特性の推移と現在

成長につれて衝動的な行動は減り、親への愛着が育ってきた
成長につれて衝動的な行動は減り、親への愛着が育ってきた
Upload By ほかかほ
おとの場合、1歳半~2歳頃をピークに多動や衝動的な行動は徐々に減っていき、3~5歳頃には私と手を繋いで歩けるようになりました。しかしまだたまに私の手を振りほどいて脱走していたため、状況に応じて迷子紐を使用していました。迷子紐はコンパクトなので携帯しやすい点も良かったです。

年長の夏頃になると、おとは私の手を振りほどいてどこかに行ってしまうことはなくなっていました。そしてその頃から、親への愛着や保育園や学校の先生に対する信頼感が、徐々におとから感じられるようになってきました。私の姿が見えないと不安を口にするようになり、少しずつ私に甘えるようになりました。保育園では分からないことがあると先生を頼り、不安な時は先生のそばにいたがるようになりました。小学校入学後は勝手に教室から出ていくことは一度もなく、先生を信頼している様子でした。

おとが小学校2年生の時、私はおとから初めて「ママが大好き」と言われ、それ以降おとは私にたくさん甘えるようになりました。これまで私がいくら愛情表現をしてもおとからの反応は乏しかったのですが、自分の愛情はちゃんとおとに伝わっていたんだな……と、報われた思いがしました。

最後に

障害や発達特性は十人十色ですが、子どもの命を守り、楽しく毎日を送るために、また親の気持ちのためにも、困りごとに対してさまざまなアプローチをしてみることは大切なことだと感じた一連の出来事でした。また子どもの反応が乏しくても、「親の愛情は子どもには伝わっているんだ」ということも感じた体験でした。
執筆/かほ

(監修:鈴木先生より)
かほ様の愛情と努力が実って良かったですね。ただ、当時は必死だったと思います。迷子紐やバギーの対症療法以外に、身体への強い刺激を弱める方法としては、リハビリのOT(作業療法)で行う感覚統合訓練や外来での投薬という方法があります。これらは小児科医やかかりつけ医のセンス(知識と経験)の違いで保護者へのアドバイスが異なってきます。発達が専門の医者にとっては常識なのですが、学会でこのような症例が報告されると、必ずと言っていいほど感覚統合訓練や投薬の質問が出てきます。エビデンスがあるからです。ほかには、当クリニックでやっているようなMT(音楽療法)も情緒の安定や自己コントロールへの効果が期待されます。もし病院へ行く時間がない場合は、近所の公園の遊具やアスレチックで遊ばせることで多少なりとも「多動・衝動性」を抑えることが可能かと思われます。
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https://h-navi.jp/column/article/35030464
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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