-00069_3_2.pdf

診断書が必要なシーン(18歳以上の場合)

障害者総合支援法によるさまざまな福祉サービスを受けるためには、診断書とは少し違いますが、「医師意見書」が必要になります。
参考:医師意見書記載の手引き|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/8.pdf

発達ナビユーザーに診断書についてアンケートを取りました!学校や受験での合理的配慮、児童発達支援の利用、保育園の加配…「診断書をとったきっかけ」「診断書で変わったこと」ほか、発達障害がある子どもの保護者のリアルな声

発達ナビでは2023年3月27日から4月9日の期間、で『「診断書」どのタイミングで取得した?診断書について知りたいことなどエピソードを大募集!』として診断書についてのアンケートを実施しました。

結果は「子どもが未就学時代に診断書を作成したことがある(36%)」「診断書を作成したことがない(34%)」と僅差で未就学時代に診断書を作成したことがある方が多い結果となりました。それに続き「子どもが小学校時代に診断書を作成したことがある(21%)」という結果になり、お子さん比較的小さいころに診断書を作成したことがある方が多い結果となりました。
「診断書」どのタイミングで取得した?診断書について知りたいことなどエピソードを大募集!
https://h-navi.jp/selective_surveys/205
「診断書」どのタイミングで取得した?診断書について知りたいことなどエピソードを大募集!アンケート結果
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「子どもが未就学時代に診断書を作成したことがある」方のエピソード

1歳7カ月(確定診断と同時)で作成しました。公立療育に通うために、受給者証が必要だったためです。
現在は診断書がなくても通えるのですが、当時(約20年前)は診断書が必要でした。(あまだれさん)
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療育を受けるための受給者証を取得するため作成してもらいました。(夜子さん)
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最初は保育園で加配の先生をつけたいから取得してほしいと言われ。今は療育に通うために使ってる会社の介護支援制度申請のため年1回取得してる。(はまこ茶さん)
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入学時に支援級希望しており、診断書が必要だったので。(あきっちさん)
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療育手帳取得のため診断書を書いてもらいました。(まろさん)
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未就学児時代の診断書は「療育の利用」「保育園での加配」「特別支援学級入学」などで診断書を取得される方が多いようでした。

「子どもが小学校時代に診断書を作成したことがある」方のエピソード

学校への対応を親だけでは学校が固くて無理だったのでぶつかるよりはとドクターの知恵をお借りしました。(梛丹さん)
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小2の時にいよいよ特性が目立つようになってきて、服薬治療の必要を感じたのと、次年度(小3)を支援級にするか通常級のままで行くか決めるための判断材料も欲しくて、診断を受けました。(sacchanさん)
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読み書きに困難さがあり、授業でのデジタル教科書の使用を学校に相談するため、診断書を書いてもらいました。(kazehimeさん)
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小学校時代の診断書は「通う学級の判断」や「小学校での合理的配慮」などで診断書を取得される方が多いようでした。

「診断書を作成したことがない」方のエピソード

診断書が必要になる機会がなかったので1度もないです。病院とのつながりはあるので、必要になれば書いてもらえる環境ではあります。(夢野途中さん)
出典:https://h-navi.jp/selective_surveys/205
診断名としては聞いていますが、今のところ提出が必要なことがなかったので未作成です。
4月から小学生ですが、就学支援シートに幼稚園の先生、療育の先生から対応の詳細を書いてもらい提出しました。(AAAさん)
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診断書を作成したことがない方の多くは「必要な機会がない」とのことでしたが、取得の環境を整えたり、診断書でなくてもお子さんの詳細を学校に提出したりなど、できる準備をしていると安心してお子さんも過ごせそうです。

ここまで診断書についてのアンケート結果を発表してきましたが、ここからは気になる「診断書」についての疑問を小児科医の藤井明子先生に回答していただきます。

Q:子どもの診断書はどこでもらえるのでしょうか?

A:基本的にはかかりつけ医に相談して作成をしてもらいます。

発達障害などに関する診断書でしたら、診断した病院へ依頼が良いでしょう。直近に受診したことがなければ、かかりつけの小児科や児童精神科、小児神経科に依頼をしてみましょう。
どんぐり発達クリニック院長/小児科専門医 /小児神経専門医/てんかん専門医・藤井 明子先生
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