読者の皆さんからの質問をもとにお聞きしました

発達ナビみんなのアンケート「連載ライターのみなさんに聞いてみたいこと大募集!」にお寄せいただいた質問をもとに、SAKURAさんの体験を教えていただきました。
※お寄せいただいた質問については、一部編集部にて編集しています

ーー発達の特性などについて理解をしてもらいにくい先生には、どのようなコミュニケーションを取っていましたか?

SAKURAさん:先生に娘の時性を理解してもらえるために、私たちはまず先生と信頼関係を築くことを大事にしました。私たち側から、学校に対する一方的な要求だけだと信頼関係も築けないので、姿勢としては「学校にいる間のことは丸投げするわけではなく、学校生活もこちら側から一緒に取り組みます!」という感じです。学校のやり方を受け入れ、特別支援学級の状況(ほかの子の事など)も理解します。

例えば、支援員が足りず、全員に目が届かない授業状況や、騒いでしまう子どもがいて静かな環境がつくれないときは、学校で進められなかった授業内容を、家で取り組み、フォローしたり、私たちにできる事(助けられる事)はあるか、先生に聞いたりしました。

こちら側からも学校側の事情を理解したいという態度を示すことで、逆に家庭で取り組んでいることや思いなども学校側に理解してもらいやすくなり、信頼関係も築きやすいのではないかと思います。
こちら側からも理解を示すことで、学校側にも理解してもらえ、信頼関係を築きやすいのではないかと思います
先生と信頼関係を築くことを大事にしています
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ーー公立中学校での合理的配慮はどんなことが行われていますか?

SAKURAさん:娘の場合、できる事は通常学級の子と同じレベルで進めてもらい、苦手な部分は先生と細かく確認しながら、配慮していくという感じで進めています。

例えば、試験前は細かく何度も試験範囲を確認し、娘の自信度の探りを入れてもらいます。自信がないまま試験を受けると、分からなくなったときにパニックを起こしてしまうので、自信がない場合は、特別支援学級の授業の時間に自信のない教科の勉強時間を取ってもらったり、分からない問題が出てきたらどうするか、どう気持ちを切り替えて次に進むかなどを確認してもらっています。試験自体はみんなと同じ教室で、みんなと同じ問題を同じように受けています。

娘は、問題を声に出して読み、同時に理解するのがとても難しいため、授業では何度も問題文を確認してもらったり、分かりやすいように絵にしてもらうなどの配慮をしてもらっています。

また、先生が口頭でする指示を一度で聞き取って理解するのが苦手なので、全体へ指示をしたあとに娘がちゃんと理解できたか確認したり、もう一度同じことを言ってもらったりしています。
できることは通常学級の子と同じレベルで進めてもらい、苦手な部分は先生と細かく確認しながら、配慮していくという感じで進めています
娘の自信度の探りを入れてもらいます
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執筆/SAKURA

(監修:初川先生)
年度替わりの時期に先生方にお子さんの理解を得るコツについて具体的にシェアしてくださりありがとうございます。とても勉強になることばかりでしたね。始業式よりも前に新しい担任の先生方に会えるかは学校によってさまざまです。そこが難しいという判断になった場合には、始業式以降なるべく早くに面談をすることで同じようにお子さんの特性やこれまでの経過などを共有できるといいですね。

連絡帳の作成のお願い、返事はなくてもいいから読んでいただければというお願いの仕方も含め、細やかなコツの伝授がありがたいですね。SAKURAさんも語られていたように、学校に対して一方的に要求しているようになると協力関係が築きにくくなります。ただ、学校も家庭も、お子さんにとって学校生活が順調なものになるよう願っているのは同じです。お互いの忙しさやできる事、できない事を念頭に置いてすり合わせてゆく対話ができるといいですね。どんな意図・思いでその提案をしているのか、そのあたりまで伝えられると共通理解が進むように感じます。
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https://h-navi.jp/column/article/35029865
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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