幼児の気持ちに寄り添ったリハビリで、息子のヤル気を引き出してくれたPTの先生に感動!

PT(理学療法)のリハビリをスタート
PT(理学療法)のリハビリをスタート
Upload By 鳥野とり子
PT(理学療法)の先生と1対1でリハビリが始まりました。
手を繋いで歩いたり、跳躍器具を試してみたり、滑り台を滑ったりして軽く体を動かしたあと、1人歩行を促す訓練をしました。訓練と言ってもまだ2歳なので大人のリハビリのような訓練はできず、自分のやりたい事しかやってくれません。そのため、先生は幼児でも楽しみながらリハビリをできるように工夫をしてくれました。

ネコ太が受けた訓練の一つを紹介すると……
台を2つ用意して50センチほど離して置きます。1つの台の上に、ボールが入ると音が鳴るおもちゃを置き、もう1つの台の上にはボールを置きます。そうすると、子どもはおもちゃにボールを入れたくてボールを取りに行き、そして、おもちゃの台まで移動するという仕組みです。その移動の際に、絶対にハイハイをしないように先生が少し補助しながら立って歩くように働きかけるのです。

単純な仕組みですが、ねこ太はとても楽しそうにリハビリを受けていて感動しました。

衝撃! 通い始めて2回目で歩けるように!!

息子はリハビリを始めて2回目で歩けるようになった。
リハビリを始めて2回目で歩けるように!
Upload By 鳥野とり子
初回のリハビリはとにかく楽しく終えて、1週間後に2回目のリハビリをしました。
なんと驚くことに、2回目のリハビリでねこ太が歩けるようになったのです!

今までどれだけ歩行を促しても歩けなかったのに、リハビリに通ってたった2回で歩けるようになるなんて信じられませんでした。
「こんなことならもっと早くにリハビリを受けていたら良かった」と思いましたが、歩けるようになるタイミングもあるでしょうし、この時はこれが良いタイミングだったのかもしれません。

PTの先生の指導が本当に上手だったことと、ねこ太が歩けるタイミングが重なったことでこんなに早く成果が出たのだと思います。歩けるコツを掴んだねこ太はあっと言う間にグングン歩くようになり、今まで行けなかった公園にも行って世界が広がりました。

そして世界が広がったねこ太の多動が始まるのですが、それはまた別の機会にお話ししたいと思います。
執筆/鳥野とり子

(監修:室伏先生より)
ねこ太くんが歩けるようになるまでの発達過程と、理学療法のご様子を共有くださり、ありがとうございます。
ねこ太くんが動き回れるような環境に連れて行ったけれど、あまり効果がなかった、と書いてくださっていますが、とり子さんがしてくださっていたことは実はとっても大事なことです。
「はいはい」をたくさんすることで、歩くための筋力、腕と脚の協調運動、地面から受け取る触覚などの感覚、バランス感覚などが養われます。ですから、こういった経験を通して、ねこ太くんは歩く準備を着々と進められていたのだと思います。

理学療法士さんは、ご本人にとって少し難しいこと、でも頑張ればできることを課題として設定し、お子さんを楽しませながら、上手に本人の頑張りを引き出してくれます。実際にリハビリを行う時間だけでなく、ご自宅で実践できる訓練のアドバイスもとても貴重だと思います。リハビリ開始の年齢は、運動発達の状況や、リハビリのできる施設の受け入れ状況によっても異なりますので、運動発達で気になる点がある場合には、地域の発達センターや保健師、小児科医などに相談してみてくださいね。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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