マンガで描く成長ストーリー『なわとび跳べないぶきっちょくん ただの運動オンチだと思ったらDCD(発達性協調運動障害)でした!』/著者・監修専門家インタビュー

ライター:発達ナビBOOKガイド
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合同出版
マンガで描く成長ストーリー『なわとび跳べないぶきっちょくん ただの運動オンチだと思ったらDCD(発達性協調運動障害)でした!』/著者・監修専門家インタビューのタイトル画像

「なわとびが跳べない」と「字がきれいに書けない」、一見関係ないように見えますが、実はどちらもDCDが原因で起きているのかもしれません。DCDとは発達性協調運動障害のことで、協調運動をコントロールする脳機能に問題があることを言います。『なわとび跳べないぶきっちょくん ただの運動オンチだと思ったらDCD(発達性協調運動障害)でした!』(合同出版)はDCDについてマンガで分かる、親子の成長物語。著者のオチョのうつつさんと監修者の古荘純一先生にお話を聞きました。

発達性協調運動障害は、文字通り協調運動をコントロールする脳機能に問題があること

今、大人になった人たちの中にも、子どもの頃から「手先が不器用」、「運動が苦手」と言われていた人もいるでしょう。不器用だからと片づけられ、適切な支援も受けられないまま生活に支障をきたしたり、周りの人から批判的な事を言われたりして、自信が失われてしまった人もいるかもしれません。
DCD「発達性協調運動障害」のことで、発達障害の1つのタイプです。(25ページより)
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4772615385/
『なわとび跳べないぶきっちょくん ただの運動オンチだと思ったら、DCD(発達性協調運動障害)でした!』(5ページより)
『なわとび跳べないぶきっちょくん ただの運動オンチだと思ったら、DCD(発達性協調運動障害)でした!』(5ページより)
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字がとても下手、はさみなどの道具をうまく使えない、食べこぼす、ひもを結べない、運動が苦手……。「不器用」である背景には、実は発達性協調運動障害が関係しているかもしれません。発達性協調運動障害はDevelopmental Coordination Disorderを略して、DCD(ディーシーディー) と呼ばれています。

『なわとび跳べないぶきっちょくん ただの運動オンチだと思ったらDCD(発達性協調運動障害)でした!』は、DCDがある現在小学校6年生のウノくんとその母・オチョのうつつさん親子の成長記です。また章ごとに、ウノくんをDCDと診断し、寄り添ってきた古荘純一先生(小児科医、医学博士)がDCDについて分かりやすく解説し、全体の監修をしています。
本コラムでは、著者であるマンガ家・オチョのうつつさんと、古荘純一先生に伺った話に沿いながら、本書をご紹介します。その前に、DCDについて少し知っておきましょう。

※編集部注:DSM-5、ICD-11訳語案では「発達性協調運動症」の名称に変更が予定されていますがこの記事では、一般的にも使われることが多く、またこの書籍で用いられている「発達性協調運動障害」の名称を使っています。
参考:発達障害(はったつしょうがい)| eヘルスネット
出典:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-049.html
協調運動のしくみ(26ページより)
協調運動のしくみ(26ページより)
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体を動かすときに、感覚器官から入ってくる外部情報を脳で処理し、その情報に従って脳は体を動かす命令を下すというプロセスを踏みます。ところが、この運動指令がうまくいかないのがDCD。「情報を統合して目的に合わせて出力する、協調運動の脳機能に不具合が生じる」(26ページより)のです。

たとえば、なわとびを跳ぶことは体のさまざまなパーツを使ったとても複雑な動きを組み合わせた運動です。DCDの場合、その一つひとつの指令を正確に順番通りに出すことがむずかしいのです。これは、脳と手や目の協働がうまくいかないためだと考えられています。つまり、体を洗う、靴ひもを結ぶ、字をきれいに書く、ボール遊びをするという、一見関連性がないような動作がうまくできない理由はDCDにあるかもしれないのです。
頭を狙って水がかけられないウノくん(27ページより)
頭を狙って水がかけられないウノくん(27ページより)
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DCDそのものは治す・治るというものではありません。それでも、動きをこまかく分解してスモールステップで教える事や、使いやすい道具をそろえるなど環境を整えることで、生活に支障をきたさないようにすることが可能です。そして何より本人の自己肯定感を保てるようになります。

本書では、ウノくんのDCDゆえに子育てのストレスや不安を感じてきたオチョさんが、DCDについて気づき、迷うというプロセスを経て、ウノくんと共にDCDを理解していく姿が描かれています。

著者が「いつか描こう」と思ってきた息子のDCDの様子。その観察が早く診断にたどりつくカギに

ここからは、著者のオチョのうつつさんと監修者・古荘純一先生から伺ったお話を軸に、本書をご紹介します。

発達ナビ編集部(以下、――):はじめに、本書をつくられたきっかけや想いについて教えてください

オチョのうつつさん(以下、オチョ):息子がDCDだと分かったときから、いつかマンガに描くのかな、とは思っていました。でも実際に、「描こう、描ける」と思ったのは、息子が明るく活発になったからでした。診断された直後は、本人も「僕は障害があると診断されるほど不器用なのか」とショックを受けた様子もありました。でも、結果的に診断されたことが物事に前向きに取り組むきっかけになり、そのことに驚き、感動したのでマンガに描くことができました。診断を受けたのは小学校4年生の時でしたが、幼稚園時代から、もともと日常にあったことを日記のように漫画にしていたので、それをベースにしています。

――ウノくんの不器用さ、運動の苦手さに気づかれたのは、いつごろからでしたか?

オチョ:幼稚園の頃はまだ、まわりの子よりも運動が苦手だという印象だけでした。
ウノくんは年中のころ、先生から「今体育でなわとびをやってるんですけど……ウノくん難しいみたいで。おうちでも練習してもらえますか?」と言われます。(34ページより)
ウノくんは年中のころ、先生から「今体育でなわとびをやってるんですけど……ウノくん難しいみたいで。おうちでも練習してもらえますか?」と言われます。(34ページより)
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『なわとび跳べないぶきっちょくん ただの運動オンチだと思ったら、DCD(発達性協調運動障害)でした!』(36ページより)
誰に相談していいか分からなくなったオチョさんは、いろいろ調べたりママ友の話を聞いたりするうちに「発達支援センター」を知ることに。(36ページより)
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ところが、発達支援センターが対応しているのは未就学児までで、春から小学校1年生になるウノくんの場合、連絡をした時点ではすでに予約がいっぱいで就学前に対応ができないと言われます。(39ページより)
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そこで紹介されたのは脳性まひのリハビリや発達障害に対応している療育病院でした。(42ページより)
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そのとき「勉強不足だった」と振り返るオチョさんは、息子の不器用さの背景には障害があるのかもしれないということに向き合うことができず、この時は病院には行かなかったのでした。(43ページより)
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オチョ:小学校に上がってからは、とにかく字を書くことに苦労しています。とめ、はね、はらい、「へん」と「つくり」のバランス、そもそもの鉛筆の持ち方など……。一生懸命頑張っても上達しないので、モチベーションも下がり字を書くことが嫌いになる。ノートを書くことを頑張れない、するとノートを書かないので評価されず、テストで点数が取れていても成績が悪くなる……といった悪循環でした。しかし、DCDを知る前は運動と書字が同じ原因で苦手だとは知りませんでしたので、解決策が見つからず親子でフラストレーションがたまる日々でした。
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個性だと思っていた息子の字。「これじゃダメなの!?」(46ページより)
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――ウノくんのDCDに気づいたきっかけはSNSだったそうですが、その時の思いは?

オチョ: 例として挙げられている事柄がほぼ当てはまったので、驚きはしましたがショックはありませんでした。書字、体育、友人関係などがうまくいかず、モヤモヤすることが多かったのでこれで息子がもっと暮らしやすくなる糸口が見つかるかもしれないと興奮したことを覚えています。
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ウノくんが小学校4年生になった時、オチョさんはSNSでDCDと出合います。(76ページより)
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「ウノはDCDだったんだ!全部当てはまる」という衝撃。(78ページ)
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――ここで、古荘純一先生に教えていただきます。子どものDCDに気づくには、どうしたらよいのでしょうか。

古荘純一先生(以下、古荘): DCDかもしれないと気づくポイントは体育だけではなく、ボタンを留める、体を洗うなどの日常的な動作が、正確にできない、時間がかかる、というところです。お子さんの様子を注意深く見てあげてほしいと思います。その意味では、オチョさんはよくお子さんを観察し、気にかけSNSでDCDについて発信されている内容を読んだときに、「これだ!」とピンときたのでしょうね。

――本のタイトルにもありますが、運動オンチとDCDはどう違いますか?

古荘:運動オンチは「体育が苦手」の意味合いが強く、日常生活ではさほど不器用を感じることもない人が少なくありません。しかしDCDは日常生活にも影響がでています。日本では一般に使用はされていませんが、DCDかどうかの線引きをする尺度があります。たとえばボールを穴の開いた箱に1個ずつ収納するのに、どのくらいの時間がかかるか、どのくらいうまく収められるかという、時間と正確さを測定して平均とどのくらい差があるかをみるという方法です。

――ところで、古荘先生はこれまでにDCDの子どもたちにどのような支援をされてきたのでしょうか。

古荘:私は、発達障害に限らずさまざまな人たちを診察していますが、医療の現場では1人の医師としてできるDCD支援を行ってきました。具体的には、まずはDCDの診断をすること。これは誤解をなくして合理的配慮を受けられることを保証するためです。次に社会啓発。地域や教育委員会の講習会などの場でDCDの概念について説明をしています。そして日本DCD学会に所属して知識のアップデートと情報共有をしています。

道具や環境を整えてDCDを支援。いちばん大切にしたいのは子ども自身の自尊心

――p111「アプローチを変えよう」で描かれている、家庭内で実際にされている支援の方法は、同じ悩みをもつ読者にはとても参考になるところだと思います。

オチョ: 古荘先生の診断の時に、便利な道具を使うことや学校に合理的配慮を求めるようアドバイスをいただいたことをきっかけに、自分でも調べながらさまざまなことをやってみました。
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古荘先生のもとを訪れたオチョさん親子は、合理的配慮の大切さを知ります。(93ページより)
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「まずは道具を変えてみよう!」(112ページより)
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オチョ: 幸い、担任の先生は理解があって、使いやすいシャープペンシルやタブレットを授業に持ち込むことなど、すぐに許可をもらうことができました。タブレットでの板書は息子に合っていたらしく、それに伴い手書きでの板書も少しずつできるようになりました。
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板書のためにタブレット端末を使う許可を学校に交渉してくれた、心強い担任の先生。(101ページ)
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――ウノくんの担任の先生はとても理解がある先生だったと思いますが、古荘先生、もし子どもがDCDだと分かったら、保護者や教員はどのように支援すればよいのでしょうか。

古荘: DCDは発達障害の1タイプですので、合理的配慮を受ける権利があります。お子さんが、周囲の子どもと同じように家庭や学校で生活できるには、どのような配慮が必要かを考えてみてください。ウノくんの実例もぜひ参考にしてほしいと思います。たとえば、板書に時間がかかるとしたら、黒板の文字を写真にとり自宅でノートに貼りつける。宿題はパソコンを使う。音楽の授業でリコーダーをうまく吹けないのであれば、穴にシリコンの弁がついたものを使用する。体育では、本人に合った実現目標を決めて参加する、などです。

大切なことは、周囲からの疎外感をもたせたり、つらい思いをさせたりしないこと、そして、生活するには何が必要かを考えることです。さらに、一度決めたら変更しないのではなく、どのような理由でできないのかを考えて、実現可能なものに変更する。
つまり、次につながる「できた!」という成功体験を本人が積み重ねられるようにする事です。

オチョ:便利グッズを使うことで、DCDだから感じてしまうストレスはなるべくなくすように工夫しました。でも逆に、DCDだからと理由をつけてサボったり、できることなのに面倒くさがって諦めたりすることは許していません。
コロナ禍があったので水泳教室も途中で退会してしまい、今年久しぶりにあった学校の水泳ではタイムが大幅に落ちていました。でも、一度は習得したクロール。泳げなくなっているわけではありませんし、DCDが理由でタイムが落ちたわけでもありません。今回のことをきっかけに頑張ってみようと、水泳教室にもう一度入会する計画をしているところです。

――ところで、ストーリーは実体験に基づいたものですが、マンガの中には架空の登場人物がいますね。

オチョ: DCDについての体験談としての側面もありつつ、読み物として読んでも面白くなるよう意識するなかで、「よその子どもと比べる悪魔」が出てきます。これは親御さんなら誰しも心にいる厄介な敵なのではないでしょうか。
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影のようにつきまとう「よその子どもと比べる悪魔」(20ページより)
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子どもは元気で笑顔でいてくれればそれでいいと思う一方で、ほかの子どもと比べて「あれができない」「これはまだだ」と焦ってしまいます。この悪魔はちょいちょい登場しますが、最終的にはその悪魔と決別する場面も、見どころになっていたらうれしいです。
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運動会で旗持ちの役割を果たし、積極的で明るい側面が表れ始めたウノくん。(122ページより)
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多くの人にDCDについて知ってほしい! 診断を得て合理的配慮を受ける大切さを見てほしい!

――本書は、どなたにどのように読んでほしいとお考えですか?

オチョ:もちろんDCDで困っている方や、支援する先生方に届いたらいいなと思っています。以前、この本のプロトタイプとなる漫画をSNSにアップしたときに、ご家族から診断を受けることを反対されている方からメッセージをいただきました。発達障害のことを知らないから拒否反応が出るのかもしれません。でも実際には、DCDと診断がついたからこそ受けられる合理的配慮があり、困りごとを減らすことができるようになるのです。

手前味噌ですが、このマンガは明るく分かりやすく描いていますので、そういった方々に「まず知ってもらう」ためのひとつの手段として活用していただけたらと思います。

古荘:DCDの人や支援者は当然のこと、不器用、運動オンチかな? と思う方にも活用してもらいたいと思います。不器用や運動オンチで恥ずかしい思いをすることは少なくありません。そのために自信をなくしたり、友達との交流を避けたりすることがないようにしたいという願いもあります。

体育の授業では、競争や勝ち負け、鍛えるということに主眼がおかれがちですが、運動は、楽しめること、続けられること、健康を維持することが不可欠な要素です。そのことから、体育などの実技科目の先生やコーチの皆さんにも読んで理解し活用していただきたいです。

――最後に、LITALICO発達ナビの読者へのメッセージをお願いします。

オチョ:DCDもそうだと思うのですが、今はいろんな困りごとが細分化されてあらゆるサポートを受けられるようになってきていますね。私の息子もそうですが、自分の特性を知ることで随分と生きやすくなったと思います。
「発達ナビ」のように情報を得ることができるサイトをどんどん活用して、一人でも多くのお子さんや保護者の方が笑顔で毎日を過ごせるようになったらいいなと思います。 

古荘:DCDのお子さんは5~10%程度、存在すると推測されています。つまり1クラスに3人程度いることになります。ウノくんのように、赤ちゃんの時からその特徴がみられる人もいますが、早期診断は難しいのが現状です。オチョさんのように、保護者が「気になる」という気持ちを持つこと、そして本人のペースに合わせたしつけを工夫し、無理強いしないことを大切にしてほしいです。
今現在、DCDについては残念ながら、保育士、教師、保健師に浸透しているとは言えません。だからこそ、年長さんの頃にDCDの診療経験のある医療機関で相談してみてください。

まとめ

マンガを読むと、こうした合理的配慮を積極的に考えてくれた担任の先生や、ウノくんを応援する周りのお友達がいて、環境に恵まれているからでは、と感じるかもしれません。実際に、DCDというキーワードに早い段階で出合うことができたオチョさんに、古荘先生は「運がいいですね」と言ったそう。

オチョさんのあとがきには「でも本音を言えば、運ではなくDCDに関わるすべての人に正しい情報が行き渡り、困りごとを減らすことができたらどんなにいいでしょう」とあります。発達障害の中でもまだあまり知られていないDCDについて、多くの人が気づき、支援につながれるきっかけになるのが、『なわとび跳べないぶきっちょくん』ではないでしょうか。

文/関川香織

著者について

■監修者
古荘純一(ふるしょう・じゅんいち)
青山学院大学教育人間科学部教育学科教授。小児科医、小児精神科医、医学博士。1984年昭和大学医学部卒、88年同大学院修了。昭和大学医学部小児科学教室講師を経て現職。小児精神医学、小児神経学、てんかん学などが専門。発達障害、トラウマケア、虐待、自己肯定感などの研究を続けながら、教職・保育士などへの講演も行なう。小児の心の病気から心理、支援まで幅広い見識をもつ。主な著書・監修書に『自己肯定感で子どもが伸びる 12歳までの心と脳の育て方』(ダイヤモンド社)、『発達障害サポート入門 幼児から社会人まで』(教文館)、『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか 児童精神科医の現場報告』(光文社新書)、『空気を読みすぎる子どもたち』(講談社)など。

■著者
オチョのうつつ(おちょの・うつつ)
漫画家、ブックデザイナー。『本当にあった笑える話』で『しゃんしゃん婆ミツコ御年90歳!』(ぶんか社、2021)で漫画家デビュー。ほか『サレ妻デザイナーの私を見て笑え!!』
など。
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オチョのうつつ (著, イラスト), 古荘純一 (監修)
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コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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