ASD(自閉スペクトラム症)小4のみき。希望するも自閉症・情緒障害特別支援学級には入れなくて……

発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたストーリー「発達障害の子どもと私たち」みき編第3話をお届けします。

ASD(自閉スペクトラム症)のあるみきは、通級指導教室へ通いながら通常学級に所属しています。ですが、小学4年生になり学校の集団授業についていけず、登校渋りが出るようになりました。保護者は少人数で見てもらえる特別支援学級を考え、自閉症・情緒障害特別支援学級を希望したのですが、判定は不可。「クラスが変わればきっと楽になる」と思っていたみきは、その結果を聞いて大泣きしてしまいました。「今のクラスだったらもう学校に行けない」というみき、果たしてこのままみきはつらい思いのまま学校へ行かなければいけないのでしょうか。

次回は第4話(最終話)「特別支援学級への転学は白紙に、娘は号泣…しかし「あること」に望みを繋げ教育委員会へ【マンガ発達障害の子どもと私たち/みき編第4話】」ぜひご覧ください。

特別支援学級へ転籍するときの留意点は【専門家解説】

在学中に通常学級から特別支援学級へ転籍するときには、実際に見学に行き体験してみることが大切になってきます。また、本人の希望や保護者の意見が分かれてしまうのはよくないので、どうしたいか考えを一致させていくことが大切です。
通級指導教室は特別支援学級に行くと受けられませんので注意が必要です。一般的には学級を変えるチャンスは年度の始めしかないので、早めに相談を始めておくほうがいいと思います。

特別支援学級へ途中で転籍するときには、本人の希望、実際に体験してみることが必要になってきます。もう一つ大事なことは、みきさんの事例のように、特別支援学級の種類に関するところです。一般的に自閉症・情緒の特別支援学級では、通常の学年と同じように学習内容は進行していきますが、知的障害の特別支援学級については、学習の進度は学年相応というようりは本人の発達や学力に合わせて行われます。ただし、みきさんのように自閉症・情緒の学級の条件にも当てはまり、知的の申請条件にも当てはまる場合は、クラスの人数やメンバーとの相性なども考慮してより適切な環境で学習できるように相談していくことが大切です。一般的には学級を変えるチャンスは年度の始めしかないので、早めに相談を始めておくほうがいいと思います。
井上 雅彦先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
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ぜひご覧ください。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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