場面緘黙についてはまだまだ正しく知られていない…?

これまで、学校の先生やスクールカウンセラーにも同様のことを言われたことがあったので、「また同じようなことを言われてしまった…」という感じでした。
場面緘黙について、ネットで調べたり、本を読んだりすると、決して一人が好きなわけではないことや、二次障害に苦しむこともあるので、早めの支援が必要なことが書いてあります。
次女自身の話を聞いていても、話せなくて一人でいてつらい思いをしている…。
場面緘黙について、ネットで調べたり、本を読んだりすると、決して一人が好きなわけではないことや、二次障害に苦しむこともあるので、早めの支援が必要なことが書いてある。
まだまだ場面緘黙について知らない人も多いという現実
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なので、まだまだ場面緘黙についてあまり知られていないから、あのような発言になってしまうのかな…と思いました。

使える支援について聞くことができた

ただ、利用できるサービスなどについては詳しく教えていただけました。
私が住んでいる地域では、支援センターでの活動等は特になく、放課後等デイサービスとか、進級の際に担任の先生への説明に使える個別の支援シートなどがありました。
次女はその後、学校との相談で、小学校の「ことばの教室」に通うことになったので、これらのサービスを利用することはありませんでしたが、こういう支援があると知ることができたのは、とても良かったと思います。

支援センターに行ってみて

場面緘黙が分かってからかなり時間がたったあとに支援センターに行ったのですが、思ったことは、「もっと早く行ければよかったな~」でした。
面談では、思ったような言葉は得られなかったけど、相談先が増えたことや、使えるサービスについて分かっただけでも安心感につながりました。
場面緘黙の診断が下りたあと、もっと早く支援センターに行ければよかったと思う母。
支援センターでの面談を通して相談先が増え、使えるサービスについても知ることができた
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ただ、小学生より、未就学児に対する支援のほうが充実しているので、もし、わが子の発達について気になることがあるのなら、早くから支援を受けられるように動いていくことが、すごく大事だなと思いました。

執筆/まりまり
(監修:新美先生より)
場面緘黙のあるお子さんの、支援センターに相談に行くまでと、行ってどうだったかについて教えてくださりありがとうございます。
場面緘黙については、記事内でまりまりさんが教えてくださったように、お子さんに直接かかわる園や学校の現場での理解や対応がまちまちで、不十分なことも実際少なくありません。場面緘黙のあるお子さんは、ほとんどしゃべらなくても、一通りのその場で必要とされることをやりこなしてしまうので、大きな問題があるととらえてもらえないことがよくあるのです。

でもその内心どう感じているかについては、一人ひとり違っています。場面緘黙のあるお子さんは、圧倒されやすかったり不安を抱きやすかったりする方が多いですし、そもそも学校という外の世界で、十分に表出できないというだけでとても不便ではあるはずです。しゃべれないだけでなく、行動が固まってしまうこともあります。できれば場面緘黙に詳しい専門家につながって、学校での対応等について相談できたほうが安全でしょう。またまりまりさんのように、インターネットや書籍等で、適切な情報にアクセスしておくのも大事ですね(場面緘黙の相談ができる専門家が近くにいるとは限らないので)。

今回お聞かせいただいたエピソードでは、「支援センター」にも場面緘黙に詳しい専門家がいたわけではないようで、すでにインターネット等で知識を得ていたまりまりさんにとっては十分納得のいく相談にはならなかったようです。それでも、使える支援サービス等を知ることができたり、地域の支援センターにつながっておくことでもしかしたら学校のほうの対応がかわることも多少あったでしょうか。

まりまりさんのエピソードのように、場面緘黙については相談する人によって、返ってくるアドバイスがまちまちなことはとてもよくあるので、おや?と思ったらまた機会を見て別の相談窓口にアクセスすることもよいことがあります。…というか、場面緘黙の理解が現場で広まっていくようにしないといけないのはやまやまですが…。今回のお話自体が啓発につながると思いますし、私自身もいろんな場所で場面緘黙についてもお話ししていけるようにしたいと思いました。ありがとうございました。
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コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
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